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平成21年度春季解答
問題16
東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は 0.9,東京~名古屋の稼働率は 0.8 である。東京~大阪の稼働率を0.95 以上に改善するために,大阪~名古屋にバックアップ回線を新設することを計画している。新設される回線の稼働率は最低限幾ら必要か。
ア | 0.167 |
イ | 0.205 |
ウ | 0.559 |
エ | 0.625 |
解答:エ
<解説>
大阪~名古屋間のバックアップ回線の稼働率をxとすると、
東京~大阪間の稼働率 | = | 1-(1-0.9)(1-0.8x) |
= | 1-0.1(1-0.8x) | |
= | 0.9+0.08x |
問題17
システムの信頼性を表す指標である RAS のうち,可用性( Availability )を表す尺度はどれか。
解答:ア
<解説>
RASISとは、次の要素のことである。
- Reliability(信頼性)
- 故障や障害、不具合の発生しにくさを表す。稼働時間当たりの障害発生回数(MTBF:Mean Time Between Failures)などの指標で表すことが多い。
- Availability(可用性)
- 稼働率の高さ、障害や保守による停止時間の短さを表す。全時間に対する稼働時間の割合(稼働率)などの指標で表す場合が多い。
- Serviceability(保守性)
- 障害復旧やメンテナンスのしやすさを表す。障害発生から復旧までの平均時間(MTTR:Mean Time To Repair)などの指標で表すことが多い。
ア | ○ | 可用性の尺度である。 |
イ | × | RASの尺度ではない。 |
ウ | × | 信頼性の尺度である。 |
エ | × | 保守性の尺度である。 |
問題18
プログラムの CPU 実行時間が 300 ミリ秒,入出力時間が 600 ミリ秒,その他のオーバヘッドが 100 ミリ秒の場合,ターンアラウンドタイムを半分に改善するには,入出力時間を現在の何倍にすればよいか。
ア |
|
||
イ |
|
||
ウ |
|
||
エ |
|
解答:ア
<解説>
- 改善前のターンアラウンドタイムを計算する。
改善前のターンアラウンドタイム = CPU 実行時間+入出力時間+オーバヘッド = 300ミリ秒+600ミリ秒+100ミリ秒 = 1,000ミリ秒 - 半分の500ミリ秒になるように、入出時間を短縮する。
500-(300+100) = 100 100÷600 = 1 6
問題19
リアルタイムシステムをハードリアルタイムシステムとソフトリアルタイムシステムとに分類したとき,ハードリアルタイムシステムに該当するものはどれか。
ア | Web 配信システム |
イ | エアバッグ制御システム |
ウ | 座席予約システム |
エ | バンキングシステム |
解答:イ
<解説>
リアルタイムシステムとは、複数の端末からの処理要求に対して即座に応答するシステムである。次の3つに分類される。
- ハードリアルタイムシステム
- システムに課せられたある処理がデッドライン内に終了しなかった時(デッドラインミス)、システム全体にとって致命的ダメージが生じる。
- ファームリアルタイムシステム
- デッドラインミスが起こった時、システム全体に致命的なダメージを与えることはないが、その処理自体の価値は即座に0となる。
- ソフトリアルタイムシステム
- デッドラインミスが起こっても、システム全体に致命的なダメージを与えることはなく、その処理自体の価値も、終了時間などにより徐々に落ちていく。
ア | × | ソフトリアルタイムシステムである。 |
イ | ○ | ハードリアルタイムシステムである。 衝突事故発生時に,一定時間内にエアバッグが作動しないと大きな損害や危害が及ぶ。 |
ウ | × | ソフトリアルタイムシステムである。 |
エ | × | ソフトリアルタイムシステムである。 |
問題20
キャッシュメモリと主記憶との間でブロックを置き換える方式にLRU方式がある。この方式で置換えの対象になるブロックはどれか。
ア | 一定時間参照されていないブロック |
イ | 最後に参照されてから最も長い時間が経過したブロック |
ウ | 参照頻度の最も低いブロック |
エ | 読み込んでから最も長い時間が経過したブロック |
解答:イ
<解説>
LRU方式とは、キャッシュアルゴリズムなどで用いられる、置換対象のデータを定める方式のうち、参照されていない時間が最も長いデータを置換対象にする方式のことである。
ア | × | |
イ | ○ | LRU(Least Recently Used)方式に関する説明である。 |
ウ | × | LFU(Least Frequently Used)方式に関する説明である。 |
エ | × | FIFO(First In First Out)方式方式に関する説明である。 |
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