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- 平成27年度春季問題
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平成27年度春季解答
問題16
JIS X 25010:2013で規定されたシステム及びソフトウェア製品の品質副特性の説明のうち、信頼性に分類されるものはどれか。
ア | 製品又はシステムが、それらを運用操作しやすく、制御しやすくする属性をもっている度合い |
イ | 製品若しくはシステムの一つ以上の部分への意図した変更が製品若しくはシステムに与える影響を総合評価すること、欠陥若しくは故障の原因を診断すること、又は修正しなければならない部分を識別することが可能であることについての有効性及び効率性の度合い |
ウ | 中断時又は故障時に、製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し、システムを希望する状態に復元することができる度合い |
エ | 二つ以上のシステム、製品又は構成要素が情報を交換し、既に交換された情報を使用することができる度合い |
解答:ウ
<解説>
JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−システム及びソフトウェア品質モデル)は、システムやソフトウェアの品質特性を定義する規格であり、利用の品質も出ると製品品質モデルが規定されている。
製品品質モデルは,製品品質特徴を八つの特性(機能適合性,信頼性,性能効率性,使用性,セキュリティ,互換性,保守性及び移植性)に分類する。
問題の信頼性(reliability)とは、明示された時間帯で,明示された条件下に,システム,製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合いのことであり、ウが正解となる。
ア | × | 使用性(運用操作性)の説明である。 |
イ | × | 保守性(解析性)の説明である。 |
ウ | ○ | 信頼性の説明である。 |
エ | × | 互換性(相互運用性)の説明である。 |
問題17
エクストリームプログラミング(XP)のプラクティスとして、適切なものはどれか。
ア | 1週間の労働時間は、チームで相談して自由に決める。 |
イ | ソースコードの再利用は、作成者だけが行う。 |
ウ | 単体テストを終えたプログラムは、すぐに結合して、結合テストを行う。 |
エ | プログラミングは1人で行う。 |
解答:ウ
<解説>
XP(Extreme Programming)は、設計書よりもコーディングとテストを重視したソフトウェア開発プロセス(開発工程)である。開発者はいくつかのプラクテイス(規則)に沿って開発を進める。
開発のプラクティスには、次のもの等がある。
- ペアプログラミング
- リファクタリング
- 短時間でのリリース
- ソースコードの共同所有
- 継続的インテグレーション
- 週40時間労働
- コーディング規約の遵守
ア | × | XPでは週40時間労働が推奨されている。 知的作業には週40時間の労働時間が最適である。 特にXPでは、集中力を高めて効果を生む事を重視しているため、心身ともに健全な状態を保つ必要があり、それ以上の労働は適さない。 |
イ | × | XPではソースコードの共同所有が推奨されている。 ソースコードは開発チームの全員で所有権をもってシェアする。 |
ウ | ○ | XPでは継続的インテグレーションが推奨されている。 継続的インテグレーションとは、単体テストをパスするコードが完成するたび、すぐに結合テストを行い、問題点や改善点を探す。 少なくとも一日に一回は、結合テストを行う。 また、全体のコンパイルおよび自動テストを行うための継続的インテグレーション用のコンピュータを準備することが推奨されている。 |
エ | × | XPではペアプログラミングが推奨されている。 ペアプログラミングとは、2人1組で実装を行い、1人が実際のコードを書き、もう1人はそれをチェックしながらナビゲートする。 |
問題18
PERT図で表されるプロジェクトにおいて、プロジェクト全体の所要日数を1日短縮できる施策はどれか。
ア | 作業BとFを1日ずつ短縮する。 |
イ | 作業Bを1日短縮する。 |
ウ | 作業Iを1日短縮する。 |
エ | 作業Jを1日短縮する。 |
解答:エ
<解説>
PERT図の各ノードの最速結合点時刻とクリティカルパスを示す。
クリティカルパス上の作業の完了を早めるとプロジェクト全体の完了は早くなる。
解答群の作業のうち、クリティカルパス上にあるのは作業Jだけなので、この作業の完了を1日早くすればプロジェクト全体の所要日数を1日短縮できる。
したがって、エが正解である。
問題19
プロジェクトマネジメントにおけるリスクの対応例のうち、PMBOKのリスク対応戦略の一つである転嫁に該当するものはどれか。
ア | あるサブプロジェクトの損失を、他のサブプロジェクトの利益で相殺する。 |
イ | 個人情報の漏えいが起こらないように、システムテストで使用する本番データの個人情報部分はマスキングする。 |
ウ | 損害の発生に備えて、損害賠償保険を掛ける。 |
エ | 取引先の業績が悪化して、信用に不安があるので、新規取引を止める。 |
解答:ウ
<解説>
リスクの対応戦略には次のものがある。
- リスク回避
- リスクそのものを発生させなくさせること
- リスク転嫁
- リスク発生時の影響,損失,責任の一部または全部を他社に肩代わりさせること
- リスク軽減
- リスクの発生確率及び影響度を受容できるレベルまで低減させること
- リスク受容
- 軽微なリスクに対してはあえて対策を行なわずリスクが発生した場合の損失は自社で負担すること
ア | × | リスク受容に該当する。 |
イ | × | リスク軽減に該当する。 |
ウ | ○ | リスク転嫁に該当する。 |
エ | × | リスク回避に該当する。 |
問題20
ITILの可用性管理プロセスにおいて、ITサービスの可用性と信頼性の管理に関わるKPIとして用いるものはどれか。
ア | サービスの中断回数 |
イ | 災害を想定した復旧テストの回数 |
ウ | 処理能力不足に起因するインシデントの数 |
エ | 目標を達成できなかったSLAの項目数 |
解答:ア
<解説>
KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)とは、企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスをモニタリングするために設定される指標のうち、特に重要なものを指す。
ア | ○ | サービスの中断回数が多いほど可用性が損なわれ信頼性のないサービスになる。 |
イ | × | 災害を想定した復旧テストの回数は、ITサービスの可用性と関わりがない。 |
ウ | × | 処理能力不足に起因するインシデントの数はITサービスの品質の低下にはなるが、サービスの中断にはならないので可用性に影響はない。 |
エ | × | SLAは、サービスの品質に関して提供者と利用者でかわす合意なので、ITサービスの可用性とは関係ない。 |
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