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平成24年度秋季解答
問題16
ソフトウェアの要件定義や分析・設計で用いられる技法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 決定表は、条件と処理を対比させた表形式で論理を表現したものであり、複雑な条件判定を伴う要件定義の記述手段として有効である。 |
イ | 構造化チャートは、システムの“状態”の種別とその状態が選移するための“要因”との関係を分かりやすく表現する手段として有効である。 |
ウ | 状態遷移図は、DFDに“コントロール変換とコントロールフロー”を付加したものであり、制御系システムに特有な処理を表現する手段として有効である。 |
エ | 制御フロー図は、データの“源泉、吸収、流れ、処理、格納“を基本要素としており、システム内のデータの流れを表現する手段として有効である。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 決定表は、条件と処理を対比させた表形式で論理を表現したものであり、複雑な条件判定を伴う要件定義の記述手段として有効である。 |
イ | × | 状態遷移図は、システムの“状態”の種別とその状態が選移するための“要因”との関係を分かりやすく表現する手段として有効である。 |
ウ | × | 制御フロー図は、DFDに“コントロール変換とコントロールフロー”を付加したものであり、制御系システムに特有な処理を表現する手段として有効である。 |
エ | × | DFDは、データの“源泉、吸収、流れ、処理、格納“を基本要素としており、システム内のデータの流れを表現する手段として有効である。 |
問題17
プログラムの著作権侵害に該当するものはどれか。
ア | A社が開発したソフトウェアの公開済プロトコルに基づいて、A社が販売しているソフトウェアと同等の機能をもつソフトウェアを独自に開発して販売した。 |
イ | ソフトウェアハウスと使用許諾契約を締結し、契約上は複製権の許諾は受けていないが、使用許諾を受けたソフトウェアにはプロテクトがかけられていたので、そのプロテクトを外し、バックアップのために複製した。 |
ウ | 他人のソフトウェアを正当な手段で入手し、逆コンパイルを行った。 |
エ | 複製及び、改変する権利が付与されたソース契約の締結によって、許諾されたソフトウェアを改造して製品に組み込み、ソース契約の範囲内で製品を販売した。 |
解答:イ
<解説>
× | ア | プロトコルには著作権が認められていない。したがって、著作権侵害にはならない。 |
○ | イ | ソフトウェアハウスと使用許諾契約を締結し、契約上は複製権の許諾は受けていないが、使用許諾を受けたソフトウェアにはプロテクトがかけられていたので、そのプロテクトを外し、バックアップのために複製した。 |
× | ウ | 正当な手段で入手したソフトウェアの逆コンパイルを行っても、著作権侵害にはならない。 |
× | エ | 複製及び、改変する権利が付与されたソース契約の締結によって、許諾されたソフトウェアを改造して製品に組み込み、ソース契約の範囲内で製品を販売しても契約の範囲内なので、著作権侵害にはならない。 |
問題18
図のアローダイアグラムから読み取れることのうち、適切なものはどれか。 ここで、プロジェクトの開始日は0日目とする。
ア | 作業Cを最も早く開始できるのは5日目である。 |
イ | 作業Dはクリティカルパス上の作業である。 |
ウ | 作業Eの余裕日数は30日である。 |
エ | 作業Fを最も遅く開始できるのは10日目である。 |
解答:ウ
<解説>
アローダイアグラムに最速結合点時刻と最遅結合点時刻を記述すると次のようになる。
ア | × | 結合点3の最速結合点時刻は10である。したがって、最も早く開始できるのは10日目である。 |
イ | × | クリティカルパスは、赤い線上のA(5)→C(20)→G(20)→H(10)である。したがって、作業Dはクリティカルパス上にない。 |
ウ | ○ | 結合点5の最速結合点時刻は20、最遅結合点時刻は50である。したがって、作業Eの余裕日数は30日である。 |
エ | × | 結合点5の最遅結合点時刻は50である。したがって作業Fには40日(50-10)の余裕がある。 |
問題19
プロジェクト管理においてパフォーマンス測定に使用するEVMの管理対象の組みはどれか。
ア | コスト、スケジュール |
イ | コスト、リスク |
ウ | スケジュール、品質 |
エ | 品質、リスク |
解答:ア
<解説>
EVM(Earned Value Management:アーンドバリュー分析)とは、プロジェクトマネジメントにおいて進捗状況の把握・管理を行う手法である。
EVMでは、コスト,スケジュール(進捗)の両面からプロジェクトの状況とパフォーマンスを数値化することができる。
EVMで使用される主な用語は次のとおりである。
- AC(Actual Cost:実コスト)
- 発生したコストの総額
- EV(Earned Value:出来高)
- 完了した作業の承認済み予算で図った価値
- PV(Planned Value:計画価値)
- 予定した作業に割り当てられた承認済み予算
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異)
- SV=EV-PV
作業の進捗をスケジュールと比較して金額換算したもの。
SV>0ならスケジュールより早く進んでいること,SV<0ならスケジュールより遅れて進んでいることを示す。 - CV(Cost Variance:コスト差異)
- CV=EV-AC
発生した実コストを予定コストと比較した差異。
CV>0なら実コストが予算内に収まっていることを示しCV<0なら予算超過していることを示す。 - WP(Work Packae:ワークパッケージ)
- WBSにおけるコントロールの最小単位,詳細作業
- CPI(Cost Performance Index:コスト効率指数)
- CPI=EV / AC
- SPI(Schedule Performance Index:スケジュール効率指数)
- SPI=EV / PV
- BAC(Budget at Completion:完成時総予算)
- プロジェクトの完了時の実行予算総額
- EAC(Estimate At Completion:完成時総コスト見積り)
- プロジェクトの総コストの予測
EAC=AC+(BAC-EV) / CV
品質やリスクはEVMの管理対象ではない。したがって、アが正解である。
問題20
ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理の主な活動はどれか。
ア | インシデントから発生する問題の解決策の評価 |
イ | インシデントの解決とサービスの復旧 |
ウ | インシデントの根本原因の究明 |
エ | インシデントのトレンド分析と予防措置 |
解答:イ
<解説>
インシデント管理とは、インシデント(システム障害などのITサービス業務を阻害又は低下させる状態)が発生した場合に、迅速なサービスの復旧を行い、企業が行う事業活動への影響を最小限に抑える事を目的としたプロセスである。
ア | × | 変更管理の活動である。 |
イ | ○ | インシデント管理の活動である。 |
ウ | × | 問題管理の活動である。 |
エ | × | 問題管理の活動である。 |
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