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平成27年度秋季解答
問題1
集合A 、B 、C に対してA ∪B ∪C が空集合であるとき、包含関係として適切なものはどれか。ここで、∪は和集合を、∩は積集合を、X はX の補集合を、また、X ⊆Y はX がY の部分集合であることを表す。
ア | (A ∩B )⊆C |
イ | (A ∩B )⊆C |
ウ | (A ∩B )⊆C |
エ | (A ∩B )⊆C |
解答:エ
<解説>
集合A,B,Cを含むベン図は次のようになる。
A ∪B ∪C が空集合なので、図の白色の部分(AでもBでもCでもない部分)には値がない。よってこの図でAの補集合=Aとなるのは、③,⑥,⑦の範囲である。
ア | × | (A ∩B )に該当するのは、②,⑤である。 ②はC(④,⑤,⑥,⑦)に含まれない |
イ | × | (A∩B)に該当するのは、A(①,②,④,⑤)とB(①,④,⑦)の席集合である①,④である。 ①はC(④,⑤,⑥,⑦)に含まれない。 |
ウ | × | (A ∩B )に該当するのは、A(③,⑥,⑦)とB(②,③,⑤,⑥)の積集合である③,⑥である。 ③はC(④,⑤,⑥,⑦)に含まれない。 |
エ | ○ | (A ∩B )に該当するのは、A(③,⑥,⑦)とB(①,④,⑦)の席集合である⑦だけである。C(④,⑤,⑥,⑦)に含まれる。 |
問題2
図のように16ビットのデータを4×4の正方形状に並べ、行と列にパリティビットを付加することによって何ビットまでの誤りを訂正できるか。 ここで、図の網掛け部分はパリティビットを表す。
ア | 1 |
イ | 2 |
ウ | 3 |
エ | 4 |
解答:ア
<解説>
問題のように行と列にパリティを付加する方式は「水平垂直パリティチェック方式」という。
水平垂直パリティチェック方式では、1ビットの誤りを訂正(検出するだけでなく、元通りに直せる)できる。
したがって、アが正解である。
問題3
キーが小文字のアルファベット1文字(a, b, …, zのいずれか)であるデータを、大きさが10のハッシュ表に格納する。 ハッシュ関数として、アルファベットのASCIIコードを10進表記法で表した時の1の位の数を用いることにする。 衝突が起こるキーの組み合わせはどれか。 ASCIIコードでは、昇順に連続した2進数が、アルファベット順にコードとして割り当てられている。
ア | aとi |
イ | bとr |
ウ | cとl |
エ | dとx |
解答:エ
<解説>
ハッシュ表を作成すると、次のようになる。
ア | × | a(0)とi(8)なので衝突しない。 |
イ | × | b(1)とr(7)なので衝突しない。 |
ウ | × | c(2)とl(1)なので衝突しない。 |
エ | ○ | d(3)とx(3)なので衝突する。 |
問題4
複数のデータに対して1個の命令で同一の操作を同時並列に行う方式で、マルチメディアデータなどを扱うCPUに採用されているものはどれか。
ア | MIMD |
イ | MISD |
ウ | SIMD |
エ | SISD |
解答:ウ
<解説>
マルチプロセッサの処理方式には、次のものがある。
- SISD(Single Instruction Single Data)
- 一つの命令(Single Instruction)で一つのデータ(Single Data)を処理する方式
- SIMD(Single Instruction Multiple Data)
- 一つの命令(Single Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式
- MISD(Multiple Instruction Single Data)
- 複数の命令(Multiple Instruction)で一つのデータを処理する方式
- MIMD(Multiple Instruction stream Multiple Data stream)
- 複数の命令(Multiple Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式
したがって、ウが正解である。
問題5
クラスタリングシステムで、ノード障害が発生したときに信頼性を向上させる機能のうち、適切なものはどれか。
ア | アプリケーションを代替ノードに転送して実行するためのホットプラグ機能が働く。 |
イ | アプリケーションを再び動かすために、代替ノードを再起動する機能が働く。 |
ウ | 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバ機能が働く。 |
エ | ノード間の通信が途切れるので、クラスタの再構成を行うフェールバック機能が働く。 |
解答:ウ
<解説>
クラスタリングシステムとは、複数のコンピュータを組み合わせてシステムを構築し、システムの一部で障害が発生しても、他の装置に処理を代行させることでシステムの完全停止を防ぐことを目的とした手法である。
ア | × | ホットプラグ機能は電源を入れたまま機器の脱着を可能とする機能である。 |
イ | × | 電源異常などの重大な障害が発生した場合、そのノードは再起動できないので障害ノードを再起動せず、代替ノードだけで処理を行う。 |
ウ | ○ | 障害ノードを排除して代替ノードでアプリケーションを実行させるフェールオーバ機能が働く。 |
エ | × | フェールバック機能とは、障害が発生したノードが障害から復旧した際に、それまで処理を行っていた代替ノードからデータを引き継いで処理を再開することである。フェールバック機能は障害発生時ではなく、障害復旧後に行われる。 |
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