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平成27年度春季解答
問題1
ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し、統合後の支店にはATMを1台設置する。
統合後のATMの平均待ち時間を求める式はどれか。
ここで、待ち時間はM/M/1の待ち行列モデルに従い、平均待ち時間にはサービス時間を含まず、ATMを1台に統合しても十分に処理できるものとする。
[条件] | |
(1) | 平均サービス時間:Ts |
(2) | 統合前のシステムの利用率:両支店ともρ |
(3) | 統合後の利用者数:統合前の両支店の利用者数の合計 |
解答:エ
<解説>
- 待ち行列理論のM/M/1モデルでは窓口の平均待ち時間Twは利用率p,平均サービス時間Tsから求められる
Tw = Ts×(p/(1-p)) - 利用率pは平均到着率×平均サービス時間で求められる。統合前の客の人数をλとおくと統合前の利用率pは次のようになる。
p = λ×Ts - 統合後は一つの支店に2支店分の客がくることになるため統合後の利用率p'は次のようになる。
p' = 2λ×Ts =2p
よって、
2p × Ts 1-2p
問題2
製品100個を1ロットとして生産する。 一つのロットからサンプルを3個抽出して検査し、3個とも良品であればロット全体を合格とする。100個中に10個の不良品を含むロットが合格と判定される確率は幾らか。
解答:イ
<解説>
- 最初の1個が良品である確率を計算する
(100-10) = 90 = 9 100 100 10 - 1個目が良品でかつ2個目も良品である確率を計算する
9 × (90-1) = 9 × 89 10 (100-1) 10 99 - 1個目,2個目が良品で3個目も良品である確率は式を約分した後に計算し、
9 × 89 × (89-1) = 9 × 89 × 88 = 178 10 99 (99-1) 10 99 98 245
となる。
したがって、イが正解である。
問題3
自然数をキーとするデータを、ハッシュ表を用いて管理する。 キーx のハッシュ関数h (x )を h (x ) = x mod n とすると、キーa とb が衝突する条件はどれか。 ここで、n はハッシュ表の大きさであり、x mod n はx をn で割った余りを表す。
ア | a + b がn の倍数 |
イ | a - b がn の倍数 |
ウ | n がa + b の倍数 |
エ | n がa - b の倍数 |
解答:イ
<解説>
ハッシュ値は、n=3の場合は次の表のようになる。
表より、二つのキー値のハッシュ値が等しくなる条件はキー値の差(a-b)がnの倍数であるときということが分かる。
問題4
スーパスカラの説明はどれか。
ア | 処理すべきベクトルの長さがベクトルレジスタより長い場合、ベクトルレジスタ長の組に分割して処理を繰り返す方式である。 |
イ | パイプラインを更に細分化することによって、高速化を図る方式である。 |
ウ | 複数のパイプラインを用い、同時に複数の命令を実行可能にすることによって高速化を図る方式である。 |
エ | 命令語を長く取り、一つの命令で複数の機能ユニットを同時に制御することによって高速化を図る方式である。 |
解答:ウ
<解説>
スーパスカラとは、プロセッサの中に複数の処理系統(パイプライン)を用意し、複数の命令を並列に処理することである。
ア | × | ベクトルプロセッサに関する説明である。 |
イ | × | スーパパイプラインに関する説明である。 |
ウ | ○ | スーパスカラに関する説明である。 |
エ | × | VLIW(Very Long Instruction Word:超長命令語)に関する説明である。 |
問題5
物理サーバのスケールアウトに関する記述はどれか。
ア | サーバに接続されたストレージのディスクを増設して冗長化することによって、サーバ当たりの信頼性を向上させること |
イ | サーバのCPUを高性能なものに交換することによって、サーバ当たりの処理能力を向上させること |
ウ | サーバの台数を増やして負荷分散することによって、サーバ群としての処理能力を向上させること |
エ | サーバのメモリを増設することによって、単位時間当たりの処理能力を向上させること |
解答:ウ
<解説>
スケールアウトとは、システムを構成するサーバーの台数を増やすことで、システムの処理能力を高めることをいう。
スケールアウトと対照的な方法として「スケールアップ」がある。サーバー台数を増やすスケールアウトに対し、スケールアップはCPUやメモリなどのサーバースペックを増強することでシステムの性能を向上させる。
ア | × | 能力の向上ではなく、信頼性の工場なので、スケールアウトとは関係がない。 |
イ | × | スケールアップに関する記述である。 |
ウ | ○ | スケールアウトに関する記述である。 |
エ | × | スケールアップに関する記述である。 |
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