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平成24年度秋季解答
問題11
キャッシュメモリへの書込み動作には、ライトスルー方式とライトバック方式がある。 それぞれの特徴のうち、適切なものはどれか。
ア | ライトスルー方式では、データをキャッシュメモリだけに書き込むので、高速に書込みができる。 |
イ | ライトスルー方式では、データをキャッシュメモリと主記憶の両方に同時に書き込むので、主記憶の内容は常に最新である。 |
ウ | ライトバック方式では、データをキャッシュメモリと主記憶の両方に同時に書き込むので、速度が遅い。 |
エ | ライトバック方式では、読出し時にキャッシュミスが発生してキャッシュメモリの内容が追い出されるときに、主記憶に書き戻す必要が生じることはない。 |
解答:イ
<解説>
書込み命令が実行された時に、キャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式のことを、ライトスルー方式(write through) ,キャッシュメモリだけを書き換えておき、主記憶の書き換えはブロックの入れ替え時に行う方式のことを、ライトバック(write back) 方式という。
- ライトスルー方式
-
- キャッシュへの書込みと同時に主記憶にも書き込む方式
- 書き込みの高速化はできない
- ライトバック方式
-
- キャッシュから追い出された時点で主記憶へ書き込む方式
- 書込みも高速化できる。
したがって、イが正解である。
問題12
毎分6,000回転、平均位置決め時間が20ミリ秒、1トラック当たりの記憶容量が20kバイトの磁気ディスク装置がある。 1ブロック4kバイトのデータを1ブロック転送に要する平均アクセス時間は何ミリ秒か。 ここで、磁気ディスクコントローラのオーバヘッドは無視できるものとする。
ア | 20 |
イ | 22 |
ウ | 27 |
エ | 32 |
解答:ウ
<解説>
- 1回転の時間を求める
1回転する時間=1÷6000(分/回転)=60÷6000(秒/回転)=10(ミリ秒/回転)
- 平均回転待ち時間を求める(1回転の時間÷2)
平均回転待ち時間=10 ÷2=5(ミリ秒) - データ転送速度を求める
データ転送速度=20kバイト÷10ミリ秒=2kバイト/ミリ秒 - データ転送時間を求める
データ転送時間=4kバイト÷2kバイト/ミリ秒=2ミリ秒 - 平均アクセス時間を求める
20ミリ秒+5ミリ秒+2ミリ秒=27ミリ秒
よって正解はウである。
問題13
NAS(Network Attached Storage)の特徴と、特徴を生かした適用業務について述べたものはどれか。
ア | 各種OSからファイルを共有することができるので、データを交換する業務に適している。 |
イ | データの読み書きを高速に行うことができるようになるので、負荷が高い業務に適している。 |
ウ | データベースのデータを扱うことが容易なので、簡易言語で情報検索を行う業務に適している。 |
エ | ファイルの改ざんを監視することが容易なので、個人情報を管理する業務に適している。 |
解答:ア
<解説>
NAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ)とは、ネットワークに直接接続して使用するファイルサーバ専用機。ハードディスクとネットワークインターフェース、OS、管理用ユーティリティなどを一体化した単機能サーバ(アプライアンスサーバ)で、記憶装置をネットワークに直に接続したように見えることからこのように呼ばれる。
ア | ○ | 各種OSからファイルを共有することができるので、データを交換する業務に適している。NAS(Network Attached Storage)の説明である。 |
イ | × | ネットワークを経由するため同じ性能のディスクであればローカルディスクより速度は遅い。SSD(Solid State Drive)の説明である。 |
ウ | × | SQLなどのデータベース言語はサポートしていない。SQL(Structured Query Language)の説明である。 |
エ | × | ファイルの改ざん監視のための特別な実装はない。IDS(Intrusion Detection System)の説明である。 |
問題14
コンピュータシステムの信頼性に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | MTBF/(MTBF + MTTR)は、システムが稼働している時間の割合を表す。 |
イ | MTBF - MTTRは、システムが正常であった時間を表す。 |
ウ | MTBFは、正常なシステムが運用を開始してから初めて故障が起きるまでの時間を表す。 |
エ | MTTRは、システムの故障が回復した時点から次に故障が起きるまでの平均時間を表す。 |
解答:ア
<解説>
稼働率は次式で計算することができる。
稼働率 | = | MTBF | |
MTBF+MTTR |
- MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)
- ある機器やシステムが故障するまでの時間の平均値。
- MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間)
- 故障したコンピュータシステムの復旧にかかる時間の平均値。
ア | ○ | MTBF/(MTBF + MTTR)は、システムが稼働している時間の割合を表す。 |
イ | × | システムが正常であった時間は、MTBFである。 |
ウ | × | MTBFは、システムの故障が回復した時点から次に故障が起きるまでの平均時間である。 |
エ | × | MTTRは、システムの故障が回復した時点からシステムが修復するまでに要する平均時間である。 |
問題15
CPUと磁気ディスク装置で構成されるシステムで、表に示すジョブA、Bを実行する。 この二つのジョブが実行を終了するまでのCPUの使用率と磁気ディスク装置の使用率との組み合わせのうち、適切なものはどれか。 ここで、ジョブA、Bはシステムの動作開始時点ではいずれも実行可能状態にあり、A、Bの順で実行される。 CPU及び磁気ディスク装置は、ともに一つの要求だけを発生順に処理する。 ジョブA、Bとも、CPUの処理を終了した後、磁気ディスク装置の処理を実行する。
解答:イ
<解説>
- 問題の内容をタイムテーブルにすると次のようになる。
- CPUの使用率は、(3+12)÷25=0.6である。
- ディスクの使用率は、(7+10)÷25=0.68である。
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