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- プロジェクトマネージャ 午前2
- 平成27年度春季問題
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平成27年度春季解答
問題6
プロジェクトの人的資源マネジメントに関して、“ブルックスの法則”で述べられていることはどれか。
ア | エンゲージメントが高まると、プロジェクトメンバは問題に対して自律的に対応するようになる。 |
イ | 技術が発展し、高度な技術の利用が進むほど、人を中心にしたプロジェクトマネジメントが重要になる。 |
ウ | 担当者の業務を可視化しなければ、いかに優秀なプロジェクトマネージャでも適切な管理はできない。 |
エ | 遅延しているプロジェクトへの新規要員の追加は、さらなる遅れをもたらすだけである。 |
解答:エ
<解説>
ブルックスの法則はフレデリック・ブルックスによって提唱された、「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、プロジェクトをさらに遅らせるだけだ (英語: Adding manpower to a late software project makes it later.)」という、ソフトウェア開発のプロジェクトマネジメントに関する法則である。
したがって、エが正解である。
問題7
クリティカルチェーン法におけるタスクのスケジューリングとバッファの設定方法のうち、適切なものはどれか。
ア | クリティカルパス上にないタスクのチェーンには、バッファを設定しない。 |
イ | クリティカルパス上の最後のタスクの終了期と納期の間に、プロジェクト全体で使用するバッファを設定する。 |
ウ | クリティカルパス上の全てのタスクに、バッファを設定する。 |
エ | なるべく前倒しでタスクを開始するように計画し、バッファを少しでも多く確保する。 |
解答:イ
<解説>
ア | × | クリティカルパス上にないタスクのチェーンには、合流バッファを設定する場合がある |
イ | ○ | クリティカルパス上の最後のタスクの終了期と納期の間に、プロジェクト全体で使用するバッファを設定する。 |
ウ | × | クリティカルパス上の全てのタスクに、バッファを設定する必要はない |
エ | × | バッファは計画段階で設定するものである。 |
問題8
工程管理図表の特徴に関する記述のうち、ガントチャートの特徴はどれか。
ア | 計画と実績の時間的推移を表現するのに適し、進み具合並びにその傾向がよく分かり、プロジェクト全体の費用と進捗の管理に利用される。 |
イ | 作業の順序や作業相互の関係を表現したり、重要作業を把握したりするのに適しており、プロジェクトの作業計画などに利用される。 |
ウ | 作業の相互関係の把握には適さないが、作業計画に対する実績を把握するのに適しており、個人やグループの進捗管理に利用される。 |
エ | 進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適しており、プロジェクト全体の進捗管理などに利用される。 |
解答:ウ
<解説>
ガントチャートは、プロジェクト管理や生産管理などで使われる工程管理図である。作業の日程について予定と実績を対比し、作業の進捗管理に使う。
ア | × | ガントチャートは通常プロジェクト全体の費用の管理には利用されない。 トレンドチャートやEVMの説明である。 |
イ | × | ガントチャートは、作業の順序や作業相互の関係を表現するのは適さない。 ADM,PDM,PART図の説明である。 |
ウ | ○ | ガントチャートとは、スケジュールや作業の進捗を管理する表のことであり、作業の相互関係の把握には適さないが、作業計画に対する実績を把握するのに適しており、個人やグループの進捗管理に利用される。 |
エ | × | 進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適した工程管理図法は特にマイルストーンチャートという。 |
問題9
プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として、適切なものはどれか。
ア | クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強した。 |
イ | コストを削減するために、こでまで承認されていた残業を禁止した。 |
ウ | 仕様の確定が大幅に遅れたので、プロジェクトの完了予定日を延期した。 |
エ | 設計が終わったモジュールから順に並行してプログラム開発を実施するように、スケジュールを変更した。 |
解答:ア
<解説>
クラッシングとは、コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小の追加コストで最大の期間短縮を得る方法を決定するスケジュール短縮技法である。十分な検討の上での対応が必要となる。
PMBOKではクラッシングの例として次のものを挙げている。
- 残業の承認
- 資源の追加投入
- クリティカルパス上のアクティビティの迅速は引き渡しのための追加支出
ア | ○ | 「クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強した」は資源の追加投入に該当する。 |
イ | × | コスト削減にはなるが、期間短縮ではない。 |
ウ | × | 納期を変更しているのだから、期間短縮とは無関係である。 |
エ | × | 作業を平行実施することでスケジュールを短縮しようとするのはファストトラッキングである。 |
問題10
EMVを採用しているプロジェクトにおける、ある時点でのCPIが1.0を下回っていた場合の対処法として、適切なものはどれか。
ア | 実コストが予算コストを下回っているので、CPIに基づいて完成時総コストを下方修正する。 |
イ | 実コストをCPIで割った値を使って、完成時総コストを見積もり、予想値とする。 |
ウ | 超過コストの原因を明確にし、CPIの改善策に取り組むとともに、CPIの値を監視する。 |
エ | プロジェクトの完成時にはCPIが1.0となることを利用して、CPIが1.0となる完成時期を予想し、スケジュールを見直す。 |
解答:ウ
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
CPIは次の計算式で求める。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)
- CPI=EV / AC
ア | × | 実コストが予算コストを上回っているので、CPIに基づいて完成時総コストを上方修正する。 |
イ | × | 完成時総コストの見積もりは実コストに残作業のコスト見積もりを加えて計算する。 |
ウ | ○ | 超過コストの原因を明確にし、CPIの改善策に取り組むとともに、CPIの値を監視する。 |
エ | × | プロジェクトの完成時にはCPIが1.0となるわけではない。 |
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