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令和3年度秋季解答
問題6
プロジェクトマネジメントにおけるクラッシングの例として,適切なものはどれか。
ア | クリティカルパス上のアクティビティの開始が遅れたので,ここに人的資源を追加した。 |
イ | コストを削減するために,これまで承認されていた残業を禁止した。 |
ウ | 仕様の確定が大幅に遅れたので,プロジェクトの完了予定日を延期した。 |
エ | 設計が終わったモジュールから順にプログラム開発を実施するように,スケジュールを変更した。 |
解答:ア
<解説>
クラッシングとはプロジェクトに資源を追加し、必要になるコストを最小限に抑えながらスケジュールを短縮することです。 プロジェクトの進行が芳しくない場合の対策としてクラッシングを行います。
ア | 〇 | プロジェクトの途中で、ヒト・モノ・カネなどの新しいリソースを注ぎ込み、日程が終了するまでの時間を削減する手法がクラッシングである。 |
イ | × | コスト削減をしているだけなので改善である。 |
ウ | × | スケジュール短縮とは関係がない |
エ | × | ファストラッキングの説明である。 ファストラッキングとは、順序性のある複数の工程を同時進行させて最終的な期限を守る手法である。 |
問題7
プロジェクトのスケジュール管理で使用する"クリティカルチェーン法"の実施例はどれか。
ア | 限りある資源とプロジェクトの不確実性に対応するために,合流バッファとプロジェクトバッファを設ける。 |
イ | クリティカルパス上の作業に,生産性を向上させるための開発ツールを導入する。 |
ウ | クリティカルパス上の作業に,要員を追加投入する。 |
エ | クリティカルパス上の先行作業が終了する前に後続作業に着手し,並行して実施する。 |
解答:ア
<解説>
クリティカルチェーン法は,エリヤフ·ゴールドラットが提唱した作業の前後関係や依存関係を考慮して作成したスケジュールネットワーク図(ADMやPDMなど)に,人や設備などのリソースの確保状況(制約) を加味して,最もクリティカルな工程を重点的に管理していこうとするプロジェクト管理手法である。
ア | 〇 | クリティカルチェーン法では,不確定要素(リスク)をマネジメントするために所要期間バッファを設ける。そのひとつは“合流バッファ”というものでクリティカルパスではないプロセスが,クリティカルパスに合流する部分に持たせるバッファを意味する。また,クリティカルチェーンの最後に置かれるバッファをプロジェクトバッファという。 |
イ | × | 作業期間を短縮するための技法になるクラッシングの説明である。 クラッシングとは、プロジェクトの途中で、ヒト・モノ・カネなどの新しいリソースを注ぎ込み、日程が終了するまでの時間を削減する手法である。 |
ウ | × | 作業期間を短縮するための技法になるクラッシングの説明である。 クラッシングとは、プロジェクトの途中で、ヒト・モノ・カネなどの新しいリソースを注ぎ込み、日程が終了するまでの時間を削減する手法である。 |
エ | × | 作業期間を短縮するための技法になるファストトラッキングの説明である。 ファストトラッキングとは、順番通りに行うタスクを同時並行で進めることでスケジュールを短縮する手法である。 |
問題8
あるプロジェクトは4月から9月までの6か月間で開発を進めており,現在のメンバ全員が9月末まで作業すれば完了する見込みである。しかし,他のプロジェクトで発生した緊急の案件に対応するために,8月初めから,4人のメンバがプロジェクトから外れることになった。9月末に予定どおり開発を完了させるために,7月の半ばからメンバを増員する。条件に従うとき,人件費は何万円増加するか。
〔条件〕
ア | 200 |
イ | 250 |
ウ | 450 |
エ | 700 |
解答:ウ
<解説>
- 引継ぎに必要な工数を計算する
元のメンバ:4(人)×0.5(カ月)=2(人月) - 増員するメンバの必要人数については,元のメンバ4人相当に加えて,引継ぎ期間における元のメンバの工数(2人月)を8月,9月の2カ月で補填する必要があることから,1名の増員が必要となり,5人となる。
引継ぎ期間の工数は5(人)×0.5(ヶ月)= 2.5(人月) - 引継ぎ期間に起因する工数増は,元のメンバと増員するメンバを合わせる
2(人月)+ 2.5(人月)= 4.5(人月) - 人件費単価100万円を掛ける
4.5(人月)×100(万円) - コスト増は450万円となる。したがって,(ウ)が正解である。
問題9
ソフトウェアの規模の見積り方法のうち,利用者機能要件と機能プロセスに着目して,機能プロセスごとに①〜③の手順で見積りを行うものはどれか。
① データ移動を型として識別し,エントリ,エグジット,読込み及び書込みの4種類に分類する。
② データ移動の型ごとに,その個数に単位規模を乗じる。
③ ②で得た型ごとの値の合計を,機能プロセスの機能規模とする。
ア | COCOMO |
イ | COSMIC法 |
ウ | 積み上げ法 |
エ | 類推法 |
解答:イ
<解説>
ア | × | COCOMOとは開発に必要とする段階の数、各工程の難易度、あるいはチームの開発能力などを補正係数として掛け合わせて、工程数や人員を見積もる手法である。 |
イ | ○ | COSMIC法とは、 ファンクションポイント法のひとつで,JIS X 0143:2013(ISO/IEC 19761:2011) 「ソフトウェア技術-COSMIC機能規模測定手法」として標準化されている技法。元々は組み込み用のソフトウェアの規模を測るための方法として提案されたも のだが、ビジネスアプリケーションの規模測定にも利用できる。 その特徴は,利用者や外部システムなどとシステムの間のデータ移動(エントリ, エグジット)と,ストレージとシステムの間のデータ移動(読込み,書込み)の数 に焦点を当てカウントしているところになる。 |
ウ | × | 積み上げ法とは、開発すべき成果物(ソースコードやドキュメント等)を要素に分解し、それぞれの要素に必要な工数を積みあげて見積もる手法である。 |
エ | × | 類推法とは、,過去に経験した類似のシステムについてのデータを基にして、システムの相違点を調べ、同じ部分については過去のデータを使い、異なった部分については経験から難度と規模を推定して工数を見積もる手法である。 |
問題10
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロセス"リスクの特定"及びプロセス"リスクの評価"は,どのプロセス群に属するか。
ア | 管理 |
イ | 計画 |
ウ | 実行 |
エ | 終結 |
解答:イ
<解説>
ア | × | "リスクの管理"が管理プロセスに属する |
イ | ○ | "リスクの特定"及び"リスクの評価"は計画プロセスに属する |
ウ | × | "リスク辺対応"が実行プロセスに属する |
エ | × | 終結プロセスに属するリスクマネジメントは存在しない |
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