- トップページ
- 基本情報技術者
- 平成23年度秋季問題
- 平成23年度秋季解答・解説
平成23年度秋季解答
問題16
シンクライアントシステムの特徴として,適切なものはどれか。
ア | GPSを装備した携帯電話を端末にしたシステムであり,データエントリや表示以外に,利用者の所在地をシステムで把握できる。 |
イ | 業務用のデータを格納したUSBメモリを接続するだけで,必要な業務処理がサーバ側で自動的に起動されるなど,データ利用を中心とした業務システムを簡単に構築することができる。 |
ウ | クライアントに外部記憶装置がないシステムでは,サーバを防御することによって,ウイルスなどの脅威にさらされるリスクを低減することができる。 |
エ | 周辺装置のインタフェースを全てUSBに限定したクライアントを利用することによって,最新の周辺機器がいつでも接続可能となるなど,システムの拡張性に優れている。 |
解答:ウ
<解説>
シンクライアントとは、ユーザーが使うクライアント端末に必要最小限の機能のみ持たせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させるシステムの総称である。
シンクライアント側にはハードディスクがないため、端末がウイルス感染する危険性はほぼゼロに近く、サーバのウイルス対策を万全にすれば、システム全体を守ることができる。
問題17
信頼性設計におけるフェールソフトの例として,適切なものはどれか。
ア | アプリケーションを間違って終了してもデータを失わないように,アプリケーション側の機能で編集中のデータのコピーを常に記憶媒体に保存する。 |
イ | 一部機能の障害によってシステムが停止しないよう,ハードウェアやソフトウェアを十分に検証し,信頼性の高いものだけでシステムを構成する。 |
ウ | クラスタ構成のシステムにおいて,あるサーバが動作しなくなった場合でも,他のサーバでアプリケーションを引き継いで機能を提供する。 |
エ | 電子メールでの返信が必要とされる受付システムの入力画面で,メールアドレスの入力フィールドを二つ設けて,同ーかどうかをチェックする。 |
解答:ウ
<解説>
フェールソフトとは、システム障害時に、機能低下を許しても、被害を最小限に抑えシステムを完全には停止させずに機能を維持した状態で処理を続行する設計である。
ア | × | フールプルーフに関する説明である。 |
イ | × | フェールセーフに関する説明である。 |
ウ | ○ | フェールソフトに関する説明である。 |
エ | × | フェールオーバに関する説明である。 |
問題18
MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。
ア | エラーログや命令トレースの機能によって, MTTRは長くなる。 |
イ | 遠隔保守によって,システムのMTBFは短くなり, MTTRは長くなる。 |
ウ | システムを構成する装置の種類が多いほど,システムのMTBFは長くなる。 |
エ | 予防保守によって,システムのMTBFは長くなる。 |
解答:エ
<解説>
MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔) | ある機器やシステムが故障するまでの時間の平均値。 |
MTTR(Mean Time To Repair:平均修理時間) | 故障したコンピュータシステムの復旧にかかる時間の平均値。 |
ア | × | エラーログや命令トレースの機能によって,保守がしやすくなるのでMTTRは短くなる。 |
イ | × | 遠隔保守によって,迅速な修理と故障の未然防止ができるのでMTBF,MTTRともに短くなる。 |
ウ | × | システムを構成する装置の種類が多いほど,装置が壊れる確率が高くなるのでMTBFは短くなる。 |
エ | ○ | 予防保守によって,故障の未然防止ができるので、システムのMTBFは長くなる。 |
問題19
東京~福岡を結ぶ回線がある。この回線の信頼性を向上させるために,図に示すような東京~大阪~福岡を結ぶ破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京~福岡を結ぶネットワークの稼働率は幾らか。ここで,回線の稼働率は,東京~福岡,東京~大阪,大阪~福岡の全てが0.9とする。
ア | 0.729 |
イ | 0.810 |
ウ | 0.981 |
エ | 0.999 |
解答:ウ
<解説>
福岡~大阪~東京を結ぶ迂回回線は一方に障害があると稼働しないので直列、福岡~東京間は直通回線と迂回回線があるので並列と考える。
- 福岡~大阪~東京(迂回回線)の稼働率を計算する
稼働率 = 0.9×0.9=0.81 - 福岡~東京(直通回線と迂回回線)の稼働率を計算する。
稼働率 = 1-(1-0.81)×(1-0.9) = 1-0.019 = 0.981
問題20
図はマルチタスクで動作するコンピュータにおけるタスクの状態遷移を表したものである。実行状態のタスクが実行可能状態に遷移するのはどの場合か。
ア | 自分より優先度の高いタスクが実行可能状態になった。 |
イ | タスクが生成された。 |
ウ | 入出力要求による処理が完了した。 |
エ | 入出力要求を行った。 |
解答:ア
<解説>
タスクの状態遷移は次のように行われる。
- タスク生成
- CPU使用権が与えられた。
- ア)自分より優先度の高いタスクが実行可能状態になった。
- エ)入出力要求を行った。
- ウ)入出力要求による処理が完了した。
- タスク終了
お問い合わせ