必ず受かる情報処理技術者試験

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平成25年度秋季解答

問題6

モジュール設計に関する記述のうち,モジュール強度(結束性)が最も強いものはどれか。

ある木構造データを扱う機能をデータとともに一つにまとめ,木構造データをモジュールの外から見えないようにした。
複数の機能のそれぞれに必要な初期設定の操作が,ある時点で一括して実行できるので,一つのモジュールにまとめた。
ニつの機能A,Bのコードは重複する部分が多いので,A,Bを一つのモジュールとし,A,Bの機能を使い分けるための引数を設けた。
二つの機能A,Bは必ずA,Bの順番に実行され,しかもAで計算した結果をBで使うことがあるので,一つのモジュールにまとめた。

解答:ア

<解説>

モジュール強度とは、ソフトウェアを構成するプログラムのモジュール(部品)の性質を表す用語の一つで、モジュールに含まれる複数の機能の関連性の強さのことである。モジュール強度が強いものから,弱いものの順に次のようになる。

  1. 機能的強度
    全安素が1つの機能を実行するために関連性をもっている
  2. 情服的強度
    特定のデータを扱う複数の機能がまとまっており,機能ごとに別の入り口点をもつ
  3. 連絡的強度
    手順的強度の性格をもつことに加えて.各機能が同一データを扱っている
  4. 手順的強度
    ある手続きを実現するために複数の逐次的処理がまとまっている
  5. 時問的独度
    初期設定処理,終了処理など,同じタイミングで実行される複数の逐次的処理がまとまっている
  6. 倫理的強度
    関連のある複数の機能を含み,どの機能を実行するかを選択できる
  7. 暗号的強度
    関連のない複数の機能を含み,特定の機能を定義していない
暗号的強度の説明である。
× 時間的強度の説明である。
× 論理的独度の説明である。
× 手順的強度の説明である。

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問題7

組込みシステムの"クロス開発"の説明として,適切なものはどれか。

実装担当及びチェック担当の二人一組で役割を交代しながら開発を行うこと
設計とプロトタイピングとを繰り返しながら開発を行うこと
ソフトウェアを実行する機器とは異なる機器で開発を行うこと
派生開発を,変更プロセスと追加プロセスとに分けて開発を行うこと

解答:ウ

<解説>

クロス開発とは、あるソフトウェアの開発を、そのソフトウェアが動作するシステムとは違うシステム上で開発することである。。

電化製品などのマイコン制御チップや家庭用のゲーム機などは、それ自体では開発環境を持たないため、パソコンなど別のコンピュータを使ってソフトウェアを開発し、完成したソフトウェアを実機に送り込んで実行するという手法が採られる。

× ペアプログラミングの説明である。
× ラウンドトリップ開発またはイテレーション開発の説明である。
クロス開発の説明である。
× XDDP(eXtreme Derivative Development Process)の説明である。

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問題8

ブラックボックステストにおけるテストケースの設計に関する記述として,適切なものはどれか。

実データからテストデータを無作為に抽出して,テストケースを設計する。
実データのうち使用頻度が高いものを重点的に抽出して,テストケースを設計する。
プログラムがどのような機能を果たすのかを仕様書で調べて,テストケースを設計する。
プログラムの全命令が少なくとも1回は実行されるように,テストケースを設計する。

解答:ウ

<解説>

ブラックボックステストとは、システムの内部構造とは無関係に、外部から見た機能を検証するプログラムのテスト方法。入力と出力だけに着目し、様々な入力に対して仕様書通りの出力が得られるかどうかを確認する。

× ブラックボックステストにおけるテストケースではない。
× ブラックボックステストにおけるテストケースではない。
ブラックボックステストにおけるテストケースである。 ブラックボックステストでは、プログラムのソースコードを見ずに仕様書に基づいてテストデータを作成する。
× ホワイトボックステストの命令網羅の説明である。

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問題9

製品を出荷前に全数検査することによって,出荷後の故陳数を減少させ,全体の費用を低滅したい。次の条件で全数検査を行ったときに低減できる費用は何万円か。ここで,検査時に故障が発見された製品は修理して出荷するものとする。

