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平成21年度春季解答

問題31

クライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち、誤っているものはどれか。

機密性の高いデータに対する処理を特定のプロシージャ呼出しに限定することによって、セキュリティを向上させることができる。
システム全体に共通な処理をプロシージャとして格納しておくことによって、処理の標準化を行うことができる。
データベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって、処理性能(スループット)を向上させることができる。
複数のSQL文から成る手続を1回の呼出しで実行できるので、クライアントとサーバ間の通信回数を減らすことができる。

解答:ウ

<解説>

ストアドプロシージャ機能は、データベースに対する一連の処理手順を一つのプログラムにまとめ、データベース管理システムに保存したもの。通常のようにSQL文を一つずつ送るのに比べて、ネットワークのトラフィックを削減できる。また、サーバ上で構文解析や機械語への変換を前もって終わらせておくため、処理時間の軽減にもつながる。

× 機密性の高いデータに対する処理を特定のプロシージャ呼出しに限定することによって、機密性の高いデータを利用者から直接参照できないようにすることができる。その結果、セキュリティを向上させることができる。
× システム全体に共通な処理をプロシージャとして格納しておくことによって、処理の標準化を行うことができる。標準化はストアドプロシージャの最も基本的な使い方である。
ストアドプロシージャではデータベースへの複数の処理をまとめて処理性能の向上を図る。アクセスを細かい単位にプロシージャ化するのは誤った使い方である。
× 複数のSQL文を1回の呼出しで実行できるので、クライアントとサーバ間の通信回数を減らすことができる。

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問題32

次の概念データモデルの解釈として、適切なものはどれか。ここで、モデルの記法としてUMLを用いる。


従業員が所属していない部署の存在は許されない。
従業員が所属している部署を削除しても、参照整合性は保証される。
従業員は、同時に複数の部署に所属してもよい。
どの部署にも所属しない従業員が存在してもよい。

解答:ウ

<解説>

概念データモデルより次のことが分かる。

  • 1人の従業員は、1つ以上の部署に所属する。(従業員から見た部署の多重度は1~N)
  • 1つの部署には、0人以上の従業員が所属する。(部署から見た従業員の多重度は0~N)
× 部署から見た従業員の多重度は0~Nである。したがって、従業員が所属していない部署の存在は許される。
× 従業員が所属している部署を削除すると、従業員がどの部署に所属しているか参照できなくなる。したがって、参照整合性が保証されない。
従業員から見た部署の多重度は1~Nである。したがって、従業員は、同時に複数の部署に所属してもよい。
× 従業員から見た部署の多重度は1~Nである。したがって、どの部署にも所属しない従業員の存在は許されない。

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問題33

分散データベースにおいて図のようなコマンドシーケンスがあった。調停者がシーケンスaで発行したコマンドはどれか。ここで、コマンドシーケンスの記述にUMLのシーケンス図の記法を用いる。

COMMITの実行要求
ROLLBACKの実行要求
判定レコードの書出し要求
ログ書出しの実行要求

解答:イ

<解説>

問題の分散データベースでは、2相コミットメント制御を行なっている。

2相コミットメント制御とは、複数のデータベースの内容を更新するトランザクション処理において、処理が矛盾しないよう整合性を保つための手法である。2相コミットメント制御では、結果としてトランザクションはコミットされるか失敗する(ロールバックする)かのいずれかの状態となる。

問題では、COMMIT可否問合せにて「COMMIT不可」がレスポンスが返されている。したがって、(イ)ROLLBACKの実行要求を行い、UPDATE前の状態に復元する。

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問題34

関係データベースの“注文"表又は“商品"表の行を削除する場合、“注文明細"表に対する操作として、適切な組合せはどれか。ここで、表定義中の実線の下線は主キーを、破線の下線は外部キーを表す。

  [削除の操作]
  A 主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行を同時に削除する。
  B 主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行があれば、主キー側の行の削除を許さない。

解答:イ

<解説>

"注文"表の行を削除する場合
"注文”表の行を削除する場合とは、発注がキャンセルされた場合である。すなわち注文そのものがなくなったのだから親子関係にある"注文"表と"注文明細"表を削除する必要がある。
⇒A
"商品"表の行を削除する場合
"商品"表から商品を削除しても、その商品に対する注文実績はなくならない。したがって、"注文明細”表に該当商品が存在する場合は"商品"表の削除は許してはならない。
⇒B

したがって、イが正解である。

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問題35

広帯域無線アクセス技術の一つで、最大半径50kmの広範囲において最大約75Mビット/秒の通信が可能であり、周波数帯域を1.25~20MHz使用するという特徴をもつものはどれか。

iBurst
WiMAX
W-CDMA
次世代PHS

解答:イ

<解説>

× iBurstは、TDMA/TDD方式の無線ブロードバンド規格で、最大1Mbpsで通信可能である。京セラと米アレイコムの共同開発である。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)は、広帯域無線アクセス技術の一つである。静止状態では最大半径50kmの広範囲で最大約75Mビット/秒の通信が可能である。周波数帯域は、1.5MHz,5MHz,10MHz,20MHzを使用する。
× W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)は、第三世代携帯電話 (3G) の無線アクセス方式の一つである。高速移動時144Kビット/秒、歩行時384Kビット/秒、静止時2Mビット/秒の通信が可能である。
× XGP(eXtended Global Platform:次世代PHS)は、XGPは100Mbpsの通信速度や最高300km/hでの移動中にも通信できることを目指している。

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