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令和3年度秋季解答
問題11
どのリスクがプロジェクトに対して最も影響が大きいかを判断するのに役立つ定量的リスク分析とモデル化の技法として,感度分析がある。感度分析の結果を示した次の図を何と呼ぶか。

ア | 確率分布 |
イ | デシジョンツリーダイアグラム |
ウ | トルネード図 |
エ | リスクブレークダウンストラクチャ |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 確率分布とは、横軸に確率変数をとり、縦軸に各々の確率の値をとるグラフになる。![]() |
イ | × | デシジョンツリーダイアグラムとは、ある目標やゴールに向かう上でとりうる選択肢を洗い出し、それぞれを評価・比較するために用いるフレームワークです。 |
ウ | 〇 | 感度分析とは,複数あるリスクのうち,どのリスクがプロジェクトに与える影響が最も大きいか(あくまでもリスクなので,その可能性)を見る分析手法になる。具体的には,複数あるリスクの一つを取り上げ、そのリスクが顕在化したと
き,あるいは変動したときに結果がどうなるのかを算出する。 感度分析の代表的な 表示方法に,スパイダーチャートとトルネードチャートがある。 このうち,図はトルネードチャートになる。トル ネード図は,図のように個々のリスクに対して変動幅や計算された相関係数を求め,それが大きいもの順に並べる。これが典型的なトルネード(竜巻) のように見えることから,その名称になった。 |
エ | × | リスクブレークダウンストラクチャとは、典型的なプロジェクトで発生する恐れのあるリスクの区分とその下位区分を示す図である。 |
問題12
プロジェクトマネジメントで使用する分析技法のうち,傾向分析の説明はどれか。
ア | 個々の選択肢とそれぞれを選択した場合に想定されるシナリオの関係を図に表し,それぞれのシナリオにおける期待値を計算して,最善の策を選択する。 |
イ | 個々のリスクが現実のものとなったときの,プロジェクトの目標に与える影響の度合いを調べる。 |
ウ | 時間の経過に伴うプロジェクトのパフォーマンスの変動を分析する。 |
エ | 発生した障害とその要因の関係を魚の骨のような図にして分析する。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 定量的リスク分析におけるデシジョンツリーの説明である。 「期待値を計算して」という記述から,期待金額価値分析(EMV:ExpectedMonetary Value)の説明になる。設問の「シナリオの関係を図に」というのはデシジョンツリーを使うことが多い。 |
イ | × | 定量的リスク分析における感度分析の説明である。 |
ウ | 〇 | 傾向分析の説明である。 傾向分析は,数学的モデルを用いて,過去の結果に基づいて将来を予測する分析技法である。時間の経過に伴うプロジェクトのパフォーマンスの変動の分析に使用する。 |
エ | × | 魚の骨のような図という記述から,QC7つ道具の特性要因図(フィッシュボーンチャート)の説明である。特性要因図(フィッシュボーンチャート)は主に品質管理などに使用する。 |
問題13
新しく編成するプロジェクトチームの開発要員投入計画に基づいてPCをレンタルで調達する。調達の条件を満たすレンタル費用の最低金額は何千円か。

ア | 350 |
イ | 470 |
ウ | 480 |
エ | 500 |
解答:イ
<解説>
全ての開発要員が1人1台のPCを使用するため,開発要員がプロジェクトの作業に必要なPCの述べ台数(台月)は工数である70(人月)と等しい。
また,PCのセットアップに2週間,返却時のデータ消去に1週間要するということであるが,PCのレンタルは1か月単位なので,PCの利用を開始する前の1か月,
PCの利用が終了した次の1か月,プラスでレンタル契約を行う必要がある。つまり,PCの増減が発生するときには,プラス1か月を加算しなければならない。
(例えば,2月に2台必要になるので,1月に2台分の契約が追加となる。9月で7台利用終了するので,10月に7台分の返却が発生する)
ただし,8月については,前後の月(7月と9月)にそれぞれ11台必要なのに8月だけ9台しか必要ではなくなる。
このとき,7月をもって2台を返却し,9月から2台追加すると追加,返却にともない4(台月)の契約が追加となる。それよりも8月は,利用者はいないが2台分の契約をそのままにしておけば,工数にプラスしなければならない述べPC台数は2(台月)で済む。
したがって,8月だけ台数は据え置き(2台分追加),それ以外は要員が増える前,要員が減るときに増減要員数分をプラスすると, 24(台月)プラスする必要があることになる。つまり,契約としては 70(台月)+24(台月)=94(台月)必要となる。PC1台のレンタル料は5千円なので,調達の条件を満たすレンタル費用の最低金額は,94(台月)×5(千円)=470(千円)となる。したがって,正解はイである。
問題14
JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロセス"コミュニケーションのマネジメント"の目的はどれか。
ア | チームのパフォーマンスを最大限に引き上げ,フィードバックを提供し,課題を解決し,コミュニケーションを促し,変更を調整して,プロジェクトの成功を達成すること |
イ | プロジェクトのステークホルダのコミュニケーションのニーズを確実に満足し,コミュニケーションの課題が発生したときにそれを解決すること |
ウ | プロジェクトのステークホルダの情報及びコミュニケーションのニーズを決定すること |
エ | プロセス"コミュニケーションの計画"で定めたように,プロジェクトのステークホルダに対し要求した情報を利用可能にすること及び情報に対する予期せぬ具体的な要求に対応すること |
解答:イ
<解説>
ア | × | チームのパフォーマンスを最大限に引き上げるのは、「プロジェクトチームのマネジメント」の目的である。 |
イ | 〇 | 「コミュニケーションのマネジメントの目的は,プロジェクトのステークホルダのコミュニケーションのニーズを確実に満足し,コミュニケーションの課題が発生したときにそれを解決することである」と定められている。 |
ウ | × | コミュニケーションのニーズを決定することは、「コミュニケーションの計画」の目的である。 |
エ | × | プロジェクトのステークホルダに対し要求した情報を利用可能にすることは、「情報の配布」の目的である。 |
問題15
オブジェクト指向開発におけるロバストネス分析で行うことはどれか。
ア | オブジェクトの確定,構造の定義,サブジェクトの定義,属性の定義,及びサービスの定義という五つの作業項目を並行して実施する。 |
イ | オブジェクトモデル,動的モデル,機能モデルという三つのモデルをこの順に作成して図に表す。 |
ウ | ユースケースから抽出したクラスを,バウンダリクラス,コントロールクラス,エンティティクラスの三つに分類し,クラス間の関連を定義して図に表す。 |
エ | 論理的な観点,物理的な観点,及び動的な観点の三つの観点で仕様の作成を行う。 |
解答:ウ
<解説>
ア | OOA(オブジェクト指向分析)の説明である。 |
イ | OMT(オブジェクトモデル化技法 )の説明である。 |
ウ | ロバストネス分析の説明である。 |
エ | UMLの説明である。 |
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