- トップページ
- 応用情報技術者
- 平成25年度春季問題
- 平成25年度春季解答・解説
平成25年度春季解答
問題11
複数のデータに対して1個の命令で同一の操作を同時並列に行う方式で、マルティメディアデータなどを扱うCPUに採用されているものはどれか。
ア | MIMD |
イ | MISD |
ウ | SIMD |
エ | SISD |
解答:ウ
<解説>
マルチプロセッサの処理方式には、次のものがある。
- SISD(Single Instruction Single Data)
- 一つの命令(Single Instruction)で一つのデータ(Single Data)を処理する方式
- SIMD(Single Instruction Multiple Data)
- 一つの命令(Single Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式
- MISD(Multiple Instruction Single Data)
- 複数の命令(Multiple Instruction)で一つのデータを処理する方式
- MIMD(Multiple Instruction stream Multiple Data stream)
- 複数の命令(Multiple Instruction)で複数のデータ(Multiple Data)を処理する方式
したがって、ウが正解である。
問題12
キャッシュの書込み方式には、ライトスルー方式とライトバック方式がある。ライトバック方式を使用する目的として、適切なものはどれか。
ア | キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)を保ちながら、書込みを行う。 |
イ | キャッシュミスが発生したときに、キャッシュの内容の主記憶への書き戻しを不要にする。 |
ウ | 個々のプロセッサがそれぞれのキャッシュをもつマルチプロセッサシステムにおいて、キャッシュ管理を簡単な回路構成で実現する。 |
エ | プロセッサから主記憶への書込み頻度を減らす。 |
解答:エ
<解説>
書込み命令が実行された時に、キャッシュメモリと主記憶の両方を書き換える方式のことを、ライトスルー方式(write through) ,キャッシュメモリだけを書き換えておき、主記憶の書き換えはブロックの入れ替え時に行う方式のことを、ライトバック(write back) 方式という。
- ライトスルー方式
-
- キャッシュへの書込みと同時に主記憶にも書き込む方式
- キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)は常に保たれる
- 書き込みの高速化はできない
- ライトバック方式
-
- キャッシュから追い出された時点で主記憶へ書き込む方式
- 主記憶への書込みが終了するまでキャッシュとの一貫性(コヒーレンシ)が保たれない
- 書込みも高速化できる
ア | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、キャッシュと主記憶の一貫性(コヒーレンシ)が保たれないことがある。 |
イ | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、キャッシュミスが発生したとき、キャッシュの内容を主記憶に書き戻す必要がある。 |
ウ | × | ライトスルー方式の説明である。ライトバック方式では、個々のプロセッサのもつキャッシュと主記憶の一貫性を調整するため回路構成は複雑になる。 |
エ | ○ | ライトバック方式の説明である。ライトバック方式では、プロセッサが主記憶に書き込みを行うのはキャッシュをフラッシュする場合だけなので、書込み頻度を減らすことができる。 |
問題13
3層クライアントサーバシステムの各層の役割のうち、適切なものはどれか。
ア | データベースアクセス層は、データを加工してプレゼンテーション層に返信する。 |
イ | ファンクション層は、データベースアクセス層で組み立てられたSQL文を解釈する。 |
ウ | ファンクション層は、データを加工してプレゼンテーション層に返信する。 |
エ | プレゼンテーション層は、データベースアクセス層にSQL文で問い合わせる。 |
解答:ウ
<解説>
3層クライアントサーバーシステムとは、クライアントサーバーシステムを3つの階層にわけて構築したものである。
- (1)アプリケーション層
- ユーザが操作するクライアント画面にユーザインターフェース画面を表示させ、入力を行い条件データをWebサーバに送る。
- (2)ファンクション層
- Webサーバではユーザが入力した文字列データを受け取り、解析し、条件を付加してSQL文を作成しデーベースサーバに送る。
- (3)データベース層
- データサーバでは受け取ったSQL文で検索を行い結果をWebサーバに返す。
- (4)ファンクション層
- データベースサーバが返した検索データをWebサーバではユーザインターフェース用のHTML文などの文字列としてユーザへ送り返す。
- (5)アプリケーション層
- Webサーバから返された文字列情報でユーザインターフェース画面に結果を表示する。
ア | × | データを加工するのは、ファンクション層である。 |
イ | × | SQL文を解釈し、データベースの操作を行なうのはデータベース層である。 |
ウ | ○ | ファンクション層は、データを加工してプレゼンテーション層に返信する。 |
エ | × | ファンクション層は、データベースアクセス層にSQL文で問い合わせる。 |
問題14
密結合マルチプロセッサの性能が、1台当たりのプロセッサの性能とプロセッサ数の積に等しくならない要因として、最も適切なものはどれか。
ア | 主記憶へのアクセスの競合 |
イ | 通信回線を介したプロセッサ間通信 |
ウ | プロセッサのディスパッチ処理 |
エ | 割込み処理 |
解答:ア
<解説>
マルチプロセッサシステムの構成には以下の二つがある。
- 密結合マルチプロセッサシステム
- 複数のプロセッサが主記憶を共有(共有メモリ型)
- 疎結合マルチプロセッサシステム
- プロセッサごとにローカルメモリとOSをもったモジュールを単位として、複数のプロセッサを結合
ア | ○ | 主記憶へのアクセスの競合によって密結合プロセッサではデータの整合性を保つため排他処理を行なう。その結果、頻繁にプロセッサが処理待ち状態になり性能が低下する。 |
イ | × | 通信回線を介したプロセッサ間通信による性能低下は、疎結合マルチプロセッサシステムによって発生する要因である。 |
ウ | × | プロセッサのディスパッチ処理は、マルチプロセッサ以外でも発生する。すなわち、プロセッサのマルチ化に伴う性能低下の要因ではない。 |
エ | × | 割込み処理は、マルチプロセッサ以外でも発生する。すなわち、プロセッサのマルチ化に伴う性能低下の要因ではない。 |
問題15
システムの信頼性向上技術に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 故障が発生したときに、あらかじめ指定されている安全な状態にシステムを保つことを、フェールソフトという。 |
イ | 故障が発生したときに、あらかじめ指定されている縮小した範囲のサービスを提供することを、フォールトマスキングという。 |
ウ | 故障が発生したときに、その影響が誤りとなって外部に出ないように訂正することを、フェールセーフという。 |
エ | 故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることを、フォールトアボイダンスという。 |
解答:エ
<解説>
ア | × | 故障が発生したときに、あらかじめ指定された安全な状態にシステムを保つことをフェールセーフという。 |
イ | × | 故障が発生したときに、あらかじめ指定されている縮小した範囲のサービスを提供することをフェールソフトという。 |
ウ | × | 故障が発生したときに、その影響が誤りとなって外部にでないように訂正することをフォールトマスキングという。 |
エ | ○ | 故障が発生したときに対処するのではなく、品質管理などを通じてシステム構成要素の信頼性を高めることをフォールトアボイダンスという。 |
お問い合わせ