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平成23年度特別解答
問題16
B+木インデックスとビットマップインデックスを比較した説明のうち、適切なものはどれか。
ア | ANDやOR操作だけで行える検索はB+木インデックスの方が有効である。 |
イ | BETWEENを用いた範囲指定検索はビットマップインデックスの方が有効である。 |
ウ | NOTを用いた否定検索はB+木インデックスの方が有効である。 |
エ | 少数の異なる値をもつ列への検索はビットマップインデックスの方が有効である。 |
解答:エ
<解説>
B木インデックスは、木構造のページ群にアドレス情報を格納し、インデックス値を比較しながら二分検索法で該当する行の検索を行う。
ビットマップ・インデックスは1行に1ビットを割り当てたビットマップデータの相対位置から該当する行検索を行う。
ア | × | ANDやOR操作だけで行える検索はビットマップインデックスの方が有効である。 |
イ | × | BETWEENを用いた範囲指定検索はB+木インデックスの方が有効である。 |
ウ | × | NOTを用いた否定検索はビットマップインデックスの方が有効である。 |
エ | ○ | 少数の異なる値をもつ列への検索はビットマップインデックスの方が有効である。 |
問題17
SQLにおいて、A表の主キーがB表の外部キーによって参照されている場合、行を追加・削除する操作の制限について、正しく整理した図はどれか。 ここで、△印は操作が拒否される場合があることを表し、○印は制限なしに操作できることを表す。
解答:ア
<解説>
A表を商品マスタ,B表を発注データとして考える。
- A表-商品マスタの追加は、制限なくできる。
⇒○ - B表-発注データの追加は、A表-商品マスタに該当データが存在しなければできない。
⇒△ - A表-商品マスタの削除は、B表-発注データに該当データが存在する場合はできない。
⇒△ - B表-発注データの削除は、制限なくできる。
⇒○
問題18
OLAP(OnLine Analytical Processing)の操作に関する説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 集計単位をより大きくする操作をロールアップという。 |
イ | 集計単位をより小さくする操作をスライスアンドダイスという。 |
ウ | 分析軸を入れ替えずにデータの切り口を変えることをダイシングという。 |
エ | 分析軸を入れ替えてデータの切り口を変えることをスライシングという。 |
解答:ア
<解説>
ア | × | ダイスは、分析軸に割り当てられた次元を変更する操作である。 |
イ | ○ | データクレンジングとは、データベースの中から誤りや重複を洗い出し、異質なデータを取り除いてデータ属性やコード体系を統一する操作である。 |
ウ | × | ドリルダウンは、ある集計項目の集計単位を詳細に展開する操作である。 |
エ | × | ロールアップ(ドリルアップ)は、ある集計項目の集計レベルを高くする操作である。 |
問題19
文献検索システム、データ検索システムなどの情報検索システムを評価する尺度として用いられる再現率(recall ratio)と精度(precision ratio)の組合せとして、適切なものはどれか。ここで、a、b、cは次の件数を示す。
a: | 蓄積されたすべてのデータのうち、質問に適合する件数 | |
b: | 検索されたデータのうち、質問に適合する件数 | |
c: | 検索されたデータの件数 |
解答:イ
<解説>
再現率(recall ratio)とは、全てのデータのうち、検索できたデータの割合である。よって、再現率=b/aとなる。
精度(precision ratio)とは、検索したデータのうち、検索目的に適合する割合である。よって、精度=b/cとなる。
したがって、イが正解である。
問題20
分散データベースにおける“複製に対する透過性”の説明として、適切なものはどれか。
ア | それぞれのサーバのDBMSが異種であっても、プログラムはDBMSの相違を意識する必要がない。 |
イ | 一つの表が複数のサーバに分割されて配置されていても、プログラムは分割された配置を意識する必要がない。 |
ウ | 表が別のサーバに移動されても、プログラムは表が配置されたサーバを意識する必要がない。 |
エ | 複数のサーバに一つの表が重複しても、プログラムは表の重複を意識する必要がない。 |
解答:エ
<解説>
データベースシステムが分散した複数のシステムから構成されていることを利用者に意識させないことを分散透過性という。
分散データベースの透過性には次のものがある。
- アクセス透過性
- 利用者が同じ方法でアクセスできる。
- 位置透過性
- データの存在する場所を知らなくてもアクセスできる。
- 重複透過性(複製透過性)
- データが複数のサーバに重複して格納されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 分割透過性
- データが複数に分割されて保存されていたとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 移動透過性
- データを格納しているサーバが変わっても、アプリケーションプログラムを変更することなく利用できる。
- 平行透過性
- 複数のサイトから同時に並行して操作することが可能である。
- 障害透過性
- サーバが障害で停止し別のサーバに切り替わったとしても、アプリケーションプログラムが意識することなく利用できる。
- 規模透過性
- アプリケーションやOSの構成に影響を与えることなくシステムの規模を変更できる。
- データモデル透過性
- 各サイトのデータモデルが、リレーショナルモデル、階層モデル、ネットワークモデル、ランダムファイルなどのように異なっていても、利用者が意識することなく利用できる。
ア | × | データモデル透過性の説明である。 |
イ | × | 分割透過性の説明である。 |
ウ | × | 移動透過性の説明である。 |
エ | ○ | 重複透過性(複製透過性)の説明である。 |
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