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令和4年度秋季解答

問題1

JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)によれば,プロジェクトマネジメントのプロセス群には,立ち上げ,計画, 実行,管理及び終結がある。これらのうち,"変更要求"の提出を契機に相互作用するプロセス群の組み合わせはどれか。

計画,実行
実行,管理
実行,終結
管理,終結

解答:イ

<解説>

JIS Q 21500:2018 に関する問題。ここで問われている「変更要求」は,“実行”プロセス群及び“管理”プロセス群からのアウトプットであり,それらの変更要求は全て“管理”プロセス群の“変更の管理”プロセスのインプットになる。

したがって,相互に作用するのは,選択肢イの“実行”と“管理”になる。

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問題2

プロジェクトマネジメントにおけるプロジェクト憲章の説明として,適切なものはどれか。

組織のニーズ,目標ベネフィットなどを記述することによって,プロジェクトの目標について,またプロジェクトがどのように事業目的に貢献するかについて明確にした文書
どのようにプロジェクトを実施し,監視し,管理するのかを定めるために,プロジェクトを実施するためのベースライン,並びにプロジェクトの実行,管理,及び終結する方法を明確にした文書
プロジェクトの最終状態を定義することによって,プロジェクトの目標,成果物,要求事項及び境界を含むプロジェクトスコープを明確にした文書
プロジェクトを正式に許可する文書であって,プロジェクトマネージャを特定して適切な責任と権限を明確にし,ビジネスニーズ,目標,期待される結果などを明確にした文書

解答:エ

<解説>

プロジェクト憲章とは、プロジェクトを公式に認可することを目的とした文章である。プロジェクト憲章が承認されるとプロジェクトは公式に開始される。

PMBOKでは、プロジェクト憲章は次のように定義されている。

PMBOKガイドより

「プロジェクト憲章は、プロジェクトやフェーズを公式に認可する文章を作成し、ステークホルダーのニーズと期待を満足させる初期の要求事項を文章化するプロセスである。」

× ビジネスケース及びベネフィット・マネジメント計画書などのビジネス文書の説明である。
プロジェクト憲章の作成プロセスのインプットになる。
× プロジェクトマネジメント計画書の説明である。
× プロジェクトスコープ記述書の説明である。
プロジェクト憲章の説明である。

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問題3

JIS Q 21500:2018(プロジェクトマネジメントの手引)において,管理のプロセス群を構成するプロセスのうち,WBSが主要なインプットの一つとして示されているものはどれか。

スコープの管理
品質管理の遂行
変更の管理
リスクの管理

解答:ア

<解説>

「スコープの管理」プロセスは,「管理」のプロセス群であり,WBSが主要なインプットの一つになっている。主要なインプットは,ほかに進捗データ,スコープ規定書,活動リストがある。「スコープの管理」も「WBS」も対象群は「スコープ」になることから,(JIS Q 21500:2018に関する知識が無くて)PMBOK 第6版の知識だけでも正解にたどり着けるだろう。
× 「品質管理の遂行」プロセスは,対象群が「品質」で,プロセス群は「管理」になる。主要なインプットは,進捗データ,成果物,品質計画になる。
× 「変更の管理」プロセスは,対象群が「統合」で,プロセス群は「管理」になる。主要なインプットは,プロジェクト計画,変更要求になる。
× 「リスクの管理」プロセスは,対象群が「リスク」で,プロセス群は「管理」になる。主要なインプットは,リスク登録簿,進捗データ,プロジェクト計画,リスク応答になる。

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問題4

プロジェクトマネジメントで使用する責任分担マトリックス(RAM)の一つに,RACIチャートがある。RACIチャートで示す四つの"役割又は責任"の組合せのうち,適切なものはどれか。

実行責任,情報提供,説明責任,相談対応
実行責任,情報提供,説明責任,リスク管理
実行責任,情報提供,相談対応,リスク管理
実行責任,説明責任,相談対応,リスク管理

解答:ア

<解説>

RACIチャート/RACI図とは、PMBOKの用語であり、下記の頭文字であり、チーム・メンバーの役割と責任を表す図のことである。

  • Responsible:実行責任
  • Accountable:説明責任
  • Consult:相談対応
  • Inform:情報提供
  • この組み合わせは、アである。

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    問題5

    チームの発展段階を五つに区分したタックマンモデルによれば,メンバーの異なる考え方や価値観が明確になり,メンバーがそれぞれの意見を主張し合う段階はどれか。

    安定期(Norming)
    遂行期(Performing)
    成立期(Forming)
    動乱期(Storming)

    解答:エ

    <解説>

    タックマンモデルとは、心理学者のタックマンが作成したモデルで、組織の進化を5つのフェーズに分けている。

    組織のプロセス資産 内容
    成立期
    (Forming)
    • メンバーは自らの役割がまだはっきりと理解できておらず期待と不安が入り混じった状態
    • リーダーや人事などチームの人選を行った責任者などに、説明や指示を求めようとする
    動乱期
    (Storming)
    • 役割の意義を理解した個人が、それぞれ自分のやり方で課題に向かって動き始める
    • メンバー同士で仕事や価値観をめぐる個人的な衝突が起こるようになる
    • チーム内のヒエラルキーを気にする動きが出る
    安定期
    (Norming)
    • チームの課題に対するオープンな意見交換が行われる
    • 目標達成に向けての効果的なステップや各人の役割分担をメンバーで検討するようになる
    • メンバーがお互い(の違い)を認め合うようになる
    • その上でチームの一員でいたいと望むようになってくる
    遂行期
    (Performing)
    • チーム一丸となり目標達成に向けて集中
    • メンバーは共通の目的意識を持っている
    • 効果的にコミュニケーションを取ることができている
    • 成果に向けて効率的かつ柔軟に動くことができている
    • リソースが効果的に配分されている
    • それぞれの仕事が最終目標に向けて順調に進んでいく
    • この段階にくると、チームは課題を解決し、成果を生み出せるようになる
    散会期
    (Adjourning)
    • チームが結成当初の目標を達成したり、諸事情により事態が変わったりすることなどで、チームとしての一体感やメンバーの関係性に変化が生じる

    したがって、エが正解である。

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