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- 平成27年度秋季問題
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平成27年度秋季解答
問題26
多角化戦略のうち、M&Aによる垂直統合に該当するものはどれか。
ア | 銀行による保険会社の買収・合併 |
イ | 自動車メーカによる軽自動車メーカの買収・合併 |
ウ | 製鉄メーカによる鉄鋼石採掘会社の買収・合併 |
エ | 電機メーカによる不動産会社の買収・合併 |
解答:ウ
<解説>
垂直統合とは、ある企業(あるいは企業グループ)が、自社の製品やサービスを市場に供給するためのサプライチェーンに沿って、付加価値の源泉となる工程を企業グループ内で連携して、時にはM&Aなどを通じて経営資源を補いながら特定事業ドメインの上流から下流までを統合して競争力を強めるビジネスモデルのことをいう。
水平統合とは、同一業種の他社とのM&Aや系列化や連携を行うことで、一体化することである。主にスケール・メリットによるコスト優位を狙う事業展開である。
ア | × | 同じ金融業界である保険会社の買収・合併は水平統合である。 |
イ | × | 同じ自動車メーカの買収・合併は水平統合である。 |
ウ | ○ | 鉄鋼石採掘会社の買収・合併することで製鉄メーカによる上流から下流までを統合して競争力を強めることができる。 |
エ | × | 多角化に該当する。多角化は別の業種の企業を買収・合弁することで、新しい事業分野に進出することである。 |
問題27
現在の動向から未来を予測したり、システム分析に使用したりする手法であり、専門的知識や経験を有する複数の人にアンケート調査を行い、その結果を互いに参照した上で調査を繰り返して、集団としての意見を収束させる手法はどれか。
ア | 因果関係分析法 |
イ | クロスセクション法 |
ウ | 時系列回帰分析法 |
エ | デルファイ法 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 因果関係分析法は、因果関係の有無を分析して利益をもたらす原因を分析する手法である。 |
イ | × | クロスセクション法は、個々に起きた類似事例から、将来起こりうる事象を分析する手法である。 |
ウ | × | 時系列回帰分析法は過去から現在における時間経過の統計量で回帰分析を行う分析手法である。 |
エ | ○ | デルファイ法は、ある事象の予測を多数の専門家にアンケートし、その結果を示して、さらに予測させ、絞り込む分析手法である。 |
問題28
かんばん方式の運用方法はどれか。
ア | 前工程が生産完了した後、生産量を記載したかんばんとともに部品を後工程に供給する。 |
イ | 前工程は後工程から回ってくるかんばんの指示量に備え、自工程の在庫を最小限に抑えながら生産しておく必要がある。 |
ウ | 前工程は後工程の引取り時期やかんばんの指示量が大きく変動しても、対応できる生産能力の余力をもつ必要がある。 |
エ | 前工程は故障などによる後工程への供給量不足に備え、平均故障時間で生産される部品の量を、かんばんの指示量に加算して、後工程に供給する。 |
解答:イ
<解説>
かんばん方式とは、生産現場で、連続する工程間の仕掛在庫を最少にするための仕組みである。
中間在庫を極力減らすために、生産ラインにおいて、後工程が自工程の生産に合わせて、必要な部品を前工程から調達する。
前工程は後工程から回ってくるかんばんの指示量に備え、自工程の在庫を最小限に抑えながら生産しておく必要がある。
ア | × | かんばん方式では、後工程から前工程に回す。 |
イ | ○ | かんばん方式の説明である。 |
ウ | ○ | 各工程は最低限の在庫しかもたない。したがって、指示量が大きく変動した場合には対応できないことがある。 |
エ | × | 不良品を出さないという方針で作業するため、部品の不足に備えて、かんばんの指示量より多い量を供給することはありえない。 |
問題29
経営会議で来期の景気動向を議論したところ、景気は悪化する、横ばいである、好転するという三つの意見に完全に分かれてしまった。 来期の投資計画について、積極的投資、継続的投資、消極的投資のいずれかに決定しなければならない。 表の予想利益については意見が一致した。 意志決定に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 混合戦略に基づく最適意志決定は、積極的投資と消極的投資である。 |
イ | 純粋戦略に基づく最適意志決定は、積極的投資である。 |
ウ | マクシマックス原理に基づく最適意志決定は、継続的投資である。 |
エ | マクシミン原理に基づく最適意志決定は、消極的投資である。 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 混合戦略とは、与えられた状況で取り得る選択肢の中からその都度異なる行為を実行するタイプの戦略のことである。 各景気動向の発生確率が未定なので、どの投資計画を選択するか断定できない。 |
イ | × | 純粋戦略とは、与えられた状況における打ち手として毎回同じ行為のみを行うタイプの戦略のことである。 各景気動向の発生確率が未定なので、どの投資計画を選択するか断定できない。 |
ウ | × | マクシマックス原理とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最もうまくいった場合の最大利得を考え、これが最大となる戦略を選択することである。 最もうまくいった場合(景気動向が好転)の場合に基づく最適意思決定は、積極的投資の500万円である。 |
エ | ○ | マクシミン原理とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最悪の場合の利得を考え、これが最大となる戦略を選択することである。 最悪の場合(景気動向が悪化)の場合に基づく最適意思決定は、消極的投資の400万円である。 |
問題30
サイバーセキュリティ基本法において、サイバーセキュリティの対象として規定されている情報の説明はどれか。
ア | 外交、国家安全に関する機密情報に限られる。 |
イ | 公共機関で処理される対象の手書きの書類に限られる。 |
ウ | 個人の属性を含むプライバシー情報に限られる。 |
エ | 電磁的方式によって、記録、発信、伝送、受信される情報に限られる。 |
解答:エ
<解説>
サイバーセキュリティの対象範囲となるのは
- 「電磁的方式」によって「記録され、又は発信され、伝送され、若しくは受信される情報」
である(第二条)
したがって、エが正解である。
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