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平成25年度春季解答
問題16
3台の装置X~Zを接続したシステムA,Bの稼働率について、適切なものはどれか。ここで、3台の装置の稼働率は、いずれも0より大きく1より小さいものとする。
ア | 各装置の稼働率の値によって、AとBの稼働率のどちらが高いかは変化する。 |
イ | 常にAとBの稼働率は等しい。 |
ウ | 常にAの稼働率が高い。 |
エ | 常にBの稼働率が高い。 |
解答:エ
<解説>
X,Y,Zの稼働率を0.9として、A,Bの稼働率を計算すると次のようになる。
したがって、(エ)「常にBの稼働率が高い。」が正解である。
問題17
五つのジョブA~Eに対して、ジョブの多重度が1で、処理時間順方式のスケジューリングを適用した場合、ジョブBのターンアラウンドタイムは何秒か。ここで、OSのオーバヘッド考慮しないものとする。
ア | 8 |
イ | 9 |
ウ | 10 |
エ | 11 |
解答:エ
<解説>
設問の要点は次の通りである。
- 処理時間順方式のため、単独での実行時間が短いジョブに優先してCPUを割当てる
- ジョブの多重度が1なので同時に2つ以上のジョブが実行されることはない。
図にすると、次のようになる。
ターンアラウンドタイムは、ジョブが到着してから完了するまでの時間なので12-1=11となる。したがって、正解はエである。
問題18
ページング方式の仮想記憶において、ページフォールト発生時のオーバヘッドによる1命令当たりの平均遅れ時間を求める式はどれか。
【記号の説明】
t:1回当たりのページフォールト処理時間
f:ページフォールト発生率
m:1命令当たりの平均主記憶アクセス回数
ア | t-f×m |
イ | t×f×m |
ウ | t×f÷m |
エ | t÷f÷m |
解答:イ
<解説>
それぞれの記号の意味は次の通りである。
- t:1回当たりのページフォールト処理時間
- 主記憶へのアクセスでページフォールトが発生すると補助記憶に退避されているデータと物理メモリのデータを入れ替える必要がある。
この作業1回あたりの処理時間をtとする。 - f:ページフォールト発生率
- ページフォールトが発生する割合をfとする。1命令によって複数の異なるアドレスの主記憶にアクセスする可能性があるため、ページフォールト発生率は1命令あたりの発生率ではなく、主記憶へのアクセス1回あたりの発生率である。
- m:1命令当たりの平均主記憶アクセス回数
- 1命令を実行する際の平均主記憶アクセス回数である。
したがって、1命令当たりの平均遅れ時間を求める式は、(イ)t×f×mとなる。
問題19
仮想記憶方式におけるプログラムやデータの格納方法に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア | 一つのプログラムや一連のデータは、主記憶装置及び補助記憶装置で必ず連続した領域に格納される。 |
イ | 頻繁に参照されるプログラムやデータが主記憶装置に格納されているので、仮想記憶を用いない場合に比べて主記憶の平均アクセス時間が短くなる。 |
ウ | プログラムやデータを補助記憶装置に格納し、必要に応じて主記憶に読み込むので、主記憶の見かけの容量を拡大できる。 |
エ | ページアウトされたプログラムやデータがシステムの停止後も補助記憶装置に保持されるので、再起動後に主記憶の内容が復元される。 |
解答:ウ
<解説>
ア | × | 一つのプログラムや一連のデータは、主記憶装置及び補助記憶装置で必ずしも連続した領域に格納されない。 |
イ | × | 仮想記憶を用いると主記憶装置と仮想記憶空間との間でページを交換するためのオーバヘッドが発生する。その結果、仮想記憶を道以内場合に比べて平均アクセス時間は長くなる。 |
ウ | ○ | プログラムやデータを補助記憶装置に格納し、必要に応じて主記憶に読み込むので、主記憶の見かけの容量を拡大できる。 |
エ | × | レジューム機能の説明である。一般の再起動では再起動前と比べ起動されるプロっセスやシステムの状態も異なる。したがって、補助記憶に格納されたデータを復元しても意味がない。 |
問題20
メインプログラムを実行した後、メインプログラムの変数X,Yの値は幾つになるか。ここで、仮引数Xは値呼び出し(call by value)、仮引数Yは参照呼出し(call by reference)であるとする。
解答:イ
<解説>
- 値呼び出し
- プログラム中で関数やサブルーチンなどに引数を渡す時に、その値のみを渡す方式である。
- 参照呼び出し
- プログラム中で関数やサブルーチンなどに引数を渡す時に、変数への参照(メモリ中のアドレスなど)を渡す方式である。
メインプログラムではX=2,Y=2として手続きaddを呼び出しているので、
X=X+Y→X=2+2=4
X=X+Y→Y=4+2=6
となる。
ただし、Xは値呼び出しのため、メインプログラムのXの値は2のままである。Yは参照呼出しのため、値がとなる。
したがって、イが正解である。
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