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平成22年度春季解答
問題31
データの正規化に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 正規化は、データベースへのアクセス効率を向上させるために行う。 |
イ | 正規化を行うと、複数の項目で構成される属性は、単一の項目をもつ属性に分解される。 |
ウ | 正規化を完全に行うと、同一の属性を複数の表で重複してもつことはなくなる。 |
エ | 非正規形の表に対しては、選択、射影などの関係演算は実行不可能である。 |
解答:イ
<解説>
データの正規化とは,データの重複をなくすことにより,データの管理を容易にしたり,データを多様な目的に用いるのに有効な方法で,データベースの構築の基本になる技法である。
データの正規化を行うことで、データが重複したり、データ更新の際に矛盾が生じたりしないようになる。
ア | × | 正規化によって表が細かく分割されるので、複数の票と結合処理する必要性が増える。 その結果、アクセス効率が下がる場合もある。 |
イ | ○ | データの正規化における第1正規化では、繰り返し部分を別レコードとして分離し固定長レコードにする。 |
ウ | × | 同一の属性を複数の表で重複して外部キーとして用いる場合がある。 |
エ | × | 非正規形・正規形に関係なく、選択,射影などの関係演算は実行可能である。 |
問題32
"受注明細"表は、どのレベルまでの正規形の条件を満足しているか。ここで、受注番号と明細番号の組は主キーである。
ア | 第1正規形 |
イ | 第2正規形 |
ウ | 第3正規形 |
エ | 第4正規形 |
解答:イ
<解説>
データの正規化とは,データの重複をなくすことにより,データの管理を容易にしたり,データを多様な目的に用いるのに有効な方法で,データベースの構築の基本になる技法である。
通常、正規化は第1正規形~第3正規形の3段階で行う。
- 第1正規化:繰り返し部分を別レコードとして分離し固定長レコードにする。
- 第2正規化:レコードの主キーに完全従属する属性と、主キーの一部分にのみ部分従属する属性を別のレコードとして分離させる。
- 第3正規化:主キー以外の属性に従属する属性を別レコードに分割する。
したがって、問題の"受注明細"表は次のようになる。
- 繰り返し部分が存在しないため、第1正規化の条件を満たしている。
- レコードの主キーに完全従属する属性と、主キーの一部分にのみ部分従属する属性を別のレコードとして分離させているため、第2正規化の条件も満たしている。
- 商品コードから商品名が一意に決まっているので互いに関係従属したままである。よって第3正規化の条件は満たしていない。
なお、第3正規系の条件を満たすと次のようになる。
したがって、イが正解である。
問題33
表Aから実行結果Bを得るためのSQL文はどれか。
ア | SELECT 部署コード、社員コード、名前 FROM A GROUP BY 社員コード |
イ | SELECT 部署コード、社員コード、名前 FROM A GROUP BY 部署コード |
ウ | SELECT 部署コード、社員コード、名前 FROM A ORDER BY 社員コード,部署コード |
エ | SELECT 部署コード、社員コード、名前 FROM A ORDER BY 部署コード,社員コード |
解答:エ
<解説>
ア | × | 並び替えが行われていない。 |
イ | × | 並び替えが行われていない。 |
ウ | × | 並び替え順は部署コード,社員コード順である。 |
エ | ○ | 正しい。 |
問題34
DBMSのロールフォワードを説明したものはどれか。
ア | 更新前ログ情報によって、直近の整合性のとれた状態に回復する。 |
イ | 障害のもととなったプログラムを修正し、再実行によって回復する。 |
ウ | チェックポイント情報と更新後ログ情報を使って回復する。 |
エ | データベースのレコードの内容を、SQLを使って直接修正する。 |
解答:ウ
<解説>
ロールフォワードとは、データベースに障害が発生したときに、記録してあるチェックポイントのデータを再現した上で、ログファイルに残っているチェックポイント後の処理を再現し、障害直前の状態にまで戻すことである。
ア | × | ロールバックに関する説明である。 |
イ | × | ロールフォワードでは、障害のもととなったプログラムを修正することはない。 |
ウ | ○ | チェックポイント情報と更新後ログ情報を使って回復する。 |
エ | × | データベースのレコードの内容を、更新後ログを使って修正する。 |
問題35
100Mビット/秒のLANに接続されているブロードバンドルータ経由でインターネットを利用している。FTTHの実効速度が90M ビット/秒で、LANの伝送効率が80%のときに、LANに接続されたPCでインターネット上の540Mバイトのファイルをダウンロードするのにかかる時 間は、およそ何秒か。ここで、制御情報やブロードバンドルータの遅延時間などは考えず、また、インターネットは十分に高速であるものとする。
ア | 43 |
イ | 48 |
ウ | 54 |
エ | 60 |
解答:ウ
<解説>
- FTTHとLANの実行速度を比較すると、LANの実行速度の方が遅い。こうした場合の全体の通信速度は通信路で最も遅い部分の速度となる。
FTTHの実行速度 : 90M ビット/秒 LANの実行速度 : 100M×0.8=80M ビット/秒 - 80M ビット/秒は、10Mバイト/秒である。
80M ビット/秒÷8ビット=10Mバイト/秒 - ダウンロードにかかる時間を計算する。
540Mバイト÷10Mバイト/秒=54秒
したがって、ウが正解である。
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