必ず受かる情報処理技術者試験

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平成31年度春季解答

問題1

あるプロジェクトのステークホルダとして,プロジェクトスポンサ,プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントオフィス及びプロジェクトマネジメントチームが存在する。JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引き)によれば,組織としての標準化,プロジェクトマネジメントの教育訓練,プロジェクトの計画及びプロジェクトの監視などの役割を主として担うのはどれか。

プロジェクトスポンサ
プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネジメントオフィス
プロジェクトマネジメントチーム

解答:ウ

<解説>

× プロジェクトスポンサとは、プロジェクトの資金や資源などを提供します。
× プロジェクトマネージャとは、プロジェクトの実行を管理する責任者である。
プロジェクトマネジメントオフィスとは、組織のプロジェクトマネジメントを支援するために設置する専門部署である。
× プロジェクトマネジメントチームプロジェクトを実行するために配置される従業員の集合である。

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問題2

表は,RACIチャートを用いた,あるプロジェクトの責任分担マトリクスである。設計アクティビティにおいて,説明責任をもつ要員は誰か。

阿部
伊藤と佐藤
鈴木と田中
野村

解答:エ

<解説>

RACI図(RACIチャート)は、プロジェクトや何らかの工程をチームあるいは人々に役割分担させる際に使用される図の一種である。複数の組織が共同で行うプロジェクトなどで、役割分担を明確化するのに特に有効とされる。

RACI図は、タスクを4種類の参加者の責任型に分割する。また、プロジェクトや工程毎に各参加者には異なる役割が割り当てられる。この責任型の名称の頭字語が RACI である。

  • Responsible(実行責任者) - タスク達成のために働く責任者。複数のリソースについて責任を持つことがある。
  • Accountable(説明責任者) - タスクの正しい完了について外部からの問合せに対して責任を持って対応する。各タスクの窓口は1つでなければならない。
  • Consulted(協業先) - 意見を求められる者。双方向の対話。
  • Informed(報告先) - 進捗を常に把握している者。一方向の通信。

したがって、次のようになるので、Accountable(説明責任者)は野村である。

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問題3

工程管理図表の特徴に関する記述のうち,ガントチャートのものはどれか。

計画と実績の時間的推移を表現するのに適し,進み具合及びその傾向がよく分かり,プロジェクト全体の費用と進捗の管理に利用される。
作業の順序や作業相互の関係を表現したり,重要作業を把握したりするのに適しており,プロジェクトの作業計画などに利用される。
作業の相互関係の把握には適さないが,作業計画に対する実績を把握するのに適しており,個人やグループの進捗管理に利用される。
進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適しており,プロジェクト全体の進捗管理などに利用される。

解答:ウ

<解説>

ガントチャートは、プロジェクト管理や生産管理などで使われる工程管理図である。作業の日程について予定と実績を対比し、作業の進捗管理に使う。

ガントチャートの特徴は、進捗管理(作業計画に対する実績を把握する)に用いられる。作業の相互関係(依存関係や前後関係)の把握ができない。

× ガントチャートでは,通常,プロジェクト全体の費用の管理には利用されない。この選択肢の説明は,トレンドチャートやEVMの説明である。
× 作業の順序や作業相互の関係を表現したり"できるのは,ADM,PDM,PART図などである。
ガントチャートの説明である。
× 進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適した工程管理図法は,特にマイルストーンチャートという。

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問題4

プロジェクトのスケジュール管理で使用する"クリティカルチェーン法"の実施例はどれか。

限りある資源とプロジェクトの不確実性に対応するために,合流バッファとプロジェクトバッファを設ける。
クリティカルパス上の作業に生産性を向上させるための開発ツールを導入する。
クリティカルパス上の作業に要員を追加投入する。
クリティカルパス上の先行作業が終了する前に後続作業に着手し,並行して実施する。

解答:ア

<解説>

クリティカルチェーン法は、プロジェクトなどにおいて、それを構成する各作業の実行順序を考えたとき、「作業工程上の従属関係」と「リソースが限られているために発生する従属関係」の双方を考慮した上で、最も時間的に長く掛かる作業の連鎖のこと。作業完了に要する所用期間を決定する。

クリティカルチェーン法の実施例である。
× 作業期間を短縮するための技法であるクラッシングの実施例である。
× 作業期間を短縮するための技法であるクラッシングの実施例である。
× 作業期間を短縮するための技法であるファストトラッキングの実施例である。

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問題5

JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,対象群"リスク"の活動内容のうち,プロセス"リスクへの対応"で実施するものはどれか。

プロジェクトの混乱を最小限にするために,リスク対応の有効性を評価しながらのリスク対応の進捗をレビューする。
プロジェクトの目標への脅威を軽減するために,プロジェクトの予算及びスケジュールに資源と活動を投入することによって,リスクを扱う。
プロジェクトのライフサイクルを通じて,プロジェクトの目標に影響を与えることがあるリスク事象及びその特性の決定を繰り返す。
リスクの優先順位を定めるために,各リスクの発生確率及びそのリスクが発生した場合にプロジェクトの目標に及ぼす結果を推定する。

解答:イ

<解説>

× リスク対応の有効性を評価"したり,"進捗をレビュー"したりするのはリスクへの対応を決定した後のものなので「リスクの管理」になる。
プロセス"リスクへの対応"で実施するものである。
× "リスク事象の決定","繰り返ずという表現より「リスクの特定」の説明だと判断できる。リスクの特定は,プロジェクト期間の問に新たなリスクを認識したり,変化したりすることがあるため,反復的なプロセスになる。
× リスクを評価し優先順位を定めるのは「リスクの評価」の説明となる。

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