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- 平成28年度春季問題
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平成28年度春季解答
問題16
ソフトウェアの品質特性のうちの保守性に影響するものはどれか。
ア | ソフトウェアが、特定の作業に特定の利用条件でどのように利用できるかを利用者が理解しやすいかどうか。 |
イ | ソフトウェアにある欠陥の診断又は故障原因の追究、及びソフトウェアの修正箇所を識別しやすいかどうか。 |
ウ | ソフトウェアに潜在する障害の結果として生じる故障が発生しやすいかどうか。 |
エ | ソフトウェアの機能を実行する際に、資源の量及び資源の種類を適切に使用するかどうか。 |
解答:イ
<解説>
ソフトウェアの品質特性モデルとは、ソフトウェアの品質の指標を分類して体系的にまとめた規格で、ソフトウェアの品質に対する評価に利用できる。
- 機能性
- ソフトウェアがユーザからの機能的な要求(明示的機能と暗示的機能)を満たす度合い。
ユーザ目的に合った正確な動作を満たすか。外部IFや規格、セキュリティ基準を満たすか。 - 信頼性
- 様々な使用条件のもとで、ソフトウェアの機能が正常に稼働し続ける度合い。
必要な期間、正常に動作を続け、イレギュラーに対する耐久力を持ち、 障害時に速やかに回復できるか。 - 使用性
- 分かりやすく使いやすいソフトウェアであるかどうかの度合い。
簡単に理解でき使いこなすことができるか。再び使用したくなるか。 インストール作業や運用時が容易か。 - 効率性
- アプリケーションのレスポンスや、ハードウェア資源(メモリ/CPU使用率/ハードディスク等) に対して適切な性能を提供する度合い。
- 保守性
- ソフトウェアに対する機能追加、改修、環境変化等に対する対応の容易性の度合い。
障害等の問題の把握、切り分けなどの解析のしやすさ、変更作業の容易さ、保守作業が必要な頻度の少なさ、保守によるテスト作業の行いやすさ等。 - 移植性
- ソフトウェアを ある環境から他の環境に移すための容易性の度合い。
OSやハードウェア等の環境変更に対してスムーズに移植できるか、どの程度の作業量にて移植できるか。
ア | × | 使用性に影響する。 |
イ | ○ | 保守性に影響する。 |
ウ | × | 信頼性に影響する。 |
エ | × | 効率性に影響する。 |
問題17
モジュールの結合度が最も低い、データの受渡し方法はどれか。
ア | 単一のデータ項目を大域的データで受け渡す。 |
イ | 単一のデータ項目を引数で受け渡す。 |
ウ | データ構造を大域的データで受け渡す。 |
エ | データ構造を引数で受け渡す。 |
解答:イ
<解説>
モジュールの結合度とは、モジュールの独立性を評価する尺度の一つ。モジュール同士がどのような関係で他のモジュールを利用するかによって、6つの結合方法に分類される。内部結合が最も結合度が高く,順に低くなっていく。
結合度 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
強い ↑ ↓ 弱い |
内部結合 | 他モジュールの内容を直接参照 |
共通結合 | 複数モジュールが共通領域を使用 | |
外部結合 | 複数モジュールが共通データを使用 | |
制御結合 | 他モジュールのパラメータを渡す | |
スタンプ結合 | データ構造を決めるパラメータを渡す | |
データ結合 | データパラメータのみの受け渡し |
ア | × | 外部結合の受渡し方法である。 |
イ | ○ | 共通結合の受渡し方法である。 |
ウ | × | データ結合の受渡し方法である。 |
エ | × | スタンプ結合の受渡し方法である。 |
問題18
システム開発における工数の見積りに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | COCOMOの使用には、自社における生産性に関する、蓄積されたデータが必要である。 |
イ | 開発要員の技量は異なるので工数は参考にならないが、過去に開発したプログラムの規模は見積りの参考になる。 |
ウ | 工数の見積りは、作業の進捗管理に有効であるが、ソフトウェアの品質管理には関係しない。 |
エ | ファンクションポイント法による見積りでは、プログラムステップ数を把握する必要がある。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | COCOMO(COnstructive COst MOdel)とは、ソフトウェアの開発規模(開発するプログラムの行数)をベースに、各工程の難易度やエンジニアの能力などいくつかの補正係数を掛け合わせて、開発工数(人月)を見積もる手法。 補正係数は、過去の経験がベースになってくるため、 自社における十分な生産性・実績データの収集が必要になる。 |
イ | × | 開発要員の技量が異なるのは事実だが、過去の技量のレベルと工数の実績値を参考にして見積もりを作成するべきである。 |
ウ | × | 工数の見積りは作業の進捗管理に有効である。またソフトウェアの品質をどのレベルで考えるかによって、工数の見積もりも大きく変わる。 すなわち、工数の見積もりと品質管理には関係がある。 |
エ | × | ファンクションポイント法では、ファンクション(機能)をベースに見積りを行う。 したがって、プログラムステップ数を把握する必要はない。 |
問題19
ITサービスマネジメントにおけるサービスレベル管理の説明はどれか。
ア | あらかじめ定めた間隔で、サービス目標に照らしてサービスの傾向及びパフォーマンスを監視する。 |
イ | 計画が発動された場合の可用性の目標、平常業務の状態に復帰するための取組みなどを含めた計画を作成し、導入し、維持する。 |
ウ | サービスの品質を阻害する事象に対して、合意したサービス目標及び時間枠内に回復させる。 |
エ | 予算に照らして、費用を監視及び報告し、財務予測をレビューし、費用を管理する。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | サービスレベル管理とは、SLA(サービスレベル合意文書)を締結して、合意した内容を守るために行う一連のプロセスのことである。 |
イ | × | ITサービス継続性管理の説明である。 |
ウ | × | インシデント管理の説明である。 |
エ | × | 財務管理の説明である。 |
問題20
ITサービスマネジメントのプロセスの一つである構成管理を導入することによって得られるメリットはどれか。
ア | ITリソースに対する、現在の需要と資産の把握と将来の需要の予測ができる。 |
イ | 緊急事態時においても最低限のITサービス基盤を提供することによって、事業の継続が可能になる。 |
ウ | 構成品目の情報を正確に把握することによって、他のプロセスの確実な実施を支援できる。 |
エ | 適正な費用で常に一定した品質でのITサービスが提供されるようになる。 |
解答:ウ
<解説>
構成管理とは、ITサービスの構成アイテム(CI)情報の正確な収集、認識と収集した情報の維持管理および確認・監査を目的としたプロセス。
ア | × | キャパシティ管理の導入によるメリットである。 |
イ | × | ITサービス継続性管理の導入によるメリットである。 |
ウ | ○ | 構成管理の導入によるメリットである。 |
エ | × | サービスレベル管理の導入によるメリットである。 |
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