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平成22年度秋季解答
問題1
情報システムの全体計画立案時に業務をモデル化する目的はどれか。
ア | 業務機能を整理し各部門の業務分担を決める。 |
イ | 業務の実態を具体的かつ詳細に把握する。 |
ウ | 現状の業務機能の問題点を抽出する。 |
エ | 組織の活動と情報の関連を構造化して、企業のあるべき姿を示す。 |
解答:エ
<解説>
情報システムの全体計画立案時に業務分析を通じて業務の目的を明確にしていくことによって、経営目標達成に必要な業務機能を顕在化させる。
これにより、本来あるべき業務機能を明確化した業務モデルを作成し、業務のモデル化を行う。
したがって、エが正解である。
問題2
“システム管理基準”によれば、“全体最適化”に含まれる作業はどれか。
ア | 委託先を含む開発体制の策定 |
イ | 開発スケジュールの策定 |
ウ | 個別システムのハードウェアの導入スケジュールの策定 |
エ | 情報システム基盤の整備計画の策定 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 開発計画に含まれる作業である。 |
イ | × | 開発計画に含まれる作業である。 |
ウ | × | 開発計画に含まれる作業である。 |
エ | ○ | 全体最適化に含まれる作業である。 |
問題3
物流業務において、10%の物流コストの削減の目標を立てて、図のような業務プロセスの改善活動を実施している。 図中のbに相当する活動はどれか。
ア | CSF(Critical Success Factor)の抽出 |
イ | KGI(Key Goal Indicator)の設定 |
ウ | KPI(Key Performance Indicator)の設定 |
エ | MBO(Management by Objectives)の導入 |
解答:ア
<解説>
選択肢にある用語の意味は次のものである。
- CSF(Critical Success Factor:主要成功要因)
- 目標達成のために決定的に重要となる要因のこと。また、目標達成のために最も力を入れて取り組むべき活動や課題のこと。
- KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)
- 業務活動の結果として組織が最終的に達成するべき目標(成果)の指標
- KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)
- KGIがどの程度まで達成されたかを確認するために設定される定量的な指標
- MBO(Management by Objectives:目標管理)
- あらかじめ評価者(上司)と、被評価者との間で目標に関する合意を結び、それに対する達成度合いで評価をする方式
業務プロセスの改善活動を実行するときは以下の順序で行なう。
- 物流コストの削減
- a:KGIの設定
- b:CSFの設定
- c:KPIの設定
- 開園活動の実施
- 成果の計測と目標値とのギャップ分析
問題4
共通フレーム2007によれば、企画プロセスのシステム化計画の立案において定義するものはどれか。
ア | 業務上実現すべき要件 |
イ | システムの機能要件及び非機能要件 |
ウ | 対象業務のシステム課題 |
エ | 利害関係者のニーズの識別と制約事項 |
解答:ウ
<解説>
共通フレーム2007とは、情報システムの企画から開発、運用、保守、廃棄にいたるライフサイクルにおける全体の仕事のプロセスを明確にすることにより、関係者間で共通の言葉,共通のものさしが使えるように定義したものである。
関係者間で共通の言葉,共通のものさしを使うことで不公正な取引がなくなり、市場の透明性を高め、取引の更なる可視化を実現する。
[参考サイト]
ア | × | 要件定義プロセスで定義される。 |
イ | × | 要件定義プロセスで定義される。 |
ウ | ○ | 企画プロセスで定義される。 |
エ | × | 要件定義プロセスで定義される。 |
問題5
情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて会社のデータモデルを作成する手順はどれか。
ア | 管理層の業務から機能を抽出し、機能をエンティティとする。 次に、機能の相互関係に基づいてリレーションシップを定義する。 さらに、会社の帳票類を調査、整理し、正規化された項目に基づいて属性を定義し、全社のデータモデルとする。 |
イ | 企業の全体像を把握するため、基本的なエンティティだけを抽出し、それらの相互間のリレーションシップを含めて、鳥瞰図を作成する。 次にエンティティを詳細化し、すべてのリレーションシップを明確にしたものを全社のデータモデルとする。 |
ウ | 業務層の現状システムを分析し、エンティティとリレーションシップを抽出する。 それぞれについて適切な属性を定め、これらを基にE-R図を作成し、それを抽象化して、全社のデータモデルを作成する。 |
エ | 全社のデータとその処理過程を分析し、重要な処理を行っている業務を基本エンティティとする。次に、基本エンティティ相互のデータの流れをリレーションシップとしてとらえ、適切な識別名を与える。さらに、基本エンティティと関係あるデータを属性とし、全社のデータモデルを作成する。 |
解答:イ
<解説>
ア | × | E-R モデルは,業務から抽出した機能に着目して作成するものではなく、必要なデータに着目する。 また、管理層の業務に限定しているので誤りである。 |
イ | ○ | システム全体としての最適化のために、企業全体の業務が見渡せるような概略を作成し、そこから個々を細分化して全社データモデルを作成する。 |
ウ | × | 全社のデータモデルは,業務層の現状システムを分析して作成するものではない。企業全体のあるべき姿から考えるものである。 また、業務層の業務に限定しているので誤りである。これでは、小手先の改善にとどまってしまう。 |
エ | × | E-R モデルは,重要な処理を行っている業務に着目して作成するものではないし、業務はエンティティではなくプロセスである。 また、リレーションシップは、E-Rモデルで、エンティティ(実体)間の関係を表す。すなわち流れをリレーションシップとしてとらえるのではない。 |
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