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平成24年度春季解答
問題16
安全性や信頼性について、次の方針でプログラム設計を行う場合、その方針を表すべき用語はどれか。
“不特定多数の人が使用するプログラムには、自分だけが使用するプログラムに比べて、より多くの機能を組み込む。プログラムが処理できるデータの前提条件を文書に書いておくだけでなく、その前提を満たしていないデータが実際に入力されたときは、エラーメッセージを表示して再入力を促すようにプログラムを作る。
ア | フールプルーフ |
イ | フェールセーフ |
ウ | フェールソフト |
エ | フォールトトレラント |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | フールプルーフとは、工業製品や生産設備、ソフトウェアなどで、利用者が誤った操作をしても危険に晒されることがないよう、設計の段階で安全対策を施しておくことである |
イ | × | フェイルセーフとは、故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、起きた際の被害を最小限にとどめるような工夫をしておくことである。 |
ウ | × | フェールソフトとは、故障箇所を切り離すなど被害を最小限に抑え、機能低下を許しても、システムを完全には停止させずに機能を維持した状態で処理を続行することである。 |
エ | × | フォールトトレラントは、システム設計の手法であり、システムの一部に問題が生じても全体が機能停止するということなく(たとえ機能を縮小しても)動作し続けるようなシステムを設計するものである。 |
問題17
作業成果物の作成者以外の参加者がモデレータとして主導すること、及び公式な記録、分析を行うことが特徴のレビュー技法はどれか。
ア | インスペクション |
イ | ウォークスルー |
ウ | パスアラウンド |
エ | ペアプログラミング |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | インスペクションとは、ソフトウェア開発の各作業工程で、設計仕様書やコーディングしたプログラムのロジックを第三者が検証し、誤りや問題点を検出することである。 開発者本人が気づきづらい問題点を洗い出すことができるため、ソフトウェアの品質向上につながる。 |
イ | × | ウォークスルーとは、プログラムの仕様やプログラムそのものに誤りがないかどうかを、プログラム全体にわたってチェックすることである。 |
ウ | × | パスアラウンドとは、成果物を他者が精査・講評するレビューの手法の一つで、成果物を評価者に電子メールや回覧板などを用いて複数のレビュアーに回覧して誤りや問題点を検出する方式である。 |
エ | × | ペアプログラミングは、2人のプログラマがソフトウェアのコーディングとコーディングのチェックを行う手法である。 |
問題18
システム開発プロジェクトにおいて、EVMを活用したパフォーマンス管理をしている。開発途中のある時点でEV-PVの値が負であるとき、どのような状況を示しているか。
ア | スケジュール効率が、計画より良い。 |
イ | プロジェクトの完了が、計画より遅れている。 |
ウ | プロジェクトの進捗が、計画より遅れている。 |
エ | プロジェクトの進捗が、計画より進んでいる。 |
解答:ウ
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。
したがって、ウが正解である。
問題19
システム開発の見積方法の一つであるファンクションポイント法の説明として、適切なものはどれか。
ア | 開発規模が分かっていることを前提として、工数と工期を見積もる方法である。ビジネス分野に限らず、全分野に適用可能である。 |
イ | 過去に経験した類似のシステムについてのデータを基にして、システムの相違点を調べ、同じ部分については過去のデータを使い、異なった部分は経験から規模と工数を見積もる方法である。 |
ウ | システムの機能を入出力データ数やファイル数などによって定量的に測定し、複雑さとアプリケーションの特性による調整を行って、システム規模を見積もる方法である。 |
エ | 単位作業量の基準値を決めておき、作業項目を単位作業項目まで分解し、その積算で全体の作業量を見積もる方法である。 |
解答:ウ
<解説>
ファンクションポイント法は、ソフトウエアの規模や開発工数を見積もるための手法の1つである。
ファンクション・ポイント法では開発する業務システムが扱う外部入力などの5種類のデータを拾い上げ,さらに処理の複雑さなどの14項目から定めた補正係数を掛け合わせてファンクション・ポイント数を求める。その上で過去に開発したシステムのファンクション・ポイント数と照合して工数を決める。
ア | × | COCOMOの説明である。 |
イ | × | 類似法の説明である。 |
ウ | ○ | ファンクションポイント法の説明である。 |
エ | × | WBSの説明である。 |
問題20
レプリケーションが有効な対策となるものはどれか。
ア | 悪意によるデータの改ざんを防ぐ。 |
イ | コンピュータウイルスによるデータの破壊を防ぐ。 |
ウ | 災害時にシステムが長時間停止するのを防ぐ。 |
エ | 操作ミスによるデータの削除を防ぐ。 |
解答:ウ
<解説>
レプリケーションとは、あるデータベースとまったく同じ内容の複製(レプリカ)を別のコンピュータ上に作成し、常に内容を同期させる機能である。
ア | 悪意によるデータ改ざんを防ぐ。 ⇒×:本番系システムのデータが改ざんされた場合は、複製(レプリカ)システムのデータも改ざんされているので改ざんを防ぐことはできない。 |
イ | コンピュータウイルスによるデータの破壊を防ぐ。 ⇒×:コンピュータウイルスによるデータが破壊された場合は、複製(レプリカ)システムのデータも破壊されているのでデータの破壊を防ぐことはできない。 |
ウ | 災害発生時にシステムが長時間停止するのを防ぐ。 ⇒○:障害時や災害時には、予備機に切り替えてシステムの運用を再開することができる。 |
エ | 操作ミスによるデータの削除を防ぐ。 ⇒×:操作ミスによってデータが削除された場合は、複製(レプリカ)システムのデータも削除されているのでデータの削除を防ぐことはできない。 |
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