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平成25年度秋季解答
問題11
図は,テスト項目消化件数Xにおいて,目標のバグ累積件数に到達したことを示す。 この図の状況の説明として,適切なものはどれか。
ア | テスト工程が順調に終了したことを示す。 |
イ | テスト前段階での机上チェックやシミュレーションが十分されていることを示す。 |
ウ | まだ多くのバグが内在している可能性があることを示す。 |
エ | 目標のバグ累積件数が達成されたので,出荷してもよいことを示す。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | テスト工程が順調に終了する場合は、曲線はS字カーブになる。 |
イ | × | 曲線が収束せず、成長しているので、テスト前段階での机上チェックやシミュレーションが十分されていなかったと考えらえる。 |
ウ | ○ | 曲線が収束せず成長しているので、多くのバグが内在している可能性がある。 |
エ | × | 目標のバグ累積件数が達成されても、出荷してもよいわけではない。 |
問題12
全国に分散しているシステムの保守に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア | 故障発生時に遠隔保守を実施することによって駆付け時問が不要になり,MTBFは長くなる, |
イ | 故障発生時に行う臨時保守によって,MTBFは長くなる。 |
ウ | 保守センタを1か所集中から分散配置に変えて駆付け時間を短縮することによって,MTTRは短くなる。 |
エ | 予防保守を実施することによって,MTTRは短くなる。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 故障発生時に遠隔保守を実施することによって駆付け時問が不要になり,MTTR(平均修復時問)は短くなる。MTBF(平均故障間隔)は変わらない。 |
イ | × | 故障発生時に行う臨時保守によって,MTTR(平均修復時問)は長くなる。 |
ウ | ○ | 保守センタを1か所集中から分散配置に変えて駆付け時間を短縮することによって,MTTR(平均修復時問)は短くなる。 |
エ | × | 予防保守を実施することによって障害が発生しにくくなります。すなわち,MTTR(平均修復時問)は長くなる。 |
問題13
銀行の勘定系システムなどのような特定の分野のシステムに対して,業務知識,再利用部品,ッールなどを体系的に整備し,再利用を促進することによって,ソフトウェア開発の効率向上を図る活動や手法はどれか。
ア | コンカレントエンジニアリング |
イ | ドメインエンジニアリング |
ウ | フォワードエンジニアリング |
エ | リパースエンジニアリング |
解答:イ
<解説>
ア | × | コンカレントエンジニアリングとは、製品の開発プロセスを構成する複数の工程を同時並行で進め、各部門間での情報共有や共同作業を行なうことで、開発期間の短縮やコストの削減を図る手法。 |
イ | ○ | ドメインエンジニアリングとは、共通の特徴(フィーチャ)を持つ同種アプリケーションを効率的に開発することを目的に、ドメイン知識やソフトウェア資産を整理して、これを共通利用・再利用する基盤や仕組みを構築すること。 |
ウ | × | フォワードエンジニアリングとは、製品などの仕様や構造を明らかにしたい時、その製品やプログラムなどを分析することで構造等を明らかにするリバースエンジニアリングを行うことがあるが、このリバースエンジニアリングによって既存システムから解析することで求められた仕様をもとにして、新しいシステムを開発すること |
エ | × | リパースエンジニアリングとは、製品などの仕様や構造を明らかにしたい時、その製品やプログラムなどを分析することで構造等を明らかにすることである。 |
問題14
BABOKでは,要求をビジネス要求,ステークホルダ要求,ソリューション要求及び移行要求の4種類に分類している。ソリューション要求の説明はどれか。
ア | 経営戦略や情報化戦略などから求められる要求であり,エンターブライズアナリシスの活動で定義している。 |
イ | 新システムへのデータ変換や要員教育などに関する要求であり,ソリューションのアセスメントと妥当性確認の活動で定義している。 |
ウ | 組織・業務・システムが実現すべき機能要求と非機能要求であり,要求アナリシスの活動で定義している。 |
エ | 利用部門や運用部門などから個別に発せられるニーズであり,要求アナリシスの活動で定義している。 |
解答:ウ
<解説>
BABOK(Business Analysis Body Of Knowledge:ビジネスアナリシス知識体系)とは、IIBA(International Institute of Business Analysis)が策定したビジネス分析の知識体系である。ビジネスアナリシス(BA)を行うために必要な活動(Task)や技術(Technique)などが体系立ててまとめられたものである。
ビジネスアナリシスの計画とモニタリング,引き出し,要求のマネジメントとコミュニケーション,エンタープライズアナリシス,要求アナリシス,ソリューションのアセスメントと妥当性確認,基礎コンピテンシの7つの知識エリアを説明している。
ア | × | ビジネス要求の説明である。 |
イ | × | 移行要求の説明である。 |
ウ | ○ | ソリューション要求の説明である。 |
エ | × | ステークホルダ要求の説明である。 |
問題15
IT投資案件Xの投資効果をNPVで評価する場合の算出式はどれか, IT投資案件X(割引率:2.5%)
解答:ウ
<解説>
NPV(Net Present Value:正味現在価値)は、将来の収入または支出をある割引率で複利計算し、現在の価値に換算した収入から支出を差し引いた金額である。
NPV は,複利利息の逆算であると理解すればよい。
たとえば,100 万円を 10 %の利率で金融機関に預けたとすれば,
- 1 年後には,100 万円+ 100 万円× 10 %= 110 万円になる
- 2 年後は,110 万円+ 110 万円× 10 %= 121 万円になる。
すなわち,利率が 10 %であれば,1 年後に 110 万円,2 年後に 121 万円 持っていることと,今 100 万円持っていること(現在価値という)は同じであると考えられる。
これを NPV の考え方で示せば,100 = 110 ÷ 1.1,100 = 121 ÷ 1.1 2 になる。 利率で割り戻すということなので、利率は割引率と表現される場合が多い。
本問の案件 X の割引率は 2.5 %なので,各年のキャッシュインを割引率 2.5 %で割り戻した金額(現在価値)をまとめると次のようになる。
キャッシュアウトの 200 は、0 年目に発生しているので、そのまま減算すればよい。
キャッシュアウトの- 200 と上表の各金額を合計する算出式は、ウである。
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