〔条件〕

(1)製造する個数:500個

(2)全数検査を実施しなかった場合の,出荷個数に対する故障率:3%

(3)全数検査で発見される製造個数に対する故障率:2%

(4)全数検査を実施した場合の,出荷個数に対する故障率:1%

(5)検査費用;1万円/個

(6)出荷以前の故障修理費用;50万円/個

(7)出荷後の故障修理費用:200万/個

1,000
1,500
2,000
2,250

解答:ア

<解説>

問題に与えられた条件にしたがって,以下の計算を行う。

(a)全数検査をしない場合に必要な費用

出荷後の修理費用:

(1)製造する個数:500個×(2)全数検査を実施しなかった場合の出荷個数に対する故障率:3%=15個(★)

(7)出荷後の故障修理費用:200万円/個×15個(★)=3,000万円(●)

(b)全数検査をする場合に必安な費用

検査費用:

(1)製造する個数:500個×(5)検査費用:1万円/個=500万円(■)

検査後の修理費用:

(1)製造する個数:500個×(3)全数検査で発見される製造個数に対する故障率:2%=10個(◆)

(6)出荷以前の故障修理費用:50万円/個×10個(◆)=500万円(▲)

出荷後の修理費用:

(1)製造する個数:500個×(4)全数検査を実施した場合の出荷個数に対する故障率:1%=5個(▼)

(7)出荷後の故障修理費用:200万円/個×5個(▼)=1.000万円(◎)

合計500万円(■)+500万円(▲)+1000万円(◎)=2000万円(△)

(c)全数検査をする場合に低減できる費用

3,000万円(●)-2,000万円(△)=1,000万円

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問題10

学生レコードを処理するプログラムをテストするために,実験計画法を用いてテストケースを決定する,学生レコード中のデータ項目(学生番号,科目コード,得点)を二つの状態で表す。テスト対象のデータ項目から任意に二つのデータ項目を選び,二つのデータ項目がとる状態の全ての組合せが必ず同一回数ずつ存在するように基準を設けた場合に,次の8通りのテストケースの候補のうち,最少で幾つを採択すれば よいか。

2
3
4
6

解答:ウ

<解説>

開題文の"学生レコード中のデータ項目(学生番号,科目コード,得点)を二つの状態で表す。テスト対象のデータ項目から任意に二つのデータ項目を選び,二つのテータ項目がとる状態のすべての組合せが必ず同一回数ずつ存在するように基準を設けた場合"に着目し、以下のように検討する。

(1)データ項目(学生番弓,科目コード,得点)の二つの状態

開題に示された表から,データ項目の二つの状態は,次の通りである。

学生番号={存在する/存在しない}

科目コード={存在する/存在しない}

得点={数字でする/数字でない}

(2)データ項目から任意の二つを選んだすべての組合せ

データ項目(学生番号,科Hコード.得点)の中から二つを選んだすべての組合せは次の通りである。

 (a)【学生番号,利目コード】

 (b)【学生番号,得点】

 (c)【科目コード,得点】

(3)上記(2)のデータ項目の状態のすべての紳合せ

(a)1【学生番号=存在しない,利目コード=存在しない】

2【学生番号=存在する.利目コード=存在しない】

3【学生番号=存在しない.利目コード=存在する】

4【学生香号=存在する.利目コード=存在する】

(b)1【学生番号=存在しない,得点=数字でない】

2【学生番号=存在する.得点=数字でない】

3【学生香号=存在しない,得点=数字である】

4【学生番号=存在する.得点=数字である】

(c)1【利目コード=存在しない,得点=数字でない】

2【利目コード=存在する,得点=数字でない】

3【利目コード=存在しない,得点=数字である】

1【利目コード=存在する,得点=数字である】

(4)問題の表と上記(3)との対応

問題のテストケースNo1~3と上記(3)は、次のように対応づく。

テストケースNo1

{学生番号=存在する,科目コード=存在する,得点=数字である}

(a):4.(b):4.(c):4

テストケースNo.2

{学生番号=存在する,科目コード=存在する,得点=数字でない}

(a):4.(b):2.(c):2

テストケースNo.3

{学生番号=存在する,科目コード=存在しない,得点=数字である}

(a):2.(b):4.(c):3

上記のように,1つのテストケースは(3)の3つの状態を示せる。したがって

(3)の(a)4つ+(b)4つ+(c)4つ=12個の状態は,12÷3=4のテストケースがあれば,すべて存在しえる。

したがって、正解はウです。

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