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平成30年度春季解答
問題11
PMBOKガイド第5版によれば、プロジェクト・リスク・マネジメントでは、定性的リスク分析でリスクの優先順位を設定し、定量的リスク分析でリスクがプロジェクト目標全体に与える影響を数量的に分析する。 定性的リスク分析で使用されるものはどれか。
ア | 感度分析 |
イ | 期待金額価値分析 |
ウ | デシジョンツリー分析 |
エ | 発生確率・影響度マトリックス |
解答:エ
<解説>
具体的なリスク分析の方法には、定性的リスク分析と、定量的リスク分析があります。
- 定性的リスク分析
- 「リスクの発生確率と影響度を評価し、組み合わせ、この後の分析や対処のためにリスクの優先順位付けを行なう」こと。
つまり、リスクには大小があるので、相対的にランキングをつけて優先すべきリスクとそうでないリスクを分ける。 - 定量的リスク分析
- 「識別したリスクがプロジェクト目標の全体に対して与える影響を数値的に分析する」こと。
定性的分析で優先度が識別されたリスクに対して、それぞれがどれくらい重要なのかを今度は認識しやすいように数値で表し分析する。つまり各リスクの対応にどの程度のリソース(金額・時間・人材など)が必要となるのかを判断し、この分析をもとに優先順位をつけて対策を立てていく。
ア | × | 定量的リスク分析で使用される。 |
イ | × | 定量的リスク分析で使用される。 |
ウ | × | 定量的リスク分析で使用される。 |
エ | ○ | 定性的リスク分析で使用される。 |
問題12
システム開発のプロジェクトにおいて、リスク識別を効率よく行うための手段として、“JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求および評価(SQuaRE)-システム及びソフトウェア品質モデル)”が規定する利用時の品質特性を用いてソフトウェアの品質に関するリスクを分析することにした。 “満足度”に対するリスクとして分類される、リスクとその評価の事例はどれか。
ア | システムが稼働する環境に依存した機能を使用しているので、現在の稼働環境とは異なる環境のプラットフォームに展開できず、柔軟でないと評価される。 |
イ | 操作に習熟していない利用者が、誤った使い方をした時の対処法が分からずに困惑し、快適でないと評価される。 |
ウ | ソフトウェアパッケージを導入した際に、消耗品が多く必要となって、コストが膨らみ、効率的でないと評価される。 |
エ | 導入したソフトウェアパッケージの目新しさだけが目立ち、業務の一部を手作業で補完しなければならず、有効でないと評価される。 |
解答:イ
<解説>
利用時の品質特性では、有効性(有効性)、効率性(効率性)、満足性(実用性、 信用性、快感性、快適性)、リスク回避性(経済リスク 緩和性、健康・安全リスク緩和性、環境リスク緩和性)、利用状況網羅性(利用状況安全性、柔軟性) と定められている。
※
()内はそれぞれの副特性
- 有効性
- 明示された目標を利用者が達成する上での正確さおよび完全さの度合い
- 効率性
- 利用者が特定の目標を達成するための正確さおよび完全さに関連して、使用した資源の度合い
- 満足性(満足度)
- 製品またはシステムが明示された利用状況において使用されるとき、利用者ニーズが満足される度合い
- リスク回避性
- 製品またはシステムが、経済状況、人間の生活または環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い
- 利用状況網羅性
- 明示された利用状況および当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において、有効性、効率性、リスク回避性および満足性を伴って製品またはシステムが使用できる度合い
ア | × | 利用状況網羅性の柔軟性に関する説明である。 |
イ | ○ | 満足度の快適性に関する説明である。 |
ウ | × | 効率性に関する説明である。 |
エ | × | 有効性に関する説明である。 |
問題13
プロジェクトで発生している品質問題を解決するにあたって、図を作成して原因の傾向を分析したところ、発生した問題の80%以上が少数の原因で占められていることが判明した。 作成した図はどれか。
ア | 管理図 |
イ | 散布図 |
ウ | 特性要因図 |
エ | パレート図 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 管理図とは、品質や製造工程が安定な状況で管理されている状態にあることを判断するために使用するグラフのことである。 |
イ | × | 散布図とは、縦軸・横軸に観察されたデータをプロットしたもの。これによって相関関係があるかどうかを調べることができる。 |
ウ | × | 特性要因図とは、特性(製品の性能や機能を云う)と、それに影響を及ぼすと思われる要因 (特性に影響を与える原因となりうること)との関連を系統的に網羅して図解したものである。 |
エ | ○ | パレート図とは、データ項目の数値が大きいものから順に並べた棒グラフと、累計百分率の折れ線グラフから構成される図のことである。寄与度や影響度合いが表現でき,原因や問題点の絞り込み,効果の確認など,重点指向をしたいときに使う。 |
問題14
PMBOKガイド第5版によれば、プロジェクト品質マネジメントは、品質マネジメント計画、品質保証、品質コントロールの三つのプロセスで構成されている。 品質マネジメント計画プロセスのアウトプットであって、品質保証プロセス及び品質コントロール・プロセスのインプットになるものはどれか。
ア | 検証済み成果物 |
イ | 妥当性確認済み変更 |
ウ | 品質尺度 |
エ | 変更要求 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 検証済み成果物は、品質コントロールプロセスのアウトプットである。 |
イ | × | 妥当性確認済み変更は、品質コントロールプロセスのアウトプットである。 |
ウ | ○ | 品質尺度とは、品質管理をすべき対象がどのようなものであり、どのように品質を測定するのかといった運用基準を定義したものである。 品質マネジメント計画でアウトプット(決定)し、品質コントロール、品質保証がインプット(使用)するものである。 |
エ | × | 変更要求は、品質保障プロセスのアウトプットである。 |
問題15
PMBOKガイド第5版によれば、プロジェクト調達マネジメントにおける調達作業範囲記述書に記載すべき項目はどれか。
ア | プロジェクト完了後の調達品の運用サポートの内容 |
イ | プロジェクト全体のWBS |
ウ | プロジェクト全体の予算 |
エ | プロジェクトのリスク |
解答:ア
<解説>
調達作業範囲記述書とは、個々の調達のための作業範囲記述書であり。購入候補がプロダクト,サービスあるいは所産を供給する能力があるかどうかを判断できるよう適度なレベルで詳細にわたって調達品目に関する事項を記述した文書である。
ア | ○ | 調達作業範囲記述書に記載すべき項目である。 |
イ | × | プロジェクト全体の話になっているので、誤りである。 |
ウ | × | プロジェクト全体の話になっているので、誤りである。 |
エ | × | プロジェクト全体の話になっているので、誤りである。 |
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