NISTの定義によるクラウドサービスモデルのうち、クラウド利用企業の責任者がセキュリティ対策に関して表中の項番1と2の責務を負うが、項番3~5の責務を負わないものはどれか。

ア |
HaaS |
イ |
IaaS |
ウ |
PaaS |
エ |
SaaS |
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解答:ウ
NIST によるクラウドコンピューティングの定義では各サービスモデルを次のように定義されている。

- SaaS(Software as a Service)
- 利用者に提供される機能は、クラウドのインフラストラクチャ上で稼動して いるプロバイダ由来のアプリケーションである。アプリケーションには、クラ イアントの様々な装置から、ウェブブラウザのようなシンクライアント型イン ターフェイス(例えばウェブメール)、またはプログラムインターフェイスのい ずれかを通じてアクセスする。ユーザは基盤にあるインフラストラクチャを、 ネットワークであれ、サーバーであれ、オペレーティングシステムであれ、 ストレージであれ、各アプリケーション機能ですら、管理したりコントロール したりすることはない。ただし、ユーザに固有のアプリケーションの構成の 設定はその例外となろう。
- PaaS (Platform as a Service)
- 利用者に提供される機能は、クラウドのインフラストラクチャ上にユーザが 開発したまたは購入したアプリケーションを実装することであり、そのアプリ ケーションはプロバイダがサポートするプログラミング言語、ライブラリ、サ ービス、およびツールを用いて生み出されたものである。ユーザは基盤 にあるインフラストラクチャを、ネットワークであれ、サーバーであれ、オペ レーティングシステムであれ、ストレージであれ、管理したりコントロールし たりすることはない。一方ユーザは自分が実装したアプリケーションと、場 合によってはそのアプリケーションをホストする環境の設定についてコント ロール権を持つ。
- IaaS (Infrastructure as a Service))
- 利用者に提供される機能は、演算機能、ストレージ、ネットワークその他の 基礎的コンピューティングリソースを配置することであり、そこで、ユーザは オペレーティングシステムやアプリケーションを含む任意のソフトウェアを 実装し走らせることができる。ユーザは基盤にあるインフラストラクチャを 管理したりコントロールしたりすることはないが、オペレーティングシステ ム、ストレージ、実装されたアプリケーションに対するコントロール権を持 ち、場合によっては特定のネットワークコンポーネント機器(例えばホストフ ァイアウォール)についての限定的なコントロール権を持つ。
ア |
× |
HaaSはIaaSと同じ意味である。 |
イ |
× |
IaaSでは、基礎的なコンピューティングリソースのみをサービス提供者が提供する。
利用者は、項番1~4についての責務を負う。 |
ウ |
○ |
PaaSでは、サービス提供者がアプリケーションの実行環境を提供する。
利用者は、項番1~2についての責務を負う。 |
エ |
× |
SaaSでは、利用者がサービスを構成しているアプリケーションそのものに対する責務を負うことはないが、設定については利用者が行う。
利用者は、項番1についての責務を負う。 |