必ず受かる情報処理技術者試験

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令和2年度秋季解答

問題16

SOAでサービスを設計する際の注意点のうち,適切なものはどれか。

可用性を高めるために,ステートフルなインタフェースとする。
業務からの独立性を確保するために,サービスの名称は抽象的なものとする。
業務の変化に対応しやすくするために,サービス間の関係は疎結合にする。
セキュリティを高めるために,一度開発したサービスの設計は再利用しない。

解答:ウ

<解説>

SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャー)とは特定の製品やサービス単体を指すものではなく、大規模なシステムを構築する際の設計思想や開発手法を指します。もっとも特徴的なのは、ユーザー視点で切り分けられた「サービス」を組み合わせてシステムを作り、必要になったら外部から必要な「サービス」を呼び出して使うという考え方です。

 この場合の「サービス」は、「会員登録申請」や「在庫確認」などビジネス上の業務がわかれる単位で切り分けられるため、エンジニアではない業務担当者にもわかりやすいという利点があります。

× “ ステートフルなインタフェース”とは、セッションを保持する事が前提であるインタフェースのことである。SOA では、ステートレスなインタフェースを利用するため、不適切である。
また、ステートフルにする事と可用性は関係ない。
× “ サービスの名称”は役割を表す具体的なものが好ましい。また業務からの独立性の確保とは特に関係ない。
業務の変化に対応しやすくするために,サービス間の関係は疎結合にする。
× セキュリティを高めるために,提供済のセキュリティ品質が安定している一度開発したサービスの設計を再利用する方が望ましい。

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問題17

ユースケース駆動開発の利点はどれか。

開発を反復するので,新しい要求やビジネス目標の変化に柔軟に対応しやすい。
開発を反復するので,リスクが高い部分に対して初期段階で対処しやすく,プロジェクト全体のリスクを減らすことができる。
基本となるアーキテクチャをプロジェクトの初期に決定するので,コンポーネントを再利用しやすくなる。
ひとまとまりの要件を1単位として設計からテストまで実施するので,要件ごとに開発状況が把握できる。

解答:エ

<解説>

システム開発技法の“ユースケース駆動開発”に関する問題。

ユースケース駆動開発とは、システムの機能を利用者から見たシステムの振る舞いを記述したもの(ユースケース)に分割し、それを基に要求分析から実装までの工程を進めていく開発手法です。る。オブジェクト指向で大規模な開発も可能にするために考えられたアプローチ。オブジェクト指向なので,部品の再利用も促進されることを目指している。

× 開発を反復するので,新しい要求やビジネス目標の変化に柔軟に対応しやすいのは、アジャイル開発である。
× 開発を反復するので,リスクが高い部分に対して初期段階で対処しやすく,プロジェクト全体のリスクを減らすことができるのは、反復型開発(インクリメンタル開発またはイテレーション開発など)である。
× 基本となるアーキテクチャをプロジェクトの初期に決定するので,コンポーネントを再利用しやすくなるのは、アーキテクチャ中心設計である。
ひとまとまりの要件を1単位として設計からテストまで実施するので,要件ごとに開発状況が把握できるのは、ユースケース駆動開発である。

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問題18

基幹業務システムの構築及び運用において,データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合のDAの役割として,適切なものはどれか。

業務データ量の増加傾向を把握し,ディスク装置の増設などを計画して実施する。
システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。
システム開発のテスト工程では,主にパフォーマンスチューニングを担当する。
システム障害が発生した場合には,データの復旧や整合性のチェックなどを行う。

解答:イ

<解説>

  • 「データ管理者(DA:Data Administrator)」:情報資源を管理する役割を担う。情報システム全体のデータ資源を管理する役割を持ち、システム開発工程においては分析·論理設計といった上流フェーズを担当する。
  • 「データベース管理者(DBA:Data Base Administrator)」:データベースを計画・分析・設計・運用・保守する役割を担う。データの器となるデータベースの構築と維持を行う役割を持ち、システム開発工程では、実装·運用·保守といった中流以降のフェーズを担当する。
  • × ハードウェアの増強計画は、保守の時の話なので、DBAもしくはハードウェア専任者の役割である
    論理データベースの設計はDAの役割になる。
    × パフォーマンスチューニングは物理データベース設計なので実装時の話である。したがって、DBAの仕事となる。
    × 障害時の復旧や整合性チェックは、保守の時の話である。したがって、DBAの仕事となる。

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    問題19

    空調計画における冷房負荷には,"外気負荷","室内負荷","伝熱負荷","日射負荷"などがある。冷房負荷の軽減策のうち,"伝熱負荷"の軽減策として,最も適切なものはどれか。

    使用を終えたら,その都度PCの電源を切る。
    隙間風や換気による影響を少なくする。
    日光が当たる南に面したガラス窓をむやみに大きなものにしない。
    屋根や壁面の断熱をおろそかにしない。

    解答:エ

    <解説>

    × 室内負荷とは、「室内」で発生する熱負荷の総称で、使用を終えたら,その都度PCの電源を切ることは、“室内負荷”の軽減策である。
    × 外気負荷とは、室内と温度差のある「外気」を導入することで発生する熱負荷の総称で、隙間風や換気による影響を少なくすることは"外気負荷"の軽減策である。
    × 日射負荷とは日射の影響で発生する熱負荷のことで、日光が当たる南に面したガラス窓をむやみに大きなものにしないようにすることは"日射負荷"の軽減策である。
    電熱負荷とは、室内に,屋根や壁を伝わって室外の熱が伝導する熱負荷の総称で、屋根や壁面の断熱をおろそかにしないことは"電熱負荷"の軽減策である。

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    問題20

    スタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所によるデザイン思考の説明はどれか。

    与えられた問題に対して一つの正しい解決策を見つけるために,アイディア出しの段階で,テーマに制限を設けてアイディアが発散しないようにする手法
    本質的な問題がどこにあるのかを絞り込むために,利用者との対話よりも,過去のデータや経験を分析することを重視する手法
    利用者の立場から問題解決に取り組む方法論であり,現場を観察することによって利用者を理解し,共感することから始め,問題定義,アイディア出し,試作,試行を繰り返す手法
    類似の問題が発生した場合に,迅速に解決策を探り当てるために,過去の問題とその解決策をナレッジデータベースとして蓄積する手法

    解答:ウ

    <解説>

    デザイン思考とは,利用者の立場から問題解決に取り組む方法論であり,現場を観察することによって利用者を理解し,共感することから始め,問題定義,アイデア出し,試作,試行を繰り返す手法である。顕在化しているユーザニーズを実現するだけではなく,ユーザも気付いていない潜在的,もしくは本質的なニーズを見つけることを目指す。

    したがって、ウが正解である。

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