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平成28年度春季解答
問題6
プロジェクトマネジメントで使用する責任分担表(RAM)の一つである、RACIチャートで示す4種類の役割及び責任の組合せのうち、適切なものはどれか。
ア | 実効責任、情報提供、説明責任、相談対応 |
イ | 実効責任、情報提供、説明責任、リスク管理 |
ウ | 実効責任、情報提供、相談対応、リスク管理 |
エ | 実効責任、説明責任、相談対応、リスク管理 |
解答:ア
<解説>
RACIチャート/RACI図とは、PMBOKの用語であり、下記の頭文字であり、チーム・メンバーの役割と責任を表す図のことである。
- Responsible:実行責任
- タスクを実行することに責任を持つ
- Accountable:説明責任
- 顧客や社内のトップマネジメント(経営陣)など、誰かから聞かれたら、タスクの進捗や状況(結果)がどのようになっているかを説明することに責任を持つ
- Consult:相談対応
- タスク実行を支援するアドバイスなどを行う
- Inform:情報提供
- タスクの進捗や状況(結果)についての連絡や報告を受ける
上記の4つが記述されているのは、アである。
問題7
PMBOKによれば、アクティビティの所要期間を見積もる際の資源カレンダーの用途として、適切なものはどれか。
ア | アクティビティが必要とする資源の種類と量を特定する。 |
イ | アクティビティが必要とする資源を区分と類型別に階層表示し、必要な資源を明確にする。 |
ウ | アクティビティが必要とする資源を利用できる作業日及びシフトを取得する。 |
エ | 過去のプロジェクトにおいて類似のアクティビティが必要とした資源の種類と量を取得する。 |
解答:ウ
<解説>
資源カレンダーとは,各資源を投入可能な作業日およびシフトを示す日程表である。したがって、ウが正解である。
問題8
プロジェクトの進捗管理をEVM(Earned Value Management)で行っている。
コストが超過せず、納期にも遅れないと予測されるプロジェクトの状況を表しているのはどれか。
ここで、それぞれのプロジェクトの今後の開発生産性は現在までと変わらないものとする。
解答:ウ
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVM の基本となる 3 つの値である PV (実行予算) 、EV (達成額) 、AC (実績コスト) を見ていくことで、コストの超過やスケジュールの遅延を数値的に分析することができる。
- PV(Planned Value:実行予算)
- 計画時点で見積もった予算コスト
- EV(Earned Value:達成額)
- 現時点までに完成した作業の予算コスト
- AC(Actual Cost:実績コスト)
- 現時点までに完了した作業の実コスト
したがって、コストが超過せず、納期も遅れないと予想されるプロジェクトとは、
- 「コストが超過しない」⇒AC(Actual Cost:実績コスト)がEV(Earned Value:達成額)以下である。
- 「納期も遅れない」⇒EV(Earned Value:達成額)がPV(Planned Value:実行予算)以上である。
となる。
よって、ウが正解である。
問題9
プロジェクト管理で使用する分析技法のうち、傾向分析の説明はどれか。
ア | 個々の選択肢とそれぞれを選択した場合に想定されるシナリオの関係を図に表し、それぞれのシナリオにおける期待値を計算して、最善の策を選択する。 |
イ | 個々のリスクが実現のものとなったときの、プロジェクトの目標に与える影響の度合いを調べる。 |
ウ | 時間の経過に伴うプロジェクトのパフォーマンスの変動を検討する。 |
エ | 発生した障害のその要因の関係を魚の骨のような図にして分析する。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 期待金額値分析(EMV:Expected Monetary Value)の説明である。 |
イ | × | 感度分析(第2章リスクマネジメント参照)の説明である。 |
ウ | ○ | 傾向分析は,数学的モデルを用いて,過去の結果に基づいて将来を予測する分析技法である |
エ | × | QC7つ道具の特性要因図の説明である。 |
問題10
社員が週に40時間働くソフトウェア会社がある。
この会社が、1人で開発すると440人時のプログラム開発を引き受けた。
開発コストを次の条件で見積もるとき、10人のチームで開発する場合のコストは、1人で開発する場合の約何倍になるか。
[条件] | |
(1) | 10人のチームでは、コミュニケーションをとるための工数が余分に発生する。 |
(2) | コミュニケーションはチームのメンバが総当たりでとり、その工数は2人1組の組合せごとに週当たり4人時(1人につき2時間)である。 |
(3) | 社員の週当たりのコストは社員間で差がない。 |
(4) | (1)~(3)以外の条件は無視できる。 |
ア | 1.2 |
イ | 1.5 |
ウ | 1.8 |
エ | 2.1 |
解答:ウ
<解説>
- 1人で開発する時のコスト
- 440人時
- 10人で開発する時のコスト
-
- 最初に,1人当たりのコミュニケーションの工数を計算する。
条件(2)では“,チ ームのメンバが総当たりでとる”としている。メンバは10人なので,1人当た り9人と1人当たり1週間に2時間コミュニケーションをとるようである。つまり,1週間のうち,1人あたり18時間がコミュニケーションにとられてしまう。社員は40時間働くので,コミュニケーションの18時間を差し引くと,実働22時間になるので,開発期間は2週間必要になる。
440人時÷10人÷22時間/週=2週間 - 1週間にコミュニケーション工数は,18時間×10人=180時間必要で,それが2週間になるため,360時間がコミュニケーション工数になる。元の開発工数440時間を加えると,800時間になる。
- 最初に,1人当たりのコミュニケーションの工数を計算する。
したがって、800/440≒1.8したがって,正解は(ウ)になる。
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