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令和6年度秋季問題

問題23

経済産業省が取りまとめた"デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)"によれば,DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標において,"ITシステムに求められる要素"について経営者が確認すべき事項はどれか。

ITシステムの全体設計や協働できるベンダーの選定などを行える人材を育成 ・確保できているか。
環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリースピードに対応できるITシステムとなっているか。
データ処理において,リアルタイム性よりも,ビッグデータの蓄積と事後の分析が重視されているか。
データを迅速に活用するために,全体最適よりも,個別最適を志向したITシステムとなっているか。

経済産業省が取りまとめた"デジタル経営改革のための評価指標(DX推進指標)"によれば,DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標において,"ITシステムに求められる要素"について経営者が確認すべき事項はどれか。

ITシステムの全体設計や協働できるベンダーの選定などを行える人材を育成 ・確保できているか。
環境変化に迅速に対応し,求められるデリバリースピードに対応できるITシステムとなっているか。
データ処理において,リアルタイム性よりも,ビッグデータの蓄積と事後の分析が重視されているか。
データを迅速に活用するために,全体最適よりも,個別最適を志向したITシステムとなっているか。

解答:イ

<解説>

× ITシステムの全体設計やベンダー選定を行える人材の育成・確保は、DX推進において極めて重要である。しかし、これはDX推進指標の中では「ITシステムに求められる要素」そのものではなく、「ガバナンス・体制」に関する項目で問われる事項である。 したがって、本選択肢は不適切である。
DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でのITシステムには、激しいビジネス環境の変化に迅速に対応し、新しいサービスや製品を素早く市場に投入できるスピード感が求められる。経済産業省の「DX推進指標」とそのガイダンスにおいても、ITシステムに求められる要素として、変化に迅速に対応できること、すなわちスピードやアジリティの重要性が示されている。したがって、環境変化への迅速な対応とデリバリースピードは、経営者が確認すべき重要な事項である。
× DXでは、リアルタイムでのデータ活用が価値創出の重要な要素とされている。顧客の行動や市場の変化を即座に捉え、迅速な意思決定やサービス改善につなげることが競争優位性を確立する上で不可欠だからである。ビッグデータの蓄積と事後分析も重要ではあるが、リアルタイム性を軽視するようなITシステムはDXの目指す姿とは合致しない。したがって、本選択肢は不適切である。
× DXの推進においては、部門ごとに最適化された(個別最適)サイロ化されたシステムから脱却し、全社的な視点でデータ活用や業務プロセスを考える「全体最適」が強く求められる。個別最適を志向したITシステムは、データの分断や連携不足を招き、全社横断での迅速なデータ活用を阻害する要因となる。したがって、本選択肢はDXの基本的な考え方に反しており、不適切である。