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平成25年度秋季解答
問題21
販売管理システムにおいて、起票された受注伝票が漏れなく、重複することなく入力されていることを確かめる監査手続のうち、適切なものはどれか。
ア | 受注データから値引取引データなどの例外取引データを抽出し、承認の記録を確かめる。 |
イ | 受注伝票の入力時に論理チェック及びフォーマットチェックが行われているか、テストデータ法で確かめる。 |
ウ | プルーフリストと受注伝票との照合が行われているか、プルーフリスト又は受注伝票上の照合印を確かめる。 |
エ | 並行シミュレーション法を用いて、受注伝票を処理するプログラムの論理の正当性を確かめる。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 例外取引データを確認しても、すべてのデータを対象にしていないので、入力漏れや重複入力を検知することはできない。 |
イ | × | 論理チェック(入力データが論理的にみて適切であるかどうか検査する)及びフォーマットチェック(データの形式、書式などを検査する)では入力漏れや重複入力を検知することはできない。 |
ウ | ○ | プルーフリスト(入力したデータをそのままうりんとしたもの)と受払伝票とを照合して一致していれば受注伝票はもれなく入力され重複して入力されていないかを確かめることができる。 |
エ | × | 並行シミュレーション法(本番データを、監査人が開発したテストプログラムで並行処理をして結果を比較する方法)を用いても、受注伝票を処理する方法が正しいかどうかは分かるが、入力漏れや重複入力を検知することはできない。 |
問題22
システム開発計画の策定におけるコントロールのうち、適切なものはどれか。
ア | システムの機能が利用者の立場に基づいて実装されるよう、全体最適よりも業務上の利便性を優先し、利用部門の要望に基づいて策定する。 |
イ | 状況の変化に合わせて柔軟に内容の変更が行えるよう、開発計画は開発作業に着手してから組織内での承認を得て策定する。 |
ウ | 不必要なシステム開発コストを抑制するよう、情報システムの目的を達成するための複数の代替案を作成し、比較検討する。 |
エ | 利用部門、システム部門の分け隔てなく自由な議論が行われるよう、開発計画の策定は、利用部門とシステム部門の役割分担を決めずに実行する。 |
解答:ウ
<解説>
システム管理基準の、Ⅱ.企画業務(23) 1.開発計画以下のような記載されている。
Ⅱ.企画業務(23)
1.開発計画(9)
- 開発計画は、組織体の長が承認すること。
- 開発計画は、全体最適化計画との整合性を考慮して策定すること。
- 開発計画は、目的、対象業務、費用、スケジュール、開発体制、投資効果等を明確にすること。
- 開発計画は、関係者の教育及び訓練計画を明確にすること。
- 開発計画は、ユーザ部門及び情報システム部門の役割分担を明確にすること。
- 開発計画は、開発、運用及び保守の費用の算出基礎を明確にすること。
- 開発計画はシステムライフを設定する条件を明確にすること。
- 開発計画の策定に当たっては、システム特性及び開発の規模を考慮して形態及び開発方法を決定すること。
- 開発計画の策定に当たっては、情報システムの目的を達成する実現可能な代替案を作成し、検討すること。
ア | × | システムは全体最適を最優先にして作成するものであり、業務上の利便性を優先し、利用部門の要望を最優先にするのは誤りである。 |
イ | × | 状況の変化に合わせて柔軟に内容の変更が行えるよう、開発計画は開発作業に着手する前に組織内での承認を得て策定する。 |
ウ | ○ | 不必要なシステム開発コストを抑制するよう、情報システムの目的を達成するための複数の代替案を作成し、比較検討する。 |
エ | × | 利用部門、システム部門の分け隔てなく自由な議論が行われるよう、開発計画の策定は、利用部門とシステム部門の役割分担を決めてから実行する。 |
問題23
ITポートフォリオの説明はどれか。
ア | 管理費などの間接コストを、業務区分ごとのアクティビティの種別に着目して、製品やサービスの原価に割り振る手法である。 |
イ | 企業の経営戦略を、多面的な視点で体系立てて立案し、実行を管理し、業績を評価する手法である。 |
ウ | 業界ごとなどで統一的に策定された評価尺度(指標値群)を用いて、企業全体の投資効果を測定する手法である。 |
エ | 情報化投資をリスクや投資価値の類似性で幾つかのカテゴリに整理し、ビジネス戦略実現のための最適な資源配分を管理する手法である。 |
解答:エ
<解説>
ITポートフォリオとは、情報システムの貢献度や活用度などを分析し、バランス良くIT投資を配分する管理・分析手法。重点的に投資すべきシステムや、逆に投資を絞り込むシステムを探る。新規案件の是非を検討するときだけでなく、既存システムのライフサイクルを考えたり、運用費の配分を決めたりする際に用いる。
ア | × | ABC(活動基準原価計算)の説明である。 |
イ | × | BSC(バランススコアカードの説明である) |
ウ | × | PRMの説明である。 |
エ | ○ | ITポートフォリオの説明である。 |
問題24
業務のあるべき姿を表す論理モデルを説明したものはどれか。
ア | 企業における主要機能を明確にして、現状の業務機能を分析し、体系化したもの |
イ | 経営目標の達成に必要な業務機能を定義し、体系化したもの |
ウ | 現状の業務機能と情報システムでの処理を分析し、相互関係を明確化したもの |
エ | 本来あるべき業務機能と現状を比較・分析し、評価したもの |
解答:イ
<解説>
DFDなどを用いた構造化分析では、「現物理モデル」→「現論理モデル」→「新論理モデル」→「新物理モデル」の順でシステムのモデル化を行う。
設問では、「業務のあるべき姿を表す」という記述があるので、現状(As-Is)の論理モデルではなく新(To-Be)論理モデルが解答となる。
- 現物理モデル
- 現行の業務やシステムの実態を“ありのまま”に示すモデル
- 現論理モデル
- 現物理から誰(人や組織)がいつ(タイミング),どのように(手段や媒体)といった物理的な制約を取り払ったモデル
- 新論理モデル
- 現論理の問題点を解決するために必要なデータ項目や処理を加えたモデル
- 新物理モデル
- 新論理を実現する物理的な特性を表したモデル
ア | × | 現論理モデルに関する記述である。 |
イ | ○ | 新論理モデルに関する説明である。 |
ウ | × | 現物理モデルに関する説明である。 |
エ | × | 新物理モデルに関する説明である。 |
問題25
現在の動向から未来を予測したり、システム分析に使用したりする手法であり、専門的知識や経験を有する複数の人にアンケート調査を行い、その結果を互いに参照した上で調査を繰り返して、集団としての意見を収束させる手法はどれか。
ア | 因果関係分析法 |
イ | クロスセクション法 |
ウ | 時系列回帰分析法 |
エ | デルファイ法 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 因果関係分析法は、因果関係の有無を分析して利益をもたらす原因を分析する手法である。 |
イ | × | クロスセクション法は、個々に起きた類似事例から、将来起こりうる事象を分析する手法である。 |
ウ | × | 時系列回帰分析法はm過去から現在における時間経過の統計量で回帰分析を行う分析手法である。 |
エ | ○ | デルファイ法は、ある事象の予測を多数の専門家にアンケートし、その結果を示して、さらに予測させ、絞り込む分析手法である。 |
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