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平成22年度春季解答
問題76
経営会議で来期の経営動向を議論したところ、経営は悪化する、横ばいである、好転するという三つの意見に完全に分かれてしまった。来期の投資計画について、積極的投資、継続的投資、消極的投資のいずれかに決定しなければならない。表の予想利益については意見が一致した。意思決定に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 混合戦略に基づく最適意思決定は、積極的投資と消極的投資である。 |
イ | 純粋戦略に基づく最適意思決定は、積極的投資である。 |
ウ | マクシマックス原理に基づく最適意思決定は、継続的投資である。 |
エ | マクシミン原理に基づく最適意思決定は、消極的投資である。 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 混合戦略とは、与えられた状況で取り得る選択肢の中からその都度異なる行為を実行するタイプの戦略のことである。 各景気動向の発生確率が未定なので、どの投資計画を選択するか断定できない。 |
イ | × | 純粋戦略とは、与えられた状況における打ち手として毎回同じ行為のみを行うタイプの戦略のことである。 各景気動向の発生確率が未定なので、どの投資計画を選択するか断定できない。 |
ウ | × | マクシマックス原理とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最もうまくいった場合の最大利得を考え、これが最大となる戦略を選択することである。 最もうまくいった場合(景気動向が好転)の場合に基づく最適意思決定は、積極的投資の500万円である。 |
エ | ○ | マクシミン原理とは、選択されうる戦略のそれぞれの場合について、最悪の場合の利得を考え、これが最大となる戦略を選択することである。 最悪の場合(景気動向が悪化)の場合に基づく最適意思決定は、消極的投資の400万円である。 |
問題77
X社では、(1)~(4)に示す算定方式で在庫補充量を決定している。第n 週の週末時点での在庫量をB[n ]、第n 週の販売量をC[n ]としたとき、第n 週の週末に発注する在庫補充量の算出式はどれか。ここで、n は3以上とする。
[在庫補充量の算定方式]
(1) 週末ごとに在庫補充量を算出し、発注を行う。在庫は翌週の月曜日に補充される。
(2) 在庫補充量は、翌週の販売予測量から現在の在庫量を引き、安全在庫量を加えて算出する。
(3) 翌週の販売予測量は、先週の販売量と今週の販売量の平均値とする。
(4) 安全在庫量は、翌週の販売予測量の10%とする。
ア | (C[n -1]+C[n ])/2×1.1-B[n ] |
イ | (C[n -1]+C[n ])/2×1.1-B[n -1] |
ウ | (C[n -1]+C[n ])/2+C[n ]×0.1-B[n ] |
エ | (c[n -2]+C[n -1])/2+C[n ]×0.1-B[n ] |
解答:ア
<解説>
- [在庫補充量の算定方式]を算出式に変換する。
(2)在庫補充量 = 翌週の販売予測量-現在の在庫量+安全在庫量
(3)翌週の販売予測量 =(先週の販売量と今週の販売量)/2
(4)安全在庫量=(先週の販売量と今週の販売量)/2×0.1 - 1の式を整理する。
在庫補充量=(先週の販売量と今週の販売量)/2-現在在庫量+(先週の販売量と今週の販売量)/2×0.1 - 2を記号に置き換える。
(C[n -1]+C[n ])/2-B[n ]+(C[n -1]+C[n ])/2×0.1
↓
(C[n -1]+C[n ])/2+(C[n -1]+C[n ])/2×0.1-B[n ]
↓
(ア)(C[n -1]+C[n ])/2×1.1-B[n ]
したがって、アが正解である。
問題78
期末の決算において、表の損益計算資料が得られた。当期の営業利益は何百万円か。
ア | 270 |
イ | 300 |
ウ | 310 |
エ | 500 |
解答:イ
<解説>
- 営業利益は次の式で計算することができる。
営業利益=売上総利益(※売上総利益=売上高-売上原価)-販売費及び一般管理費 - 損益計算書に記載された金額を1の式に反映する。
(1,500-1,000)-200=300
したがって、イが正解である。
※補足
- ※なお経常利益は、次の式で計算することができる。
経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用 - 1で得られた金額および損益計算書に記載された金額を1の式に反映する。
300+40-30=310
問題79
プログラムの著作物について、著作権法上適法である行為はどれか。
ア | 海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し、業務で使用した。 |
イ | 業務処理用に購入したプログラムを複製し、社員教育用として各部門に配付した。 |
ウ | 職務著作のプログラムを、作成した担当者が独断で複製し協力会社に貸与した。 |
エ | 処理速度の向上など、購入したプログラムを効果的に利用するために改変した。 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し、業務で使用した場合、著作権法上違法となる。 |
イ | × | 必要限度内の複製とは考えにくので、著作権法上違法となる。 |
ウ | × | 職務著作のプログラムの著作権は法人に所属する。したがって、担当者が独断で複製し協力会社に貸与するのは、著作権法上違法となる。 |
エ | ○ | プログラムをある特定のコンピュータで使えるようにするための改変やより効率的に使用するために必要な改変は著作権法上認められている。 |
問題80
不正アクセス禁止法において、処罰の対象となる行為はどれか。
ア | Webサイトで使用している他人のID・パスワードを無断で第三者に教える行為 |
イ | 個人が開設しているアクセス制御機能のないWebサイトに対する侵害行為 |
ウ | コンピュータウイルスを添付した電子メールをメールサーバに送信する行為 |
エ | ネットワークに接続されていないスタンドアロンのコンピュータに対する侵害行為 |
解答:ア
<解説>
不正アクセス禁止法とは、「ID・パスワードの不正な使用」や「そのほかの攻撃手法」によってアクセス権限のないコンピュータ資源へのアクセスを行うことを犯罪として定義する法律である。
ア | ○ | 不正アクセス禁止法では、「特定のアクセス制御を有する端末に関しての、認証情報(ID・パスワードなど)をその端末利用者や管理者以外の人間に漏らしたり流布してはいけない」と規定されており、これは「不正アクセスを助長する行為」として犯罪とされる。 |
イ | × | アクセス制御機能のないWebサイトは誰でもアクセスできるので不正アクセス禁止法の対象外である。 |
ウ | × | コンピュータウイルスを添付した電子メールをメールサーバに送信する行為は、刑法で罰せされる。 |
エ | × | ネットワークに接続されていないスタンドアロンのコンピュータに対する侵害行為は、刑法で罰せされる。 |
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