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平成22年度春季解答
問題6
システム開発をするときの費用管理と進捗管理を同時に行うために、トレンドチャートを用いる。マイルストーンの予定の位置から実績の位置に結んだ矢印が垂直に下に向かっているときの費用と進捗に関する状況の説明として、適切なものはどれか。
ア | 進捗が予定どおりで、費用が予算を下回っている。 |
イ | 進捗が予定どおりで、費用が予算を超過している。 |
ウ | 進捗が予定より遅れ、費用が予算を超過している。 |
エ | 進捗が予定より進み、費用が予算を下回っている。 |
解答:ア
<解説>
下図より、(ア)「進捗が予定どおりで、費用が予算を下回っている。」が正解である。
問題7
プロジェクト期間の80%を超過した時点での進捗率が70%、発生したコストは8,500万円であった。完成時総予算は1億円であり、プランドバリューはプロジェクトの経過期間に比例する。このときの適切な分析結果はどれか。
ア | アーンドバリューは8,500万円である。 |
イ | コスト差異は-1,500万円である。 |
ウ | 実コストは7,000万円である。 |
エ | スケジュール差異は- 500万円である。 |
解答:イ
<解説>
EVM(Earned Value Management)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
各選択肢の説明を下記に記す。
- PV(Planned Value:実行予算)
- 計画時点で見積もった予算コストである。
- EV(Earned Value:達成額)
- 現時点までに完成した作業の予算コストである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 現時点までに完了した作業の実コストである。
- CV(Cost Variance:コスト差異)
- コストに関する予実差である。
CV=EV - ACで算出される。(0以上であれば良好) - SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- コストに関する予実差である。
SV=EV - PVで算出される。 (0以上であれば良好)
問題8
過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。要件定義からシステム内部開発までをモデルどおりに228日で完了してプログラム開発に入り、200本のプログラムのうち100本のプログラム開発を完了し、残り100本は未着手である。プログラム開発移行もモデルどおりに進捗するとき、プロジェクト全体の完了まであと何日かかるか。
ア | 140 |
イ | 150 |
ウ | 161 |
エ | 172 |
解答:イ
<解説>
- 全体の工数を計算する。
※要件定義,システム外部設計,システム内部設計の期間比の合計は0.57である。
228日÷0.57=400日 - 全体工数からプログラム開発,システム結合,システムテストの工数を計算する。
- プログラム開発:0.11×400×0.5=22日
※200本のプログラムのうち100本のプログラム開発が終了しているのだから、必要日数は44日の半分の22日である。 - システム結合:0.11×400=44日
- システムテスト:0.21×400=84日
- プロジェクト完成までの工数を計算する。
22日+44日+84日=150日
したがって、イが正解である。
問題9
情報システムの企画、開発、運用、保守作業にかかわる国際標準の一つであるSPA(Software Process Assesment)の説明として、適切なものはどれか。
ア | ソフトウェアプロセスがどの程度標準化・定量化され、継続的に改善されているかを判定することを目的としている。 |
イ | ソフトウェアライフサイクルを主プロセス、支援プロセス、組織プロセスの三つのプロセス群に分け、作業内容を定めている。 |
ウ | 品質保証に関する要求項目を体系的に規定した国際規格の一部である。 |
エ | プロジェクトマネジメントの知識体系と応用のためのガイドである。 |
解答:ア
<解説>
SPA(Software Process Assessment)は、システム開発能力について国際的整合性ある評価指標を活用し、ソフトウェアの品質向上を図るための開発者の開発能力・マネジメント能力を測る評価手法である。代表的なSPAとして、CMM(Capability Maturity Model/能力成熟度モデル)などがある。
ア | ○ | SPAの説明である。 |
イ | × | 共通フレーム2007の説明である。 |
ウ | × | ISO9000シリーズの説明である。 |
エ | × | PMBOKの説明である。 |
問題10
JIS X 0129-1で定義されたソフトウェアの品質特性の説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 機能性とは、ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力のことである。 |
イ | 効率性とは、指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品のことである。 |
ウ | 信頼性とは、明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力である。 |
エ | 保守性とは、指定された条件の下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力のことである。 |
解答:ア
<解説>
JIS X 0129-1は、ソフトウェアの品質の考え方を示すものである。
内部品質および外部品質の特性としては次の6特性がある。
- 機能性(functionality)
- ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力
副特性:合目的性,正確性,相互運用性,セキュリティ,機能性標準適合性 - 信頼性(reliability)
- 指定された条件下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力
副特性:成熟性,障害許容性,回復性,信頼性標準適合性 - 使用性(usability)
- 指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品の能力
副特性:理解性,習得性,運用性,魅力性,使用性標準適合性 - 効率性(efficiency)
- 明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力
副特性:時間効率性,資源効率性,効率性標準適合性 - 保守性(maintainability)
- 修正のしやすさに関するソフトウェア製品の能力。修正は、是正若しくは向上、又は環境の変化、要求仕様の変更及び機能仕様の変更にソフトウェアを適応させることを含めてもよい。
副特性:解析性,変更性,安定性,試験性,保守性標準適合性 - 移植性(Portability)
- ある環境から他の環境に移すためのソフトウェア製品の能力。
副特性:環境適応性,設置性,共存性,置換性,移植性標準適合性
ア | ○ | 機能性とは、ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力のことである。 |
イ | × | 使用性とは、指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品のことである。 |
ウ | × | 効率性とは、明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力である。 |
エ | × | 信頼性とは、指定された条件の下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力のことである。 |
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