- トップページ
- プロジェクトマネージャ 午前2
- 平成24年度春季問題
- 平成24年度春季解答・解説
平成24年度春季解答
問題6
ソフトウェア会社の社員は週40時間働く。 この会社が、開発工数440人時のプログラム開発を引き受けた。 開発コストを次の条件で見積るとき、10人のチームで開発する場合のコストは、1人で開発する場合のコストの約何倍になるか。
[条件]
(1) 10人のチームでは、コミュニケーションをとるための工数が余分に発生する。
(2) コミュニケーションはチームのメンバが総当たりでとり、その工数は2人1組の組合せごとに週当たり4人時(1人当たり2時間)である。
(3) 社員の週当たりのコストは社員間で差がない。
(4) (1)~(3)以外の条件は無視できる。
ア | 1.2 |
イ | 1.5 |
ウ | 1.8 |
エ | 2.1 |
解答:ウ
<解説>
1人で開発する場合と10人で開発する場合のコストを計算する。
- 1人で開発する場合
- 開発工数 440 人時を週 40 時間働くより440÷40=11週間
- 1 人で開発する場合のコストは、1人分×11週分=11
- 10人で開発する場合
- 条件(2)より2人1組の組み合わせは10C2 = 45通り
- 工数は2人1組の組合せごとに週当たり4時間なので、45×4=180時間必要である。
- 条件(1)よりコミュニケーションをとるための工数が余分に発生するは週 40 時間働く社員が10人で400時間になり、400時間に中に余分の工数が含まれると考え、400-180=220時間。開発工数 440 人時を10人で開発する場合は、440÷220=2週間になります。
- 10 人のチームで開発する場合のコストは10人分×2週間分=20
10人のチームで開発する場合のコストは、1人で開発する場合のコストの約何倍になる計算する。
20÷11=1.818…
問題7
過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。 要件定義からシステム内部開発までをモデルどおりに228日で完了してプログラム開発に入り、200本のプログラムのうち100本のプログラム開発を完了し、残り100本は未着手である。 プログラム開発移行もモデルどおりに進捗するとき、プロジェクト全体の完了まであと何日かかるか。
ア | 140 |
イ | 150 |
ウ | 161 |
エ | 172 |
解答:イ
<解説>
- プロジェクト全体の予定日数を計算する。
要件定義からシステム内部設計までを,228 日で完了したとしているので,
要求定義(0.25)+システム外部設計(0.21)+システム内部設計(0.11)= 0.57 を 228 日で完了している。
したがって,プロジェクト全体の予定日数は,228 ÷ 0.57 = 400 日である。 - プログラム開発の進捗率を計算する。
200 本が全体のプログラム本数である。100 本が完成し,残り 100 本が未着手なので,プログラム開発の進捗率は半分である。
これを期間比に換算すると,0.11÷2= 0.055 である。 - プロジェクト全体の完了までに必要な日数を計算する。
残りの工程の期間比は,残りのプログラム開発(0.055)+結合テスト (0.11)+システムテスト(0.21)= 0.375 である。
つまり,残り日数は 0.375 × 400 = 150 日 である。
問題8
“7の法則”を適用するとき、原因を調べるべきX - R 管理図はどれか。
ここで、UCLは情報管理限界。CLは中央線、LCLは下方管理限界である。
解答:イ
<解説>
X - R 管理図とは,管理対象が時間とともにどのように変化したかの推移を示す。
折れ線グラフと,平均値を示す中心線(CL : Center Line),許容される上限値 を示す上方管理限界線(UCL : Upper Control Line),許容される下限値を示す 下方管理限界線(LCL : Lower Control Line)を示した図である。
管理対象が一 般的な原因の影響を受けているのか,あるいは特殊な(異常な)原因の影響を 受けているのかを判断するために用いられる。
X - R 管理図における“7 の法則”は,7 回連続で中央線を上回ったか,もしく は下回ったケースを,何らかの異常が発生していると判定する法則である。 選択肢イの図では,左から 2 個目から 8 個目の点は,連続して中央線を上回 っているので,異常が発生していると考えられ,その原因を調査しなければな らない。
問題9
JIS X 0129-1で定義されたソフトウェアの品質特性の説明のうち、適切なものはどれか。
ア | 機能性とは、ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力のことである。 |
イ | 効率性とは、指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品のことである。 |
ウ | 信頼性とは、明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力である。 |
エ | 保守性とは、指定された条件の下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力のことである。 |
解答:ア
<解説>
ソフトウェアの品質特性モデルとは、ソフトウェアの品質の指標を分類して体系的にまとめた規格で、ソフトウェアの品質に対する評価に利用できる。
- 機能性
- ソフトウェアがユーザからの機能的な要求(明示的機能と暗示的機能)を満たす度合い。
ユーザ目的に合った正確な動作を満たすか。外部IFや規格、セキュリティ基準を満たすか。 - 信頼性
- 様々な使用条件のもとで、ソフトウェアの機能が正常に稼働し続ける度合い。
必要な期間、正常に動作を続け、イレギュラーに対する耐久力を持ち、 障害時に速やかに回復できるか。 - 使用性
- 分かりやすく使いやすいソフトウェアであるかどうかの度合い。
簡単に理解でき使いこなすことができるか。再び使用したくなるか。 インストール作業や運用時が容易か。 - 効率性
- アプリケーションのレスポンスや、ハードウェア資源(メモリ/CPU使用率/ハードディスク等) に対して適切な性能を提供する度合い。
- 保守性
- ソフトウェアに対する機能追加、改修、環境変化等に対する対応の容易性の度合い。
障害等の問題の把握、切り分けなどの解析のしやすさ、変更作業の容易さ、保守作業が必要な頻度の少なさ、保守によるテスト作業の行いやすさ等。 - 移植性
- ソフトウェアを ある環境から他の環境に移すための容易性の度合い。
OSやハードウェア等の環境変更に対してスムーズに移植できるか、どの程度の作業量にて移植できるか。
ア | 機能性とは、ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力のことである。 |
イ | 使用性とは、指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品のことである。 |
ウ | 効率性とは、明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力である。 |
エ | 信頼性とは、指定された条件の下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力のことである。 |
問題10
コンフリクトマネジメントを行う際の指針のうち、適切なものはどれか。
ア | コンフリクトの解決に当たっては、過去の経緯ではなく現在の課題に焦点を当てる。 |
イ | コンフリクトの解決に当たっては、個人の人間性に対して焦点を当てる。 |
ウ | コンフリクトは避けられるものであり、一切発生しないようにマネジメントする。 |
エ | コンフリクトは当事者間の課題であり、当事者だけで開発する。 |
解答:ア
<解説>
コンフリクト(conflict)は,“意見や利害などの衝突や対立”を意味する。
コンフリクトに対処するときに、表面的な利害の対立に目をやるばかりではなく、相手との人間関係に配慮し、適切なコミュニケーションをとりながら、互いの利益やニーズを満たすために創造的に問題を解決していくのがコンフリクト・マネジメントの考え方である。
ア | ○ | コンフリクトの解決に当たっては、過去の経緯ではなく現在の課題に焦点を当てる。 |
イ | × | コンフリクトの解決に当たっては、課題に対して焦点を当てる。 |
ウ | × | プロジェクトにおいて、コンフリクトは避けられないものである。 |
エ | × | コンフリクトはプロジェクトチームの課題である。 |
お問い合わせ