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平成25年度春季解答
問題31
IPv4アドレス表記として,正しくないものはどれか。
ア | 10,0,0,0 |
イ | 10,10,10,256 |
ウ | 192,168,0,1 |
エ | 224,0,1,1 |
解答:イ
<解説>
IPv4とは - 現在普及している32ビットのIPアドレスを使用した通信方式のこと。 OSI参照モデルではネットワーク層に相当し、IPアドレスによって通信経路を選択して通信する。
IPv4アドレスは2進数8ビットを4つ(32ビット)で表記する。
11000000.00010000.00000010.00000011⇒192.16.2.3
したがって、数値1個の最大値は、(11111111)2=25510で ある。
よって25610は表記できない。
問題32
本社と工場の間を専用回線で接続してデータを伝送するシステムがある,このシステムでは2,000バイト/件の伝票データを2件ずつまとめ,それに400バイトのヘッダ情報を付加して送っている。伝票データは,1時間に100,000件発生している。回線速度を1Mビット/秒としたとき,回線利用率はおよそ何%か。
ア | 6.1 |
イ | 44 |
ウ | 49 |
エ | 53 |
解答:ウ
<解説>
- 1秒間に送信する伝票データのデータ量を計算する。
2,000バイト×100,000件=200×106バイト=200Mバイト - ヘッダ情報のデータ量を計算する。
100,000件÷2=50,000個。そのデータ量は400バイト×50,000個=20Mバイト - 送信データの合計量を計算する。
200Mバイト+20Mバイト=220Mバイト - データの送信時間を計算する。
回線速度は1Mビット/秒なのでデータの送信には1,760秒要する。1時間=3,600秒のうち回線を1,760秒利用するので、
1,760÷3,600≒0.49⇒49%
問題33
OSI基本参照モデルにおけるネットワーク層の説明として,適切なものはどれか。
ア | エンドシステム間のデータ伝送を実現するために,ルーティングや中継などを行う。 |
イ | 各層のうち,最も利用者に近い部分であり,ファイル転送や電子メールなどの機能が実現されている。 |
ウ | 物理的な通信媒体の特性の差を吸収し,上位の層に透過的な伝送路を提供する。 |
エ | 隣接ノード間の伝送制御手順(誤り検出,再送制御など)を提供する。 |
解答:ア
<解説>
OSI参照モデルは、国際標準化機構(ISO)によって策定された、コンピュータの持つべき通信機能を階層構造に分割したモデルである。
階層
- 第7層:アプリケーション層
- 具体的な通信サービス(例えばファイル・メールの転送、遠隔データベースアクセスなど)を提供。HTTPやFTP等の通信サービス。
- 第6層:プレゼンテーション層
- データの表現方法(例えばEBCDICコードのテキストファイルをASCIIコードのファイルへ変換する)。
- 第5層:セッション層
- 通信プログラム間の通信の開始から終了までの手順(接続が途切れた場合、接続の回復を試みる)。
- 第4層:トランスポート層
- ネットワークの端から端までの通信管理(エラー訂正、再送制御等)。
- 第3層:ネットワーク層
- ネットワークにおける通信経路の選択(ルーティング)。データ中継。
- 第2層:データリンク層
- 直接的(隣接的)に接続されている通信機器間の信号の受け渡し。
- 第1層:物理層
- 物理的な接続。コネクタのピンの数、コネクタ形状の規定等。銅線-光ファイバ間の電気信号の変換等。
ア | ○ | ネットワーク層に関する説明である。 |
イ | × | アプリケーション層に関する説明である。 |
ウ | × | 物理層に関する説明である。 |
エ | × | データリンク層に関する説明である。 |
問題34
LANに接続されている複数のPCを,FTTHを使ってインターネットに接続するシステムがあり,装置AのWAN側インタフェースには1個のグローバルIPアドレスが割り当てられている。この1個のグローバルIPアドレスを使って複数のPCがインターネットを利用するのに必要となる装置Aの機能はどれか。
ア | DHCP |
イ | NAPT(IPマスカレード) |
ウ | PPPoE |
エ | パケットフィルタリング |
解答:イ
<解説>
ア | × | DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、インターネットなどのネットワークに一時的に接続するコンピュータに、IPアドレスなど必要な情報を自動的に割り当てるプロトコルである。 |
イ | ○ | NAPT(Network Address Port Translation:IPマスカレード)は、インターネットに接続された企業などで、一つのグローバルなIPアドレスを複数のコンピュータで共有する技術。組織内でのみ通用するIPアドレス(ローカルアドレス)と、インターネット上のアドレス(グローバルアドレス)を透過的に相互変換することにより実現される。 |
ウ | × | PPPoEPoint to Point Protocol over Ethernet)は、PPPの機能をイーターネットを通して利用するためのプロトコルである。 |
エ | × | パケットフィルタリングは、特定の端末あての IP パケットだけを通過させる機能である。 |
問題35
TCP/IPのネットワークにおいて,TCPのコネクションを識別するために必要な情報の組合せはどれか。ここで,必要な情報は○で表し,不要な情報は×で表す。
解答:ウ
<解説>
IPプロトコルでは,あて先IPアドレスにより送信先を特定するパケットルーティングを行うので,IPコネクションでは,宛先と送信元を識別する情報として宛先先IPアドレスと送信元IPアドレスが必要である。
TCPプロトコルでは,宛先先や送信元のコンピュータ上のアプリケーションプロトコルを識別するためのTCPポート番号が必要になるので,TCP/IP上でのTCPコネクションでは,あて先IPアドレスと送信元IPアドレスに加えて,宛先TCPポート番号と送信元TCPポート番号が必要である。
したがって、ウが正解である。
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