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平成24年度秋季解答
問題36
ITサービスマネジメントのプロセスにおいて,過去の履歴や構成情報などをデータベース化する目的a~cのうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a | ITサービスに関連する構成要素の情報を常に正しく,最新の状態であるように維持管理し,必要な情報をいつでも確認できるようにする。 | |
b | 過去に対応したインシデントの記録をナレッジとして蓄積し,利用者からの問い合わせに対する一次回答率を高める。 | |
c | 過去に発生した障害の原因と対策を蓄積し,再発の防止に努める。 |
ア | a |
イ | a,b,c |
ウ | b |
エ | b,c |
解答:イ
<解説>
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)はITサービス管理・運用規則に関するベストプラクティス(成功事例)を調和的かつ包括的にまとめた一連のガイドブックである。
ITILにおけるサービスサポートは、「インシデント管理」、「問題管理」、「構成管理」、「変更管理」、「リリース管理」の5つのプロセスで構成されている。
- インシデント管理
- 迅速なサービスの復旧を行い、企業が行う事業活動への影響を最小限に抑える事を目的としたプロセス。
- 問題管理
- インシデントや障害原因の追及と対策および再発防止策の策定を目的としたプロセス。
- 構成管理
- ITサービスの構成アイテム(CI)情報の正確な収集、認識と収集した情報の維持管理および確認・監査を目的としたプロセス。
- 変更管理
- ITサービスの構成アイテム(CI)情報の変更を安全確実かつ効率的に実施する事を目的としたプロセス。
- リリース管理
- 変更管理プロセスで承認された内容を本番環境(ITサービス提供媒体)に正しく反映させる為の作業(リリース作業)をコントロールする事を目的としたプロセス。
a | ITサービスに関連する構成要素の情報を常に正しく,最新の状態であるように維持管理し,必要な情報をいつでも確認できるようにする。 ⇒○:構成管理の説明である。 |
|
b | 過去に対応したインシデントの記録をナレッジとして蓄積し,利用者からの問い合わせに対する一次回答率を高める。 ⇒○:サービスデスクの説明である。 |
|
c | 過去に発生した障害の原因と対策を蓄積し,再発の防止に努める。 ⇒○:インシデント管理の説明である。 |
したがって、イが正解である。
問題37
利用者がベンダに委託したソフトウェア開発において,利用者側が実際の運用と同様の条件でソフトウェアを使用し,正常に稼働することを確認するテストとして,適切なものはどれか。
ア | 受入れテスト |
イ | 結合テスト |
ウ | システムテスト |
エ | 単体テスト |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 受け入れテストとは、納品されたシステムが、要求した機能や性能などを備えているかどうかを確認するテストである |
イ | × | 結合テストとは、システムのテスト手法の一つで、複数のモジュール(部品)を組み合わせて行うテストである。 |
ウ | × | システムテストとは、システムのテスト手法の一つで、システム全体を対象に行われるテストである。 |
エ | × | 単体テストとは、システムのテスト手法の一つで、個々のモジュール(部品)のみを対象としたテストである。 |
問題38
システム開発プロセスを,要件定義,外部設計,内部設計の順番で実施するとき,内部設計で行う作業として,適切なものはどれか。
ア | 画面応答時間の目標値を定める。 |
イ | システムをサブシステムに分割する。 |
ウ | データベースに格納するレコードの長さや属性を決定する。 |
エ | 入出力画面や帳票のレイアウトを設計する。 |
解答:ウ
<解説>
内部設計とは、ソフトウェアや情報システムの開発工程の一つで、全体の構成や行うべき処理の詳細など実装に必要な仕様を定義する工程である。
ア | × | 要件定義で行なう作業である。 |
イ | × | 外部設計で行なう作業である。 |
ウ | ○ | 内部設計で行なう作業である。 |
エ | × | 外部設計で行なう作業である。 |
問題39
SLAとSLMに関する説明のうち,,適切なものはどれか。
ア | SLAとはサービス提供者から提示されるサービス改善の提案書であり,SLMとはサービスレベルを維持管理するするための技術的な手段を提供する活動である。 |
イ | SLAとはサービス提供者とサービス利用者との間で取り決めたサービスレベルの合意書であり,SLMとはITサービスの品質を維持し,向上させるための活動である。 |
ウ | SLAにはサービスレベルの達成度合いを測定し,問題を発見する活動が規定され,SLMには問題解決のための技術的な手段が規定される。 |
エ | SLAの狙いはサービスレベルのさらなる向上を図ることにあり,SLMの狙いはサービスの内容,要求水準などの共通認識を得ることにある。 |
解答:イ
<解説>
SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証制度)とは、サービス提供者(プロバイダ)とサービス委託者(顧客)との間で契約を行う際に、提供するサービスの内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくことである。
SLM(Service Level Management)とは、SLAに基づいてITサービスの品質を維持・向上する為の活動を行なうことである。
ア | × | SLAは、サービス改善の提案書ではない。 |
イ | ○ | 正しい。 |
ウ | × | サービスレベル上の問題の発見に関する活動はSLMで規定される。この活動あSLAで規定されることはない。 |
エ | × | SLMの狙いはサービスレベルのさらなる向上を図ることにあり,SLAの狙いはサービスの内容,要求水準などの共通認識を得ることにある。 |
問題40
コンピュータシステムが稼働しているサーバ室への侵入リスクを低減するために,コンピュータの設置場所を示す標識を出さないことにした。この対策が当てはまるマネジメントはどれか。
ア | サプライチェーンマネジメント |
イ | ナレッジマネジメント |
ウ | ビジネスコンティニュイティマネジメント |
エ | ファシリティマネジメント |
解答:エ
<解説>
ア | × | サプライチェーンマネジメントとは、自社内あるいは取引先との間で受発注や在庫、販売、物流などの情報を共有し、原材料や部材、製品の流通の全体最適を図る管理手法である。 |
イ | × | ナレッジマネジメントとは、個人の持つ知識や情報を組織全体で共有し、有効に活用することで業績を上げようという経営手法である。 |
ウ | × | ビジネスコンティニュイティマネジメントとは、企業がビジネスコンティニュイティ(BC)に取り組むうえで、BCP(事業継続計画)の策定から、その導入・運用・見直しという継続的改善を含む、包括的・統合的な事業継続のためのマネジメントのことである。 |
エ | ○ | ファシリティマネジメントとは、企業・団体等が組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動のことである。 |
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