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平成23年度特別解答
問題46
ソフトウェアの分析・設計技法の特徴のうち、データ中心分析・設計技法の特徴はどれか。
ア | 機能の詳細化の過程で、モジュールの独立性が高くなるようにプログラムを分割していく。 |
イ | システムの開発後の仕様変更は、データ構造や手続きを局所的に変更したり追加したりすることによって、比較的容易に実現できる。 |
ウ | 対象業務領域のモデル化に当たって、情報資源のデータ構造に着目する。 |
エ | プログラムが最も効率よくアクセスできるようにデータ構造を設計する。 |
解答:ウ
<解説>
データ中心分析・設計技法とは、データを中心としてシステムの分析や設計を行う技法である。
処理ではなく、データを系統的に把握して開発することでデータの重複や同じデータを処理するプロセスの重複を防ぐことができる。
ア | × | モジュール設計の特徴である。 |
イ | × | オブジェクト指向の特徴である。 |
ウ | ○ | データ中心分析・設計技法の特徴である。 |
エ | × | データベース設計の特徴である。 |
問題47
モジュール設計に関する記述のうち、モジュール強度(結束度)が最も強いものはどれか。
ア | ある木構造データを扱う機能をデータとともに一つにまとめ、木構造データをモジュールの外から見えないようにした。 |
イ | 複数の機能のそれぞれに必要な初期設定の操作が、ある時点で一括して実行できるので、一つのモジュールにまとめた。 |
ウ | 二つの機能A,Bのコードは重複する部分が多いので、A,Bを一つのモジュールとし、A,Bの機能を使い分けるための引数を設けた。 |
エ | 二つの機能A,Bは必ずA,Bの順に実行され、しかもAで計算した結果をBで遣うことがあるので、一つのモジュールにまとめた。 |
解答:ア
<解説>
モジュール強度とは、モジュール内部の関連性の強さを表すものである。モジュール強度が強いほうがモジュールの独立性が高くなる。
機能的強度が最も強度が強く,順に弱くなっていきます。
モジュール強度 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
強い ↑ ↓ 弱い |
機能的強度 | 1つの機能だけを実行するモジュール |
情報的強度 | 特定のデータに関するモジュール | |
連絡的強度 | モジュー内でデータのやりとりをおこない、逐次的な複数の機能をまとめたモジュール | |
手順的強度 | モジュール内ではデータの受け渡しがなく、逐次的な複数の機能をまとめたモジュール | |
時間的強度 | あるタイミングで実行される機能を集めたモジュール | |
論理的強度 | 論理的な関連がある機能を1つのモジュールとしてまとめたもの | |
暗号的強度 | モジュールを単純に分割したもの |
ア | ○ | 情報的強度に関する説明である。 |
イ | × | 時間的強度に関する説明である。 |
ウ | × | 論理的強度に関する説明である。 |
エ | × | 手順的強度に関する説明である。 |
問題48
テストで使用されるドライバ又はスタブの機能のうち、適切なものはどれか。
ア | スタブは、テスト対象モジュールからの戻り値を表示・印刷する。 |
イ | スタブは、テスト対象モジュールを呼び出すモジュールである。 |
ウ | ドライバは、テスト対象モジュールから呼び出されるモジュールである。 |
エ | ドライバは、テスト対象モジュールに引数を渡して呼び出す。 |
解答:エ
<解説>
- ドライバ
- ドライバとは、複数のモジュールからなるプログラムのテストのとき、上位層のモジュールが完成する前に下位層のモジュールをテストするときに、上位層のモジュールを擬似的に代用するモジュールである。
- スタブ
- スタブとは、複数のモジュールからなるプログラムのテストのとき、下位層のモジュールが完成する前に上位層のモジュールをテストするときに、下位層のモジュールを擬似的に代用するモジュールである。
ア | × | ドライバは、テスト対象モジュールからの戻り値を表示・印刷する。 |
イ | × | ドライバは、テスト対象モジュールを呼び出すモジュールである。 |
ウ | × | スタブはテスト対象モジュールから呼び出されるモジュールである。 |
エ | ○ | ドライバはテスト対象モジュールに引数を渡して呼び出す。 |
問題49
共通フレーム2007をソフトウェア産業界に導入する目的として、適切なものはどれか。
ア | ソフトウェア産業界において、ソフトウェア開発の生産性の尺度を統一する。 |
イ | ソフトウェアの開発及び取引における契約書や設計書など、文章の種類や書式を規定する。 |
ウ | ソフトウェアの開発及び取引の内容を明確にし、市場の透明性を高め、取引の更なる可視化を実現する。 |
エ | 電子商取引を行う際に必要な国際会計基準への対応方法を標準化する。 |
解答:ウ
<解説>
共通フレーム2007とは、情報システムの企画から開発、運用、保守、廃棄にいたるライフサイクルにおける全体の仕事のプロセスを明確にすることにより、関係者間で共通の言葉,共通のものさしが使えるように定義したものである。
関係者間で共通の言葉,共通のものさしを使うことで不公正な取引がなくなり、市場の透明性を高め、取引の更なる可視化を実現する。
したがって、ウが正解である。
問題50
PMBOKのWBSで定義するものはどれか。
ア | プロジェクトで行う作業を階層的に要素分解したワークパッケージ |
イ | プロジェクトの実行,監視・コントロール,及び終結の方法 |
ウ | プロジェクトの要素成果物,除外事項及び制約条件 |
エ | ワークパッケージを完了するために必要な作業 |
解答:ア
<解説>
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。WBSでは、プロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解(ワークパッケージは、分解を進めてそれ以上文化できない最小単位)し、階層的に構造化していく。
WBSを作成することでプロジェクトで行うべき作業を明確にすることができる。
ア | ○ | PMBOKのWBSで定義するものである。 |
イ | × | PMBOKのプロジェクトマネジメント計画書で定義する。 |
ウ | × | PMBOKのプロジェクトスコープ記述書で定義する。 |
エ | × | アクティビティで定義する。 |
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