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平成30年度春季解答
問題1
ISO 21500:2012(プロジェクトマネジメントの手引き(英和対訳版))によれば、プロジェクトマネジメントのプロセスグループのは、立ち上げ、計画、実行、コントロール及び終結の五つがある。 これらのうち、“変更要求”の申請を契機に相互に作用するプロセスグループの組はどれか。
ア | 計画、実行 |
イ | 実行、コントロール |
ウ | 実行、終結 |
エ | コントロール、終結 |
解答:イ
<解説>
ISO21500(ISO21500:2012)とは、2012年9月1日に正式発行されたプロジェクトマネジメントの国際標準である。
ISO21500では、5つのプロセスグループが存在する。
- 立ち上げ
- プロジェクト憲章の作成
- 計画
- プロジェクト計画の作成
- 実行
- プロジェクト作業の指揮
- コントロール
- プロジェクト作業のコントロール、変更のコントロール
- 終結
- プロジェクトの終結、学んだ教訓の収集
変更要求は、実行プロセスグループおよびコントロールプロセスグループからのアウトプットであり、それらの変更要求は全てコントロールプロセスグループのインプットとなる。
したがって、相互に作用するのは実行とコントロールになる。
問題2
プロジェクトマネジメントにおけるプロジェクト憲章の説明として、適切なものはどれか。
ア | 組織のビジョン、目標及びビジネスニーズとともに、プロジェクトが提供するプロダクト、サービス、又は所産の特定を明確にした文書 |
イ | どのようにプロジェクトを実施し、監視し、コントトールするかを定めるために、プロジェクトを実施するためのベースライン、並びにプロジェクトの実行、コントロール、及び終結する方法を明確にした文書 |
ウ | プロジェクトの最終状態を定義することによって、プロジェクトの目的、成果物、要求事項及び境界を含むプロジェクトスコープを明確にした文書 |
エ | プロジェクトを正式に承認する文書であり、プロジェクトマネージャを特定して適切な責任と権限を明確にし、ビジネスニーズ、目標、期待される結果などを明確にした文書 |
解答:エ
<解説>
プロジェクト憲章とは、プロジェクトを公式に認可することを目的とした文章である。プロジェクト憲章が承認されるとプロジェクトは公式に開始される。
PMBOKでは、プロジェクト憲章は次のように定義されている。
PMBOKガイドより
「プロジェクト憲章は、プロジェクトやフェーズを公式に認可する文章を作成し、ステークホルダーのニーズと期待を満足させる初期の要求事項を文章化するプロセスである。」
ア | × | プロジェクト作業範囲記述書の説明である。 |
イ | × | プロジェクトマネジメント計画書の説明である。 |
ウ | × | プロジェクトスコープ記述書の説明である。 |
エ | ○ | プロジェクト憲章の説明である。 |
問題3
PMBOKガイド第5版の統合変更管理プロセスにおいて、プロジェクトのプロダクト、サービス、所産、構成要素などに対する変更と実施状況を記録・報告したり、要求事項への適合性を検証するためのプロダクト、所産又は構成要素に対する監査を支援したりする活動はどれか。
ア | アーンド・バリュー・マネジメント |
イ | コンフィギュレーション・マネジメント |
ウ | コンフリクト・マネジメント |
エ | ポートフォリオマネジメント |
解答:イ
<解説>
ア | × | アーンド・バリュー・マネジメントとは、予算および予定の観点からプロジェクトがどのように遂行されつつあるかを定量的に評価するプロジェクト管理の技法である。 |
イ | ○ | コンフィギュレーション・マネジメントとは、システムのライフサイクルにわたる範囲、性能、機能的および物理的要件、設計、操作に関する情報などを確立し維持する作業またはプロセスである。 |
ウ | × | コンフリクト・マネジメントとは、プロジェクトで発生する衝突や対立に対して、適切に対処し解消することで、組織内のコミュニケーションや人間関係を強固にしていくマネジメントのことである。 |
エ | × | ポートフォリオマネジメントとは、経営資源を最適に配分することを目的としたマネジメント手法である。 |
問題4
プロジェクトマネジメントで使用する責任分担表(RAM)の一つである、RACIチャートで示す4種類の役割及び責任の組合せのうち、適切なものはどれか。
ア | 実効責任、情報提供、説明責任、相談対応 |
イ | 実効責任、情報提供、説明責任、リスク管理 |
ウ | 実効責任、情報提供、相談対応、リスク管理 |
エ | 実効責任、説明責任、相談対応、リスク管理 |
解答:ア
<解説>
RACIチャート/RACI図とは、PMBOKの用語であり、下記の頭文字であり、チーム・メンバーの役割と責任を表す図のことである。
- Responsible:実行責任
- タスクを実行することに責任を持つ
- Accountable:説明責任
- 顧客や社内のトップマネジメント(経営陣)など、誰かから聞かれたら、タスクの進捗や状況(結果)がどのようになっているかを説明することに責任を持つ
- Consult:相談対応
- タスク実行を支援するアドバイスなどを行う
- Inform:情報提供
- タスクの進捗や状況(結果)についての連絡や報告を受ける
上記の4つが記述されているのは、アである。
問題5
ISO 21500:2012(プロジェクトマネジメントの手引き(英和対訳版))によれば、資源サブジェクトグループのプロセスの目的のうち、資源のコントロールプロセスのものはどれか。
ア | アクティビティリストのアクティビティごとに必要な資源を決定する。 |
イ | 継続的にプロジェクトチームメンバのパフォーマンス及び相互関係を改善する。 |
ウ | プロジェクト作業の実施に必要な資源を確保し、プロジェクト要求事項を満たせるように資源を配分する。 |
エ | プロジェクトの完遂に必要な人的資源を得る。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 資源の見積りプロセスのものである。 |
イ | × | プロジェクトチームの開発プロセスのものである。 |
ウ | ○ | 資源のコントロールプロセスのものである。 |
エ | × | プロジェクトチームの編成プロセスのものである。 |
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