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平成25年度春季解答

問題11

プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。 コストが超過せず、納期も遅れないと予想されるプロジェクトはどれか。 ここで、それぞれのプロジェクトの開発の生産性は今までと変わらないとする。

解答:ウ

<解説>

EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。

EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。

EVM の基本となる 3 つの値である PV (実行予算) 、EV (達成額) 、AC (実績コスト) を見ていくことで、コストの超過やスケジュールの遅延を数値的に分析することができる。

PV(Planned Value:実行予算)
計画時点で見積もった予算コスト
EV(Earned Value:達成額)
現時点までに完成した作業の予算コスト
AC(Actual Cost:実績コスト)
現時点までに完了した作業の実コスト

 

したがって、コストが超過せず、納期も遅れないと予想されるプロジェクトとは、

  • 「コストが超過しない」⇒AC(Actual Cost:実績コスト)がEV(Earned Value:達成額)以下である。
  • 「納期も遅れない」⇒EV(Earned Value:達成額)がPV(Planned Value:実行予算)以上である。

となる。

よって、ウが正解である。

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問題12

ファンクションポイント法の一つであるIFPUG法では、機能をデータファンクションとトランザクションファンクションとに分類する。 機能を適切に分類したものはどれか。

解答:ウ

<解説>

ファンクションポイント法は、ソフトウエアの規模や開発工数を見積もるための手法の1つである。ファンクションポイント法には、数十種類の計測方法があるが、現在では IFPUG法(International Function Point Users Group)が主流となっている。

IFPUG法では機能をデータファンクション(計測対象となるソフトウェアから参照または更新を行う論理的なデータのまとまり)とトランザクションファンクション(ソフトウェアに対するデータの入出力を伴う処理)に分類される。

データファンクション

内部論理ファイル(ILF)
アプリケーション境界内にあるデータのまとまり。
外部インタフェースファイル(EIF)
アプリケーション境界外にあるデータのまとまり。

トランザクションファンクション

外部入力(EI)
アプリケーション境界外からデータを受け取り、内部論理ファイルを変更したり、システムの動作を変える処理を行う。
外部出力(EO)
アプリケーション境界外にデータを計算等によって加工して提供する処理。システムの動作を変える処理を含む場合もある。
外部照会(EQ)
アプリケーション境界外にデータを提供する処理。データの加工やシステムの動作を変える処理は行わない。

したがって、ウが正解である。

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問題13

品質の定量評価の指標のうち、ソフトウェアの保守性の評価指標になるものはどれか。

(最終成果物に含まれる誤りの件数)÷(最終成果物の量)
(修正時間の合計)÷(修正件数)
(変更が必要となるソースコードの行数)÷(移植するソースコードの行数)
(利用者からの改良要求件数)÷(出荷後の経過月数)

解答:イ

<解説>

× ソフトウェアの信頼性の評価指標である。
ソフトウェアの保守性の評価指標である。
× ソフトウェアの移植性の評価指標である。
× ソフトウェアの機能性(合目的性)の評価指標である。

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問題14

表のRACIチャートを用いた、あるプロジェクトの責任分担マトリックスである。 設計アクティビティに対して説明責任をもつ要員は誰か。

阿部
伊藤と佐藤
鈴木と田中
野村

解答:エ

<解説>

RACIチャート/RACI図とは、PMBOKの用語であり、下記の頭文字であり、チーム・メンバーの役割と責任を表す図のことである。

Responsible:実行責任

Accountable:説明責任

Consult:相談対応

Inform:情報提供

設計アクティビティに対して説明責任をもつ要員はAを担当している者なので、野村が該当する。

したがって、エが正解である。

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問題15

プロジェクトにどのツールを導入するかを、EMV(期待金額価値)を用いて検討する。 デシジョンツリーが次の図のとき、ツールAを導入するEMVがツールBを導入するEMVを上回るのは、Xが幾らより大きい場合か。

120
150
200
240

解答:ウ

<解説>

EMV(Expected Monetary Values:期待金額価値分析)は、将来の不確実なシナリオに対して、得られる価値と確率の想定値から現在選択すべき方針を統計的に判断する手法である。

(1)ツール A を導入する場合

効果が大きい場合の期待効果額 ・・・X 万円 × 60% = 0.6X 万円

効果が小さい場合の期待効果額 ・・・90 万円 × 40% = 36 万円

合計   0.6X + 36 万円 ツール A の費用は 120 万円なので,EMV は(0.6X + 36 万円)− 120 万円 = 0.6X − 84 万円(◆)

(2)ツール B を導入する場合

効果が大きい場合の期待効果額 ・・・120 万円 × 60% = 72 万円

効果が小さい場合の期待効果額 ・・・60 万円 × 40% = 24 万円

合計 96 万円 ツール B の費用は 60 万円なので,EMV は 96 万円− 60 万円 = 36 万円(★)

(3)ツール A とツール B のいずれを導入しても同じ EMV になる場合
0.6X − 84 万円(◆)= 36 万円(★)→ X = 200 万円

したがって、ツール A を導入すると有利になるのは、X が 200 万円よりも大きい場合である。

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