必ず受かる情報処理技術者試験

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平成24年度秋季解答

問題1

エンタープライズアーキテクチャ(EA)のビジネスアーキテクチャで機能情報関連図(DFD)を作成する目的はどれか。

業務・システムの機能と情報の流れを明確にする。
業務・システムの目的・機能、情報システムの管理・運用体制を明確にする。
情報システム間でやり取りされる情報の種類と方向を明確にする。
物理的なデータ構造を明確にする。

解答:ア

<解説>

DFDとは、システム間のデータの流れを、4つの記号を用いて示す図式化方式のことである。

データについて、発生・吸収・処理・蓄積という状態を、データの流れを示す矢印で繋いで作成する。データの発生源から出力先までを視覚的に表すことによって、データの流れが明確になる。これにより、業務の効率化ポイントを容易に発見することが可能になる等のメリットがある。

DFDを作成することで業務・システムの機能と情報の流れを明確にすることができる。
× DFDでは、情報システムの管理・運用体制を明確にすることはできない。
× DFDでは、情報システム間でやり取りされる情報の種類と方向を明確にすることはできない。
× DFDでは、物理的なデータ構造を明確にすることはできない。

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問題2

"システム管理基準"によれば、情報戦略の全体最適化計画策定において、実施すべきことはどれか。

開発、運用及び保守の費用の算出基礎を明確にする。
個別開発計画の優先順位及び順位付けのルールを明確にする。
情報システム部門及びユーザ部門の役割分担を明確にする。
ユーザニーズ調査の対象、範囲及び方法を明確にする。

解答:イ

<解説>

システム管理基準は、システム監査における監査人の判断基準と,組織が情報戦略を立案してリスクコントロールを適切に整備・運用するための指針を示したものである。経済産業省によって策定された。

×  II.企画業務 1.開発計画(6)に規定されている。
システム管理基準の「I.情報戦略」の「1.全体最適化」の「1.3 全体最適化計画の策定」では、次の注意事項が挙げられている。
(1)全体最適化計画は,方針及び目標に基づいていること。
(2)全体最適化計画は,コンプライアンスを考慮すること。
(3)全体最適化計画は,情報化投資の方針及び確保すべき経営資源を明 確にすること。
(4)全体最適化計画は,投資効果及びリスク算定の方法を明確にすること。
(5)全体最適化計画は,システム構築及び運用のための標準化及び品質 方針を含めたルールを明確にすること。
(6)全体最適化計画は,個別の開発計画の優先順位及び順位付けのルールを明確にすること。
(7)全体最適化計画は,外部資源の活用を考慮すること。
×  II.企画業務 1.開発計画 (5) に規定されている。
×  II.企画業務 2.分析 (2) に規定されている。

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問題3

内閣府の"事業継続ガイドライン"による事業継続計画の継続的改善のプロセスを順番に並べたとき、cに入るものはどれか。ここで、ア~エはa~dのいずれかに入る。

教育・訓練の実施
経営層による見直し
実施及び運用
点検及び是正措置

解答:エ

<解説>

マネジメントシステムにおける継続的改善とは、下図に示すように、①経営者が方針を立て、 ②計画を立案し、③日常業務として実施・運用し、④従業員の教育・訓練を行い、⑤結果を点検・ 是正し、⑥経営層が見直すことを繰り返すものである。

したがって、エが正解である。

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問題4

システム化計画の立案において実施する作業であり、その作業の結果を基に、後続の作業でシステム化機能を整理し、情報と処理の流れを明確にするものはどれか。

機能要件の定義
業務運用手順の文書化
業務モデルの作成
システム方式の設計

解答:ウ

<解説>

共通フレーム2007における、システム化計画の立案のタスクは次のものである。

システム化計画の立案

  • システム化計画の基本要件の確認
  • 対象業務の内容の確認,システム課題の定義
  • 対象システムの分析,適用情報技術の調査
  • (ウ)業務モデルの作成
  • システム化機能の整理とシステム方式の策定
  • システム化に必要な付帯機能、付帯設備に対する基本方針の明確化
  • サービスレベルと品質に対する基本方針の明確化
  • 実現可能性の検討,全体開発スケジュールの作成
  • システム化計画,プロジェクト計画の作成と承認等

したがって、ウが正解である。

× 利害関係者要件の定義において実施する作業である。
× 運用プロセス開始の準備において実施する作業である。
システム化計画の立案において実施する作業である。
× システム方式設計において実施する作業である。

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問題5

情報システムの全体計画立案のためにE-Rモデルを用いて全社のデータモデルを作成する手順はどれか。

管理層の業務から機能を抽出し、機能をエンティティとする。次に、機能の相互関係に基づいてリレーションシップを定義する。さらに、全社の帳票類を調査して整理し、正規化された項目に基づいて属性を定義し、全社のデータモデルとする。
企業の全体像を把握するために、主要なエンティティだけを抽出し、それらの相互間のリレーションシップを含めて、鳥瞰図を作成する。次に、エンティティを詳細化し、全てのリレーションシップを明確にしたものを全社のデータモデルとする。
業務層の現状システムを分析し、エンティティとリレーションシップを抽出する。それぞれについて適切な属性を定め、これらを基にE-R図を作成し、それを抽象化して、全社のデータモデルを作成する。
全社のデータとその処理過程を分析し、重要な処理を行っている業務を基本エンティティとする。次に、基本エンティティ相互のデータの流れをリレーションシップとして捉え、適切な識別名を与える。さらに、基本エンティティと関係あるデータを属性とし、全社のデータモデルを作成する。

解答:イ

<解説>

× E-R モデルは,業務から抽出した機能に着目して作成するものではなく、必要なデータに着目する。
また、管理層の業務に限定しているので誤りである。
システム全体としての最適化のために、企業全体の業務が見渡せるような概略を作成し、そこから個々を細分化して全社データモデルを作成する。
× 全社のデータモデルは,業務層の現状システムを分析して作成するものではない。企業全体のあるべき姿から考えるものである。
また、業務層の業務に限定しているので誤りである。これでは、小手先の改善にとどまってしまう。
× E-R モデルは,重要な処理を行っている業務に着目して作成するものではないし、業務はエンティティではなくプロセスである。
また、リレーションシップは、E-Rモデルで、エンティティ(実体)間の関係を表す。すなわち流れをリレーションシップとしてとらえるのではない。

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