必ず受かる情報処理技術者試験

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平成24年度春季解答

問題51

図に示すとおりに作業を実施する予定であったが、作業Aで1日の遅れが生じた。各作業の費用増加率を表の値とするとき、当初の予定日数で終了するためにかかる増加費用を最も少なくするには、どの作業を短縮すべきか。ここで、費用増加率とは、作業を1日短縮するのに要する増加費用のことである。

B
C
D
E

解答:エ

<解説>

  1. 作業Gは作業E,C,Fのすべてが終了しなければ開始できない。各作業の終了日時を計算する。
    作業E = 4+6+5=15日
    作業C = 4+8=12日
    作業F = 4+4+4=12日
  2. 作業Eの終了日時が一番遅いので作業Gは15日目から開始することができる。
    クリティカルパスはA→B→E→Gである。
    各作業の費用増加率は次の通りである。 費用増加率が一番小さいのはEである。
    A 4
    B 6
    E 2.5
    G 5

したがって、エが正解である。

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問題52

システム開発プロジェクトにおいて、EVMを活用したパフォーマンス管理をしている。開発途中のある時点でEV-PVの値が負であるとき、どのような状況を示しているか。

スケジュール効率が、計画より良い。
プロジェクトの完了が、計画より遅れている。
プロジェクトの進捗が、計画より遅れている。
プロジェクトの進捗が、計画より進んでいる。

解答:ウ

<解説>

EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。

EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。

EVMで使用される主な用語は次のとおりである。

AC(Actual Cost:実コスト)
発生したコストの総額
EV(Earned Value:出来高)
完了した作業の承認済み予算で図った価値
PV(Planned Value:計画価値)
予定した作業に割り当てられた承認済み予算
SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。

したがって、ウが正解である。

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問題53

システム開発の見積方法の一つであるファンクションポイント法の説明として、適切なものはどれか。

開発規模が分かっていることを前提として、工数と工期を見積もる方法である。ビジネス分野に限らず、全分野に適用可能である。
過去に経験した類似のシステムについてのデータを基にして、システムの相違点を調べ、同じ部分については過去のデータを使い、異なった部分は経験から規模と工数を見積もる方法である。
システムの機能を入出力データ数やファイル数などによって定量的に測定し、複雑さとアプリケーションの特性による調整を行って、システム規模を見積もる方法である。
単位作業量の基準値を決めておき、作業項目を単位作業項目まで分解し、その積算で全体の作業量を見積もる方法である。

解答:ウ

<解説>

ファンクションポイント法は、ソフトウエアの規模や開発工数を見積もるための手法の1つである。

ファンクション・ポイント法では開発する業務システムが扱う外部入力などの5種類のデータを拾い上げ,さらに処理の複雑さなどの14項目から定めた補正係数を掛け合わせてファンクション・ポイント数を求める。その上で過去に開発したシステムのファンクション・ポイント数と照合して工数を決める。

× COCOMOの説明である。
× 類似法の説明である。
ファンクションポイント法の説明である。
× WBSの説明である。

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問題54

システムの要求分析時に行うインタビュー実施上の留意点のうち、適切なものはどれか。

インタビュー対象者の回答が、事実であるか推測であるかを区別すべきである。
インタビューの対象者は、その業務を直接行っている担当者に限るべきである。
質問内容を記入した用紙を事前に渡すことは、避けるべきである。
質問は、“はい"か“いいえ"で答えられるものに限るべきである。

解答:ア

<解説>

推測と取り入れては真の要求事項を抽出することはできない。
× インタビューを業務を直接行っていない担当者にすることで担当者の回答の裏付けをとることができる。対象を広くインタビューするべきである。
× 質問内容を記入した用紙を事前に渡すことでインタビュー担当者が質問内容を理解しより具体的な回答を得ることができる。
× “はい"か“いいえ"だけでは明確に回答できない質問もある。

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問題55

ITサービスマネジメントのイベント管理における、フィルタリングのレベルの設定方針のうち、適切なものはどれか。

既知のエラーに関するイベントだけを、検出するようにレベルを設定する。
ささいなイベントも漏らさず、全てを検知できるようにレベルを設定する。
事前に設計され、合意された設定レベルを変更せずに固定する。
有効性評価プロセスでの評価結果に基づき、設定レベルを継続的に見直す。

解答:エ

<解説>

ITサービスマネジメントとは、ITサービスを提供する企業などの組織が利用顧客のニーズに合致した適切なサービス提供を実現し、その運用の維持管理ならびに継続的改善を行っていくための仕組みのことである。

実際にシステムを運用する間に発生する異常事態をイベントといい、影響度が大きくなる(エスカレートする)ものをインシデントという。イベント発生を認知して、その影響を分析するプロセスをイベント管理といい、インシデントにエスカレートしたときに、影響を最少化し、迅速な回復を図るプロセスをインシデント管理という。

フィルタリングとは、多数のイベントの中からインシデントを認識するプロセスのことである。

× 既知のエラーに関するイベントだけを、検出するようにすると未知のエラーが検出できなくなる。
× イベントの中には無視しても構わないレベルのものもあり、全てを検知できるようにレベルを設定する必要はない。
× フィルタリングの設定レベルは継続的に見直し変更するべきである。
有効性評価プロセスでの評価結果に基づき、設定レベルを継続的に見直す。

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