- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成24年度秋季問題
- 平成24年度秋季解答・解説
平成24年度秋季解答
問題51
WBS(Work Breakdown Structure)を利用する効果として、適切なものはどれか。
ア | 作業の内容や範囲が体系的に整理でき、作業の全体が把握しやすくなる。 |
イ | ソフトウェア、ハードウェアなど、システムの構成要素を効率よく管理できる。 |
ウ | プロジェクト体制を階層的に表すことで、指揮命令系統が明確になる。 |
エ | 要員ごとに作業が適正に配分されているかどうかが把握できる。 |
解答:ア
<解説>
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。WBSでは、プロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解し、階層的に構造化していく。
WBSを作成することでプロジェクトで行うべき作業を明確にすることができる。
ア | ○ | WBS(Work Breakdown Structure)に関する説明である。 |
イ | × | システム構成ドキュメントに関する説明である。 |
ウ | × | プロジェクト体制図に関する説明である。 |
エ | × | 要因マネジメント計画書に関する説明である。 |
問題52
図のアローダイアグラムから読み取れることのうち、適切なものはどれか。 ここで、プロジェクトの開始日は0日目とする。
ア | 作業Cを最も早く開始できるのは5日目である。 |
イ | 作業Dはクリティカルパス上の作業である。 |
ウ | 作業Eの余裕日数は30日である。 |
エ | 作業Fを最も遅く開始できるのは10日目である。 |
解答:ウ
<解説>
アローダイアグラムに最速結合点時刻と最遅結合点時刻を記述すると次のようになる。
ア | × | 結合点3の最速結合点時刻は10である。したがって、最も早く開始できるのは10日目である。 |
イ | × | クリティカルパスは、赤い線上のA(5)→C(20)→G(20)→H(10)である。したがって、作業Dはクリティカルパス上にない。 |
ウ | ○ | 結合点5の最速結合点時刻は20、最遅結合点時刻は50である。したがって、作業Eの余裕日数は30日である。 |
エ | × | 結合点5の最遅結合点時刻は50である。したがって作業Fには40日(50-10)の余裕がある。 |
問題53
プロジェクト管理においてパフォーマンス測定に使用するEVMの管理対象の組みはどれか。
ア | コスト、スケジュール |
イ | コスト、リスク |
ウ | スケジュール、品質 |
エ | 品質、リスク |
解答:ア
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。 - CV(Cost Variance:コスト差異)
- CV=EV-AC
発生した実コストを予定コストと比較した差異。
CV>0なら実コストが予算内に収まっていることを示しCV<0なら予算超過していることを示す。 - WP(Work Packae:ワークパッケージ)
- WBSにおけるコントロールの最小単位,詳細作業
- CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)
- CPI=EV / AC
- SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)
- SPI=EV / PV
- BAC(Budget at Completion:完成時総予算)
- プロジェクトの完了時の実行予算総額
- EAC(Estimate At Completion:完成時総コスト見積り)
- プロジェクトの総コストの予測
EAC=AC+(BAC-EV) / CV
品質やリスクはEVMの管理対象ではない。したがって、アが正解である。
問題54
プロジェクトの品質マネジメントにおいて、プロセスが安定しているかどうか、又はパフォーマンスが予測のとおりであるかどうかを判断するために用いるものであって、許容される上限と下限が設定されているものはどれか。
ア | 管理図 |
イ | 実験計画法 |
ウ | 流れ図 |
エ | ベンチマーク |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 管理図は、時系列的に発生するデータのばらつきを折れ線グラフで表し、上限と下限を設定して異常の発見に用いる。 |
イ | × | 実験計画法は、効率的に精度の高い実験を行なうための手法である。 |
ウ | × | 流れ図は、各ステップを様々な形の箱で表し、それらの間を実線または矢印で繋いで流れを表すことである。 |
エ | × | ベンチマークは、コンピュータのハードウェアやソフトウェアの処理速度を計測する試験である。 |
問題55
ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理の主な活動はどれか。
ア | インシデントから発生する問題の解決策の評価 |
イ | インシデントの解決とサービスの復旧 |
ウ | インシデントの根本原因の究明 |
エ | インシデントのトレンド分析と予防措置 |
解答:イ
<解説>
インシデント管理とは、インシデント(システム障害などのITサービス業務を阻害又は低下させる状態)が発生した場合に、迅速なサービスの復旧を行い、企業が行う事業活動への影響を最小限に抑える事を目的としたプロセスである。
ア | × | 変更管理の活動である。 |
イ | ○ | インシデント管理の活動である。 |
ウ | × | 問題管理の活動である。 |
エ | × | 問題管理の活動である。 |
お問い合わせ