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平成23年度特別解答
問題16
次の財務情報が与えられているとき、自己資本利益率は何%か。
ア | 2.0 |
イ | 3.1 |
ウ | 5.0 |
エ | 12.5 |
解答:エ
<解説>
ROE(Return On Equity:自己資本利益率)は、企業が株主から調達した資金(資本)をどれだけ効率的に使っているかを示す財務指標である。
次の手順で計算することができる。
- 総資本を計算する。
総資本 = 売上高÷総資本回転率 = 200,000千円÷2回 = 100,000千円 - 自己資本を計算する。
自己資本 = 総資本×自己資本比率 = 100,000千円×0.4 = 40,000千円 - 自己資本利益率を計算する。
自己資本利益率 = 当期純利益÷自己資本 = 5,000千円÷40,000千円 = 0.125 = (エ)12.5%
問題17
データベースのデータを更新中のトランザクションが、実行途中で異常終了した際、更新中のデータに対して行われる処理はどれか。
ア | 更新処理をなかったことにするために、ロールバックしてトランザクション開始前の状態に回復する。 |
イ | チェックポイント時点にデータベースを戻し、コミットが完了しているトランザクションの更新をロールフォワードしてデータを回復する。 |
ウ | トランザクション以上の発生時点までの更新ログ情報を破棄して、開始前の状態に回復する。 |
エ | トランザクションの更新ログを使って異常終了時点までロールフォワードして回復する。 |
解答:ア
<解説>
ロールバックとは、データベース処理において、トランザクション処理中にエラーが発生した場合に、ジャーナルファイルの更新前の情報を用いて、トランザクション処理の開始前の状態に戻す処理のことである。
したがって、データベースのデータを更新中のトランザクションが、実行途中で異常終了した際には、更新処理をなかったことにするために、ロールバックしてトランザクション開始前の状態に回復する必要がある。
よってアが正解である。
問題18
IEEE 802.11の無線LANで、無線LAN端末(子機)同士が直接無線通信するのではなく、アクセスポイントを介して通信するときの無線LAN端末はどれか。
ア | アドホックモード |
イ | インフラストラクチャモード |
ウ | カウンタモード |
エ | ミックスモード |
解答:イ
<解説>
ア | × | アドホック・モードは、IEEE 802.11無線LANの動作モードのひとつで、それぞれの端末に設置された無線LANのアダプタが、互いに直接通信をする形態の事。 |
イ | ○ | インフラストラクチャー・モードは、IEEE 802.11無線LANの動作モードのひとつで、ネットワークを統括する「アクセス・ポイント」を介して通信を行う形態の事。 |
ウ | × | カウンタモードは、ブロック番号で安全性を高める方式である。 |
エ | × | ミックスモードは、IEEE 802.11nにおいて通信速度を高速化しながらも互換性を維持した通信方式である。 |
問題19
図のネットワーク環境にLANアナライザソフトウェアをインストールしたPCを接続した。 端末1と端末2が通信するパケットを取得するための、ポートミラーリングの設定と、プロミスキャスモード設定対象の組合せとして、適切なものはどれか。 ここで、ポートミラーリングの設定のi→jは、ポートiの送受信データをポートjへミラーリングすることを表す。
解答:ウ
<解説>
LANアナライザソフトとは、Ethernet上を流れているデータをモニタして、そのデータの内容を解析するソフトウェアである。
LANアナライアソフトを利用するには二つの設定が必要である。
スイッチングハブは、ポートに接続されたコンピュータのMACアドレスを基にパケットを必要なポートだけに転送する。そのままでは他のコンピュータがやりとりするパケットを収集できない。
そこでポートミラーリング機能をもつスイッチングハブを利用すると収集対象のポートに届いたパケットを別のポートに同時に転送できる。
問題では、端末1(ポート1)と端末2(ポート2)の間で通信されるパケットを収集したいのでポート1又はポート2の送受信データを解析用パソコンを接続したポート4にミラーリングするよう設定する。
したがって、スイッチングハブのポートミラーリングの設定は、1→4(2→4でもよい)である。
プロミスキャスモードとは、ネットワークカードの動作モードの一つで、ネットワークを流れるすべてのパケットを受信して読み込むモード。「無差別モード」と訳されることもある。プロミスキャスモードは解析用のPCに設定する。
よって、ウが正解である。
問題20
手順に示す処理を行ったとき、検証できることはどれか。
[手順] | ||
(1) | 送信者Aはファイルハッシュ値を計算して、信頼できる第三者機関に送信する。 | |
(2) | 第三者機関は、信頼できる日時を保持しており、受診したハッシュ値とその受信日時を結合し(結合データ)、そのディジタル署名を生成し、ディジタル署名と結合データの組(ディジタル署名済みの結合データ)を送信者Aに返信する。 | |
(3) | 送信者Aはファイルと第三者機関から送られてきたディジタル署名済みの結合データを受信者Bに送信する。 | |
(4) | 受信者Bは第三者機関のディジタル署名を確認し、ファイルから計算したハッシュ値と、ディジタル署名済みの結合データから取り出されたハッシュ値を照合する。そして、結合データから取り出された日時を確認する。 |
ア | 当該日時でのファイルの存在と、それ以降にファイルが改ざんされていないこと |
イ | 当該日時に受信者Bにファイルが到達したこと |
ウ | 当該日時に送信者Aが受信者Bにファイルを送信したこと |
エ | 当該日時にファイルが作成されたこと |
解答:ア
<解説>
時刻認証に関する説明である。
タイムスタンプをディジタル署名と結合して送信することにより、「認証した時点でファイルが存在した」「認証した日時以降改ざんされていない」ことを保証する。
ア | ○ | 当該日時でのファイルの存在と、それ以降にファイルが改ざんされていないこと |
イ | × | 当該日時に受信者Bにファイルが到達したことは検証できない。 |
ウ | × | 当該日時に送信者Aが受信者Bにファイルを送信したことは検証できない。 |
エ | × | 当該日時にファイルが作成されたことは検証できない。 |
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