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平成24年度春季解答
問題6
あるクライアントサーバシステムにおいて、クライアントから要求された1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行される。1件の検索につき、ネットワーク内で転送されるデータは、平均2×105バイトである。このサーバの性能は100MIPSであり、ネットワークの転送速度は、8×107ビット/秒である。このシステムにおいて、1秒間に処理できる検索要求は何件か。ここで、処理できる件数は、サーバとネットワークの処理能力だけで決まるものとする。また、1バイトは8ビットとする。
ア | 50 |
イ | 100 |
ウ | 200 |
エ | 400 |
解答:ア
<解説>
- サーバの性能は100MIPSである。100MIPSとは、1秒間に100万×100の命令を実行することができる。
1件の検索を処理するために、サーバで平均100万命令が実行されるので、1秒間に100件の検索処理を実行することができる。 - 1秒間に転送可能な検索件数を計算する。
- 1件の検索につき、ネットワーク内で転送されるデータは、平均2×105バイトである。
- ネットワークの転送速度は、8×107ビット/秒=1×107バイトである。
1×107バイト =50件 2×105バイト
- サーバ自体は、1秒間に100件の処理が可能であるが、ネットワークには最大で1秒間に50件分までしか検索で転送されるデータを送信できない。
したがって、50件/秒の要求しか処理できない。
したがって、アが正解である。
問題7
二つのタスクの優先度と各タスクを単独で実行した場合のCPUと入出力装置(I/O)の動作順序と処理時間は、表のとおりである。二つのタスクが同時に実行可能状態になってから、全てのタスクの実行が終了するまでの経過時間は何ミリ秒か。ここで、CPUは1個であり、I/Oの同時動作はできないものとし、OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。また、表の( )内の数字は処理時間を示すものとする。
ア | 19 |
イ | 20 |
ウ | 21 |
エ | 22 |
解答:エ
<解説>
2つのタスクの動作を図で表すと次のようになる。
したがって、エが正解である。
問題8
ページング方式の仮想記憶において、ページ置換えの発生頻度が高くなり、システムの処理能力が急激に低下することがある。このような現象を何と呼ぶか。
ア | スラッシング |
イ | スワップアウト |
ウ | フラグメンテーション |
エ | ページフォールト |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | スラッシングとは、アプリケーションソフトが過大なメモリを要求したため、OSが仮想メモリへの入出力にCPUの処理能力のほとんどを割いてしまい、コンピュータが外部からの入出力を受け付けられない停止状態に陥ることである。 |
イ | × | スワップアウトとは、ハードディスクをメモリの一部のように扱う仮想メモリ技術において、物理メモリの容量をあけるために当面の間必要無い内容をハードディスクに書き出すことである。 |
ウ | × | フラグメンテーション(断片化)とは、コンピュータ上のメモリの管理上の一単位が、そのままでは有効利用できない状態になることである。 |
エ | × | ページフォールトとは、ページング方式の仮想記憶(仮想メモリ)において、プログラム(プロセス)がアクセスしようとした仮想メモリ領域(ページ)が物理メモリ上に無く、ハードディスクなどに退避されていることが分かったときに発生する例外あるいは割り込みである。 |
問題9
テクスチャマッピングを説明したものはどれか。
ア | 光源からの反射や屈折、透過を計算し描画していく。 |
イ | 光源と物体の形状などに基づいて、表示するときに陰影をつける。 |
ウ | 表示画面からはみ出す箇所をあらかじめ見つけ、表示対象から外す。 |
エ | 物体の表面に画像を貼り付けることによって、表面の質感を表現する。 |
解答:エ
<解説>
テクスチャマッピングとは、3次元コンピュータグラフィックスで作成された3Dモデル表面に、テクスチャと呼ばれる模様や画像を貼り付けることで質感を与えるための手法である。
ア | ○ | レイトレーシングの説明である。 |
イ | × | シェーディングの説明である。 |
ウ | × | クリッピングの説明である。 |
エ | × | テクスチャマッピングの説明である。 |
問題10
トランザクションが、データベースに対する更新処理を完全に行うか、全く処理しないかったかのように取り消すか、のいずれかを保証する特性はどれか。
ア | 一貫性(consistency) |
イ | 原子性(atomicity) |
ウ | 耐久性(durability) |
エ | 独立性(isolation) |
解答:イ
<解説>
ACIDは、トランザクション処理の信頼性を保証するために求められる性質である。
原子性(Atomicity:不可分性)、一貫性(Consistency)、独立性(Isolation)、および永続性(Durability)から合成された頭字語である。
- 原子性(Atomicity)
- トランザクションの処理が完全に実行されるか、全く処理をしないかのどちらかである。
- 一貫性(Consistency)
- トランザクションの実行によってデータベースの内容に矛盾が生じない。
- 独立性(Isolation)
- 複数のトランザクションを同時に実行しても処理過程は他者から隠蔽され、影響されない。
- 永続性(Durability)
- トランザクションが完了した操作は、失われない。
したがって、イが正解である。
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