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平成29年度春季解答
問題1
プロジェクトのスケジュールを管理するときに使用する“クリティカルチェーン法”の実施例はどれか。
ア | クリティカルパス上の作業に生産性を向上させるための開発ツールを導入する。 |
イ | クリティカルパス上の作業に要員を追加投入する。 |
ウ | クリティカルパス上の選考作業が終了する前に後続作業に着手し、並行して実施する。 |
エ | クリティカルパスを守るために、合流バッファとプロジェクトバッファを設ける。 |
解答:エ
<解説>
クリティカルチェーン法は、プロジェクトなどにおいて、それを構成する各作業の実行順序を考えたとき、「作業工程上の従属関係」と「リソースが限られているために発生する従属関係」の双方を考慮した上で、最も時間的に長く掛かる作業の連鎖のこと。作業完了に要する所用期間を決定する。
ア | × | クラッシングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
イ | × | クラッシングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
ウ | × | ファスト・トラッキングの特徴である。クリティカルチェーン法は作業期間をどうやって短縮するのかを考えるものではない。 |
エ | ○ | クリティカルチェーン法の特徴である。合流バッファ(クリティカルチェーン上のタスクと、他のタスクが合流する場所に配置されるバッファで、クリティカルチェーン上のタスクが、合流側のタスクの遅れにより遅れることがないように配置される時間的余裕)とプロジェクトバッファ(プロジェクトの最後に配置されるバッファで、プロジェクトの納期を不確実性などの影響から守るために配置される時間的余裕)を設ける。 |
問題2
PMBOKガイド第5版によれば、組織のプロセス資産に分類されるものはどれか。
ア | 課題と欠陥のマネジメントの手順 |
イ | ステークホルダのリスク許容度 |
ウ | 組織のインフラストラクチャ |
エ | 組織の文化、体制、ガバナンス |
解答:ア
<解説>
組織のプロセス資産とは、「過去のプロジェクトで培われたノウハウを資産化したもの」で、2つに大別されている。
組織のプロセス資産 | 内容 |
---|---|
1.プロセスと手順 | 立ち上げと計画
実行と監視・コントロール
|
2.企業の知識ベース |
|
ア | ○ | 組織のプロセス資産である。 |
イ | × | 組織体の環境要因である。 |
ウ | × | 組織体の環境要因である。 |
エ | × | 組織体の環境要因である。 |
問題3
PMBOKガイド第5版によれば、プロジェクトへの変更要求のうち是正処置はどれか。
ア | あるサブシステムの成果物の品質が、要求されるレベルを満たさないことが予想されるので、設計ドキュメントのレビューに有識者を参加させる。 |
イ | あるタスクが、プロジェクトマネジメント計画書に記載したスケジュールから遅れたので、おくれを解消させるために要員を追加する。 |
ウ | 受入れテストにおいて、あるサブシステムのプログラムが要求仕様を満たしていないことが判明したので、プログラムを修正する。 |
エ | 法規制が改正されたので、新しい法規制に対応するための活動をWBSに追加する。 |
解答:イ
<解説>
「プロジェクト作業の監視・コントロール」プロセスにおいて、プロジェクトスコープの拡張や縮小を行う場合は、変更要求を発行する。
変更要求には、次の四つの事項がある。
- 是正処置
-
- 将来のパフォーマンスがプロジェクトマネジメント計画書に沿うようにする指示。
- ベースラインからの差異を許容範囲内に収める。
- 予防処置
-
- プロジェクト・リスクの発生確率を低減させるための指示。
- ベースラインの許容範囲から逸脱しないようにする。
- 欠陥修正
-
- プロジェクト構成要素の欠陥を特定する。
- 欠陥の修正や全面取替えの勧告も含む。
- 更新
- コントロールされている計画書等に対する変更で、アイデアや内容の追加や修正を反映する。
ア | × | 「要求されるレベルを満たさないことが予想される」時の活動なので、予防処置の対応になる。 |
イ | ○ | 「遅れたので、おくれを解消させるため」の活動なので、是正処置の対応になる。 |
ウ | × | 「成果物が要求仕様を満たしていない」時の活動なので、欠陥修正の対応になる。 |
エ | × | 「新しい法規制に対応するため」の活動なので、更新の対応になる。 |
問題4
PMBOKガイド第5版によれば、プロジェクトスコープマネジメントにおいて、WBSの作成に用いるローリングウェーブ計画法の説明はどれか。
ア | WBSを補完するため、WBS要素ごとに詳細な作業の内容などを記述する。 |
イ | 過去に実施したプロジェクトのWBSをテンプレートとして、新たなWBSを作成する。 |
ウ | 将来実施されるサブプロジェクトについては、上位レベルのWBSにとどめておき、詳細が明確になってから、要素分解して詳細なWBSを作成する。 |
エ | プロジェクトの作業をより詳細化するために、WBSの最下位レベルの作業内容や要素成果物を定義する。 |
解答:ウ
<解説>
ローリング・ウェーブ計画法とは、段階的詳細化による計画策定の一形態である。
プロジェクト・ライフサイクルにおいて、プロジェクト開始時点では、情報が限られていたり細部まで要件が明確になっていなかったりすることが多く、ワーク・パッケージ・レベルまで要素成果物や作業を分解することが難しいとされている。したがって、実際には開始当初はワーク・パッケージよりも上位の妥当なWBS要素レベルまでの分解に留め、機能仕様や基本設計が漸次明確になるのを待って下位レベルまで分解することになる。この方法に基づいて計画を詳細化することを、「ローリング・ウェーブ計画法」と呼ぶ。
ア | × | WBS辞書の説明である。 |
イ | × | WBSのテンプレートの説明である。 |
ウ | ○ | ローリング・ウェーブ計画法の説明である。 |
エ | × | ワークパッケージの説明である。 |
問題5
WBSの構成要素であるワークパッケージに関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | ワークパッケージは、OBS(組織ブレークダウンストラクチャ)チームに、担当する人員を割り当てたものである。 |
イ | ワークパッケージは、関連ある要素成果物をまとめたものである。 |
ウ | ワークパッケージは、更にアクティビティに分解される。 |
エ | ワークパッケージは、一つ上位の要素成果物と1対1に対応する。 |
解答:ウ
<解説>
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。WBSでは、プロジェクトの成果物をできるだけ細かい単位に分解し、階層的に構造化していく。
WBSの最下位レベルの作業が、ワークパッケージで必要に応じていくつかのマネジメントしやすい大きさのアクティビティに分解される。
ア | × | WBSのワークパッケージごとにOBS(組織ブレークダウンストラクチャ)を割当てる。 |
イ | × | ワークパッケージは、WBSで分解された最下位レベルにある要素成果物である。 要素成果物をまとめたものはさらに分解可能なので、ワークパッケージではない。 |
ウ | ○ | ワークパッケージをスケジュール管理しやすい単位にさらに細分化することをアクティビティという。 |
エ | × | WBSでは、上位から買いに向けて分解していくことになるので、上位との関係は1対多になる。 |
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