必ず受かる情報処理技術者試験

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平成30年度春季解答

問題6

図1に示すプロジェクト活動について、作業Cの終了がこの計画から2日遅れたので、このままでは当初に計画した総所要日数で終了できなくなった。

作業を見直したところ、作業Iは作業Gの全てが完了していなくても開始できることが分かったので、ファストトラッキングを適用して、図2に示すように計画を変更した。

この計画変更によって、変更後の総所要日数はどのように変化するか。

当初計画から4日減少する。
当初計画から2日減少する。
当初計画から1日増加する。
当初計画から2日増加する。

解答:ウ

<解説>

当初に計画した所要日数はクリティカルパスの「A→C→G→I→J」の33日である。

計画を変更すると、次のようにクリティカルパスは「A→C→F→H→J」となり所要日数も34日となる。

したがって、34日から33日となり1日増加することになる。

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問題7

過去のプロジェクトの開発実績から構築した作業配分モデルがある。 システム要件定義からシステム内部開発までをモデルどおりに進め、228日で完了してプログラム開発を開始した。 現在、200本のプログラムのうち100本のプログラム開発を完了し、残りの100本は未着手の状況である。 プログラム開発以降もモデルどおりに進捗すると仮定するとき、プロジェクト全体の完了まであと何日掛かるか。 ここで、プログラムの開発に係る工数及び期間は、全てのプログラムで同一であるものとする。

140
150
161
172

解答:イ

<解説>

  1. プロジェクト全体の予定日数を計算する。
    要件定義からシステム内部設計までを,228 日で完了したとしているので,
    要求定義(0.25)+システム外部設計(0.21)+システム内部設計(0.11)= 0.57 を 228 日で完了している。
    したがって,プロジェクト全体の予定日数は,228 ÷ 0.57 = 400 日である。
  2. プログラム開発の進捗率を計算する。
    200 本が全体のプログラム本数である。100 本が完成し,残り 100 本が未着手なので,プログラム開発の進捗率は半分である。
    これを期間比に換算すると,0.11÷2= 0.055 である。
  3. プロジェクト全体の完了までに必要な日数を計算する。
    残りの工程の期間比は,残りのプログラム開発(0.055)+結合テスト (0.11)+システムテスト(0.21)= 0.375 である。
    つまり,残り日数は 0.375 × 400 = 150 日 である。

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問題8

COCOMOにはシステム開発の工数を見積もる式の一つに

  開発工数 = 3.0×(開発規模)1.12

がある。

開発規模と開発生産性(開発規模/開発工数)の関係を表したグラフはどれか。ここで、開発工数は人月、開発規模の単位はキロ行である。

解答:エ

<解説>

COCOMO(COnstructive COst MOdel)とは、ソフトウェアの開発規模(開発するプログラムの行数)をベースに、各工程の難易度やエンジニアの能力などいくつかの補正係数を掛け合わせて、開発工数(人月)を見積もる手法。

  1. 開発規模が大きくなるとMM=3.0×(KDSI)1.12の式より、開発規模を1.12乗してさらに3倍した分だけ、MMが大きくなる。
  2. したがって、開発規模(KDSI)が大きくなるほど開発生産性(KDSI/MM)は分子の大きくなる度合よりも分母の大きくなる度合の方が大きくなり結果として小さくなる。
    ⇒反比例の関係
× 開発規模が大きくなるほど、上位工程に誤りがあった場合などの手戻りが大きくなる。よって開発生産性は低くなる。
× 開発規模が大きくなるほど、上位工程に誤りがあった場合などの手戻りが大きくなる。よって開発生産性は低くなる。
× 開発規模(X軸)が0やマイナスになることはありえない。
開発規模が大きくなるほど、開発生産性は低くなる。

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問題9

プロジェクトにどのツールを導入するかを、EMV(期待金額価値)を用いて検討する。 デシジョンツリーが次の図のとき、ツールAを導入するEMVがツールBを導入するEMVを上回るのは、Xが幾らより大きい場合か。

120
150
200
240

解答:ウ

<解説>

EMVに関する問題。EMVでは,次のような計算式で期待金額価値を求めて,定量的に効果を比較し評価する。

期待金額価値=効果額×発生確率

これを基本に,この問題のようにデシジョンツリーと組み合わせてEMVを算出する場合,下記のような計算式になる。

ツールAを導入するEMV=Σ(効果額×発生確率−)120万円(かかった費用)

ツールBを導入するEMV=Σ(効果額×発生確率−)60万円(かかった費用)

上記の計算式に,それぞれを当てはめて計算すると次のようになる。

ツールAを導入するEMV =(X万円×60%+90万円×40%)-120万円=0.6X+36−120=0.6X−84

ツールBを導入するEMV =(120万円×60%+60万円×40%)−60万円=72+24−60=36

ツールAを導入するEMVがツールBのそれを上回る場合は次のようになる。

0.6X−84 >36

0.6X >120

X >200

したがって、ウが正解である。

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問題10

PMBOKガイド第5版のプロジェクト・リスク・マネジメントにおけるリスク対応戦略の適用に関する記述のうち、適切なものはどれか。

強化は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。
共有は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。
受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。
転嫁は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。

解答:ウ

<解説>

リスクマネジメントとは、プロジェクトのリスクを識別し、分析し、リスクに対応するための系統的なプロセスで、プロジェクトの目標に対してプラスに働く事象(プラスのリスク)には、それが起こる確率とその発生結果が最大となるように、マイナスに働く事象(マイナスのリスク)については、逆に最小となるようにすることである。

マイナスのリスク及びプラスのリスクに対する戦略にはそれぞれ4種類ある。

■マイナスのリスク

回避
リスクを避けるためプロジェクトマネジメント計画を変更する。
転嫁
脅威への対応を取る責任と共に脅威によるマイナスの影響の一部または全部を第三者に移転する。
軽減
発生確率と発生結果のいずれかあるいは両方を受容可能な限界値まで減らす。
受容
回避,転嫁,軽減などの対応策を実勢せず、リスクの存在をそのまま受け入れる。

■プラスのリスク

活用
好機が確実に到来するため、何らかの策を講じる。
共有
好機をとらえる能力の最も高い第三者に好機を実行する権限を移転する。
強化
好機の発生確率やプラスの影響を増加させるための策を講じる。
受容
積極的に利益は追求しないが、好機の実現時に利益を享受する。
× 強化は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。
× 共有は、プラスのリスクに対して使用される戦略である。
受容は、プラスのリスクとマイナスのリスクのどちらにも使用される戦略である。
× 転嫁は、マイナスのリスクに対して使用される戦略である。

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