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- プロジェクトマネージャ 午前2
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平成29年度春季解答
問題6
表はRACIチャートを用いた、あるプロジェクトの責任分担マトリクスである。 設計アクティビティにおいて、説明責任をもつ要員は誰か。
ア | 阿部 |
イ | 伊藤と佐藤 |
ウ | 鈴木と田中 |
エ | 野村 |
解答:エ
<解説>
RACI図(RACIチャート)は、プロジェクトや何らかの工程をチームあるいは人々に役割分担させる際に使用される図の一種である。複数の組織が共同で行うプロジェクトなどで、役割分担を明確化するのに特に有効とされる。
RACI図は、タスクを4種類の参加者の責任型に分割する。また、プロジェクトや工程毎に各参加者には異なる役割が割り当てられる。この責任型の名称の頭字語が RACI である。
- Responsible(実行責任者) - タスク達成のために働く責任者。複数のリソースについて責任を持つことがある。
- Accountable(説明責任者) - タスクの正しい完了について外部からの問合せに対して責任を持って対応する。各タスクの窓口は1つでなければならない。
- Consulted(協業先) - 意見を求められる者。双方向の対話。
- Informed(報告先) - 進捗を常に把握している者。一方向の通信。
したがって、次のようになるので、野村が正解である。
問題7
チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば、メンバの異なる考え方や価値観が明確になり、メンバがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。
ア | 安定期(Norming) |
イ | 遂行期(Performing) |
ウ | 成立期(Forming) |
エ | 動乱期(Storming) |
解答:エ
<解説>
タックマンモデルとは、心理学者のタックマンが作成したモデルで、組織の進化を5つのフェーズに分けている。
組織のプロセス資産 | 内容 |
---|---|
成立期 (Forming) |
|
動乱期 (Storming) |
|
安定期 (Norming) |
|
遂行期 (Performing) |
|
散会期 (Adjourning) |
|
したがって、エが正解である。
問題8
工程管理図表の特徴に関する記述のうち、ガントチャートの特徴はどれか。
ア | 計画と実績の時間的推移を表現するのに適し、進み具合並びにその傾向がよく分かり、プロジェクト全体の費用と進捗の管理に利用される。 |
イ | 作業の順序や作業相互の関係を表現したり、重要作業を把握したりするのに適しており、プロジェクトの作業計画などに利用される。 |
ウ | 作業の相互関係の把握には適さないが、作業計画に対する実績を把握するのに適しており、個人やグループの進捗管理に利用される。 |
エ | 進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適しており、プロジェクト全体の進捗管理などに利用される。 |
解答:ウ
<解説>
ガントチャートは、プロジェクト管理や生産管理などで使われる工程管理図である。作業の日程について予定と実績を対比し、作業の進捗管理に使う。
ア | × | ガントチャートは通常プロジェクト全体の費用の管理には利用されない。 トレンドチャートやEVMの説明である。 |
イ | × | ガントチャートは、作業の順序や作業相互の関係を表現するのは適さない。 ADM,PDM,PART図の説明である。 |
ウ | ○ | ガントチャートとは、スケジュールや作業の進捗を管理する表のことであり、作業の相互関係の把握には適さないが、作業計画に対する実績を把握するのに適しており、個人やグループの進捗管理に利用される。 |
エ | × | 進捗管理上のマイルストーンを把握するのに適した工程管理図法は特にマイルストーンチャートという。 |
問題9
プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として、適切なものはどれか。
ア | クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強した。 |
イ | コストを削減するために、こでまで承認されていた残業を禁止した。 |
ウ | 仕様の確定が大幅に遅れたので、プロジェクトの完了予定日を延期した。 |
エ | 設計が終わったモジュールから順に並行してプログラム開発を実施するように、スケジュールを変更した。 |
解答:ア
<解説>
クラッシングとは、コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小の追加コストで最大の期間短縮を得る方法を決定するスケジュール短縮技法である。十分な検討の上での対応が必要となる。
PMBOKではクラッシングの例として次のものを挙げている。
- 残業の承認
- 資源の追加投入
- クリティカルパス上のアクティビティの迅速は引き渡しのための追加支出
ア | ○ | 「クリティカルパス上の遅れているアクティビティに人員を増強した」は資源の追加投入に該当する。 |
イ | × | コスト削減にはなるが、期間短縮ではない。 |
ウ | × | 納期を変更しているのだから、期間短縮とは無関係である。 |
エ | × | 作業を平行実施することでスケジュールを短縮しようとするのはファストトラッキングである。 |
問題10
四つのアクティビティA~Dによって実行する開発プロジェクトがある。 図は、各アクティビティの依存関係をPDM(プレシデンスダイアグラム)によって表している。 各アクティビティに実行に当たっては、専門チームの支援が必要である。 条件に従ってアクティビティを実行するとき、開発プロジェクトの最小の所要日数は何日か。
ア | 15 |
イ | 16 |
ウ | 17 |
エ | 18 |
解答:イ
<解説>
次のように16日になり最短となる。
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