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平成16年度春季解答
問題76
ワークサンプリング法の説明として、適切なものはどれか。
ア | 1 サイクルの作業時間が短い場合や観測前に作業を分割できる場合に、その作業時間をストップウォッチで測定する。 |
イ | ある時点での観測対象が、作業内容のどの状態にあったかという瞬間観測を何回か行い、観察記録の回数の割合から、各作業時間がどのくらいであるかを推定する。 |
ウ | 観測対象の作業内容を基本動作にまで分解・分析し、作業条件ごとに設定した基本動作の標準時間から作業時間を割り出す。 |
エ | 職長や班長などが経験的判断によって作業時間を求める。 |
解答:イ
<解説>
ワークサンプリング法とは、観測者が、あらかじめ決められた時刻に対象の稼働内容を記録することで作業時間を見積り、事務作業量や生産量を分析するための統計をとる技法をいう。
作業分析を行うことで作業効率の改善につなげる。
問題77
ある単体テスト工程では,1,000 ステップ当たりのバグ摘出率はほぼ正規分布になることが分かっている。チーム別のバグ摘出率をヒストグラムで表したところ,バグ摘出率が高いことを嫌ってデータを意図的に操作し,管理値内に収めてしまったチームがあることが推測できた。これに該当するヒストグラムはどれか。ここで,SL は管理下限,SU は管理上限を表す。
解答:ウ
<解説>
正規分布(ガウス分布)とは、平均が最も多い出現度になり、左右対称に徐々に減っていく最も基本的な確率分布の形です。
今回はそのうち、多いほうが意図的に減らされているので、左側は通常の正規分布、右側が途中で切れる形となっているものが正解に該当するヒストグラムである。
問題78
1次式で表現される制約条件の下にある資源を、どのように配分したら最大の効果が得られるか"という問題を解く手法はどれか。
ア | 因子分析法 |
イ | 回帰分析法 |
ウ | 実験計画法 |
エ | 線形計画法 |
解答:エ
<解説>
線形計画法とは、いくつかの1次式で表わされる制約条件を満たし、かつ1次式で表わされる目的関数を最適化(最大化・最小化)する解を求める数学的手法のこと。主に限られた資源を最大限に利用したい場合、あるいは最小の費用で目的を達成したいような場合、すなわち最適資源配分問題に用いられる。
よって正解はエである。
問題79
EDIを活用した電子商取引を実施する場合に必要となる取決めには、取引基本規約、業務運用規約、情報表現規約及び情報伝達規約の四つがある。これらに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 業務運用規約とは、TCP/IP、JCA 手順などの通信方法を定めたものである。 |
イ | 情報伝達規約とは、通信回線を介した接続方法を定めたものである。 |
ウ | 情報表現規約とは、システムの運用時間、障害対策などを定めたものである。 |
エ | 取引基本規約とは、データフォーマットを定めたものである。 |
解答:イ
<解説>
EDI(Electronic Data Interchange)は、標準化された規約に基づいて電子化されたビジネス文書(注文書や請求書など)をやり取りすること、またこうした受発注情報を利用して企業間取引を行うことである。
EDIには大きく分けて以下の4つの規約(階層)がある。
- レベル1 情報伝達規約
- ネットワーク回線や伝送手順など文字通り情報をやり取りするための取り決め
- レベル2 情報表現規約
- データの構造やデータ項目など、表現法のルールなど情報データをお互いのコンピュータで理解できるようにするための取り決め
- レベル3 業務運用規約
- どんな情報をやり取りするか、情報の訂正方法やエラーの扱いなどの業務やシステムの運用に関する取り決め
- レベル4 取引基本規約
- 検収時期、支払時期、支払方法などEDIにおける取引の法的有効性を確立するための取り決め
ア | × | 情報伝達規約とは、TCP/IP、JCA 手順などの通信方法を定めたものである。 |
イ | ○ | 情報伝達規約とは、通信回線を介した接続方法を定めたものである。 |
ウ | × | 取引基本規約とは、システムの運用時間、障害対策などを定めたものである。 |
エ | × | 情報表現規約とは、データフォーマットを定めたものである。 |
問題80
著作権法によるプログラムの保護に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 他人の著作物であるプログラムを購入し、自社のパソコンでより効果的に利用するために改変を加えることができる。 |
イ | 特に許可されていない場合、バックアップが目的であっても、購入したプログラムを複製すると著作権法違反となる。 |
ウ | プログラムの著作権を侵害して作成された複製物を使用する場合、複製物を取得したときに侵害の事実を知らなくても、使用時点で知っていれば、著作権法違反となる。 |
エ | プログラムは、そのアルゴリズムも含め、著作権法によって著作物として保護される。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 改変の程度にもよるが、効果的に利用し得るようにするために必要な改変は認められている |
イ | × | バックアップが目的であれば,購入したプログラムを複製したとしても著作権法違反とはならない。 |
ウ | × | プログラムの著作権を侵害して作成された複製物を使用する場合,複製物を取得したときに侵害の事実を知っていれば,著作権法違反となる。 |
エ | × | アルゴリズムやプロトコルは著作権では保護されない。 |
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