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平成23年度特別解答
問題21
次のE-R図の解釈として、適切なものはどれか。
ここで、* * は多対多の関連を示し、自己参照は除くものとする。
ア | 子組織の数より親組織の数が多い可能性がある。 |
イ | 組織は2段階の階層構造である。 |
ウ | 組織は必ず子組織を持つ。 |
エ | 組織はネットワーク構造になっていない。 |
解答:ア
<解説>
親階層と子階層の対応が多対多である。
したがって、次のようになる。
問題22
マイコンのJTAGを利用したデバッガの説明として、適切なものはどれか。
ア | RAMを疑似的にROMに見立ててプログラムをロードし、モニタプログラムがMPUに割込みをかけながらプログラムをデバッグする。 |
イ | 実機のマイコンを取り外し、マイコンのソケット部に当該マイコンをエミュレートするプロセッサ及びソフトウェアがICEを装着して、デバッグを行う。 |
ウ | ターゲットROMに、デバッグ対象プログラムを制御するプログラムを常駐させておき、PCと通信しながら、デバッグを行う。 |
エ | マイコン地震にデバッグに必要となる機能が内蔵されており、それを外部から制御するための端子がある。 この端子を利用してデバッグを行う。 |
解答:エ
<解説>
JTAGは、集積回路や基板の検査、デバッグなどに使える、バウンダリスキャンテストやテストアクセスポートの標準 IEEE 1149.1 の通称である。
ア | × | ROMエミュレータによるデバッグである。 |
イ | × | ICEを用いたデバッグである。 |
ウ | × | モニタデバッガを用いたデバッグである。 |
エ | ○ | JTAGを利用したデバッグである。 |
問題23
組込みシステムにおけるコデザインの説明として適切なものはどれか。
ア | 開発工程を分析、設計、開発、検証の工程に分け、検証から再度分析に戻り、この工程を繰り返すことで使用を満たしていることを確認していく手法 |
イ | 上流工程段階で、ハードウェアとソフトウェアの機能分担を強調シミュレーションによって十分検証することで、仕様を満たしていることを確認していく手法 |
ウ | ハードウェアとソフトウェアとの開発を独自に並行して行った後、両者を組み合わせて統合テストを行うことで、仕様を満たしていることを確認していく手法 |
エ | 要求定義、設計、制作、試験、保守の順序で開発を進め、各工程でそれぞれの成果物を確認し、前工程には戻らないことを前提に各工程を完了させていく手法 |
解答:イ
<解説>
コデザインとは、全体的な最適化を実現するためハードウェア設計とソフトウェア設計の両面から協調して設計作業を進めることである。
ア | × | スパイラルモデルの説明である。 |
イ | ○ | コデザインの説明である。 |
ウ | × | コンカレント開発の説明である。 |
エ | × | ウォータフォールモデルの説明である。 |
問題24
プログラムの誤りの一つに、繰返し処理の判定条件としてA≧aとすべきところをA>aとコーディングすることがある。 このような誤りを見つけ出すために有効なテストケース設計技法はどれか。 ここでAは変数、aは定数とする。
ア | 限界値分析 |
イ | 条件網羅 |
ウ | 同地分割 |
エ | 分岐網羅 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 限界値分析は、入力を同じように扱えるグループに値を分け、その境界となる値を用いてテストを行う手法である。 |
イ | × | 条件網羅は、分岐命令の真と偽の両方の分岐を網羅するテストデータによりテストをする手法である。 ホワイトボックステストのテストケースを設計する際に使用する。 |
ウ | × | 同地分割は、入力を同じように扱えるグループに値を分けたものを同値クラスと呼び、それぞれの代表的な値を用いてテストを行う手法である。 有効な同値クラスを、有効同値クラス、無効(エラー)となる同値クラスを無効同値クラスと呼ぶ。 |
エ | × | 分岐網羅は、制御構造上の分岐でそれぞれの分岐方向がテストされたかどうかで判断するテスト手法である。。 |
問題25
CMMIを説明したものはどれか。
ア | ソフトウェア開発組織及びプロジェクトのプロセスの成熟度を評価するためのモデルである。 |
イ | ソフトウェア開発のプロセスモデルの一種である。 |
ウ | ソフトウェアを中心としたシステム開発及び取引のための共通フレームのことです。 |
エ | プロジェクトの成熟度に応じてソフトウェア開発の手順を定義したモデルである。 |
解答:ア
<解説>
CMMI(Capability Maturity Model Integration:能力成熟度モデル統合版)とは、ソフトウェア開発を中心としたプロセスの成熟度を評価するための指標のことである。1999年、カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリングインスティテュート(SEI)によって開発された。
CMMIは5つのモデルから構成されている。より高いレベルのCMMIに準拠することによって開発プロセスがより成熟してゆく仕組みになっている。CMMIは開発プロセスの国際標準的モデルとして普及している。
なお、5つのモデルは次のものである。
成熟度 | 内容 |
---|---|
レベル1 初期レベル |
開発プロセスが管理されず、場当たり的で混沌としておりプロジェクトの繰り返し能力がない。 |
レベル2 管理されたレベル |
開発プロセスが管理され、スケジュールと予算が容認できる範囲内に収まっている。 |
レベル3 定義されたレベル |
開発プロセスが明示的に定義され、組織内でそれを共有し利用している。 |
レベル4 定量的に管理されたレベル |
実績が定量的に把握され、プロセスが定量的に管理されている。 |
レベル5 最適化しているレベル |
組織的にプロセスを改善する仕組みがあり、最適化している。 |
ア | ○ | CMMIの説明である。 |
イ | × | CMMIは特定のソフトウェア開発のプロセスモデルを想定していない。 |
ウ | × | 共通フレーム2007の説明である。 |
エ | × | OPM3(Organizational Project Management Maturity Model:組織的プロジェクトマネジメント成熟度モデル)の説明である。 |
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