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平成21年度春季解答
問題11
要求仕様が明確になっていない場合、納入者側のリスクが高くなる契約形態はどれか。
ア | 実費償還契約 |
イ | タイムアンドマテリアル契約 |
ウ | 単価契約 |
エ | 定額契約 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 実費償還契約は、委託した作業に対して、実際に発生したコストに納入者の利益を加えて価格を決定する契約形態。 →契約時に仕様が不明確な場合でも、実際に発生した費用は回収できるのでリスクは低い。 |
イ | × | タイムアンドマテリアル契約は、人的資源の調達などにおいてあらかじめ単価を決定し、発生した作業量に応じて支払額を決定する契約形態。 →契約時に仕様が不明確な場合でも、実際に発生した作業量分の費用は回収できるのでリスクは低い。 |
ウ | × | 単価契約は、実施する作業の種類ごとに単位数量当たりの価格を決めて行う契約形態。 →単価設定の間違いなどによるリスクはあるが、比較的リスクは低い。 |
エ | ○ | 定額契約は、あらかじめ委託する作業内容を明確にしたうえで、その作業内容に対し、固定の価格を設定する契約形態。 →契約時に仕様が不明確で追加コストが発生した場合は納入者が費用を負担しなければならない。したがってリスクは高い。 |
問題12
システム開発で行われる各テストについて、そのテスト要求事項が定義されているアクティビティとテストの組合せのうち、適切なものはどれか。
解答:ウ
<解説>
各アクティビティの主な作業は次のとおりである。
システム方式設計
- システム最上位レベルでの方式確立
- 利用者文書の作成
- システム結合のためのテスト要求事項の定義
- ステム方式の評価と共同レビューの実施
ソフトウェア方式設計
- ソフトウェア構造とコンポーネント,各インタフェースの方式設計
- データベースの最上位レベルの設計
- 利用者文書の作成
- ソフトウェア結合のためのテスト要求事項の定義
- ソフトウェア方式設計の評価と共同レビュー
ソフトウェア詳細設計
- ソフトウェアコンポーネント・インタフェース・データベースの詳細設計
- 利用者文書の更新・ソフトウェアユニット,ソフトウェア結合のテスト要求事項の定義
- ソフトウェア詳細設計及びテスト要求事項の評価と共同レビュー
したがって、
システム方式設計は、システム最上位レベルでの方式確立などを実施する。最上位レベルのアクティビティにあたるため、システム結合テストを行う。
ソフトウェア方式設計は、ソフトウェア構造とコンポーネント,各インタフェースの方式設計やデータベースの最上位レベルの設計などをを実施する。したがって、ソフトウェア結合テストを行う。
ソフトウェア詳細設計は、ソフトウェアコンポーネント・インタフェース・データベースの詳細設計などを実施する。最下位レベルのアクティビティにあたるため、ソフトウェアユニットテストを行う。
問題へ問題13
システムの分析・設計に用いられる状態遷移図の特徴はどれか。
ア | システムの現在の状態と発生する事象及び次の状態の関係が簡潔に記述可能 |
イ | システムの状態遷移に要する処理時間が分析可能 |
ウ | 発生した事象の時間的関係が分析可能 |
エ | モジュールの制御構造が簡潔に記述可能 |
解答:ア
<解説>
状態遷移図は、状態が遷移していく様子を表現する図である。
ア | ○ | 状態遷移図に関する説明である。 |
イ | × | 状態遷移図は状態が遷移していく様子を表現するものであり、処理時間を分析するものではない。 |
ウ | × | 状態遷移図は状態が遷移していく様子を表現するものであり、発生した事象の時間的関係を分析するものではない。 時間的関係を分析するツールはタイムチャートなどを用いる。 |
エ | × | モジュールの制御構造は表現するものではない。 モジュールの制御構造を分析するツールは制御フローなどを用いる。 |
問題14
ハードウェアの保守点検及び修理作業を実施するときに、運用管理者が実施すべき、事前又は事後に確認に関する説明のうち、適切なものはどれか。
ア | システムが自動的に回復処置を行った障害については、障害前後のエラーログが残っているので、障害原因や対応処置の報告ではなく、ログの分析結果を確認する。 |
イ | 定期保守時の点検項目は事前に分かっているので、事前と事後の確認は省略できるが、作業の開始と終了については、保守作業者に確認する。 |
ウ | 予防保守を遠隔方式で行う場合、遠隔地のシステムへの影響は出ないので、作業内容などの事前確認は行わず、事後に作業実施結果を確認する。 |
エ | 臨時保守の場合、事前に保守作業者が障害の発生状況を確認したことを確認し、事後に障害原因や作業実施結果を確認する |
解答:エ
<解説>
ア | × | ログの分析結果を確認し、障害原因や対応処置を行う。障害原因や対応処置は今後同様の障害が発生した場合及びシステム改修時に必要となるので必ず資料にまとめ報告する。 |
イ | × | 点検項目が事前に分かっていても、事前と事後の確認を省略することはできない。 |
ウ | × | 遠隔地のシステム保守においても、作業内容の事前確認は必要である。 |
エ | ○ | 臨時保守の場合、事前に保守作業者と十分に連絡をとりあい事前・事後に認識あわせをする必要がある。 |
問題15
ソフトウェア開発のプロセスモデルのうち、開発サイクルを繰り返すことによって、システムの完成度を高めていくプロセスモデルはどれか。
ア | RADモデル |
イ | ウォータフォールモデル |
ウ | スパイラルモデル |
エ | プロトタイピングモデル |
解答:ウ
<解説>
ア | × | RADモデルは、プロトタイプと呼ばれるシステムの完成イメージを何度も制作、評価し、プロトタイプを次第に完成品に近づけてゆく開発手法である。 |
イ | × | ウォータフォールモデルは、ソフトウェアのシステム開発工程を川の流れに例え、要求分析、設計、実装(プログラミング)、テスト、運用の流れ作業に分け、 各工程を確実に行い、作業を戻さない開発手法である。 |
ウ | ○ | スパイラルモデルは、ソフトウェア開発のプロセスモデルのうち、開発サイクルごとにリスクを最小にしながら、開発サイクルを繰り返すことによって、システムの完成度を高めていく開発手法である。 |
エ | × | プロトタイピングモデルは、開発の初期段階で入出力画面などの具体的に動作する試作品(プロトタイプ)を作成し、これをたたき台として検討と修正を繰り返しながら、仕様を確定していく開発手法である。 |
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