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平成25年度春季解答
問題46
ソフトウェアの使用性を評価する指標の目標設定の例として、適切なものはどれか。
ア | ソフトウェアに障害が発生してから1時間以内に、利用者が使用できること |
イ | 利用者が使用したい機能の改善を、1週間以内に実装できること |
ウ | 利用者が利用した機能を、100%提供できていること |
エ | 利用者が、使用したいソフトウェアの使用方法を1時間以内に習得できること |
解答:エ
<解説>
ソフトウェアの品質特性モデルとは、ソフトウェアの品質の指標を分類して体系的にまとめた規格で、ソフトウェアの品質に対する評価に利用できる。
- 機能性
- ソフトウェアがユーザからの機能的な要求(明示的機能と暗示的機能)を満たす度合い。
ユーザ目的に合った正確な動作を満たすか。外部IFや規格、セキュリティ基準を満たすか。 - 信頼性
- 様々な使用条件のもとで、ソフトウェアの機能が正常に稼働し続ける度合い。
必要な期間、正常に動作を続け、イレギュラーに対する耐久力を持ち、 障害時に速やかに回復できるか。 - 使用性
- 分かりやすく使いやすいソフトウェアであるかどうかの度合い。
簡単に理解でき使いこなすことができるか。再び使用したくなるか。 インストール作業や運用時が容易か。 - 効率性
- アプリケーションのレスポンスや、ハードウェア資源(メモリ/CPU使用率/ハードディスク等) に対して適切な性能を提供する度合い。
- 保守性
- ソフトウェアに対する機能追加、改修、環境変化等に対する対応の容易性の度合い。
障害等の問題の把握、切り分けなどの解析のしやすさ、変更作業の容易さ、保守作業が必要な頻度の少なさ、保守によるテスト作業の行いやすさ等。 - 移植性
- ソフトウェアを ある環境から他の環境に移すための容易性の度合い。
OSやハードウェア等の環境変更に対してスムーズに移植できるか、どの程度の作業量にて移植できるか。
ア | × | 信頼性に関する指標である。 |
イ | × | 保守性に関する指標である。 |
ウ | × | 機能性に関する指標である。 |
エ | ○ | 使用性に関する指標である。 |
問題47
エラー埋込み法による残存エラーの予測において、テストが十分に進んでいると仮定する。当初の埋込みエラー数は48個である。テスト期間中に発見されたエラーの内訳は、埋込みエラーが36個、真のエラーが42個である。このとき、残存する真のエラーは何個と推定されるか。
ア | 6 |
イ | 14 |
ウ | 54 |
エ | 56 |
解答:イ
<解説>
エラー埋め込み法とは、プログラムに意図的にエラーを埋め込んだ状態でテストを行い、発見された埋め込みエラー数から、まだ発見されていない潜在バグ(真のエラー)数を推測する手法である。
- 推定される総エラー数は、(発見されたエラー数÷発見された埋め込みエラー数)×埋め込みエラー数で計算される。
埋め込みエラー=48個,発見された埋め込みエラー数=36個,発見された真のエラー数=42個より推定される総エラー数は、(36+42)÷36×48≒104個となる。 - 残存する真のエラー数は、総エラー数-埋め込みエラー数-発見された真のエラー数で計算される。
104-48-42=14個
したがって、 イが正解である。
問題48
ブラックボックステストのテストデータの作成方法のうち、最も適切なものはどれか。
ア | 稼働中のシステムから実データを無作為に抽出し、テストデータを作成する。 |
イ | 機能仕様から同値クラスや限界値を識別し、テストデータを作成する。 |
ウ | 業務で発生するデータの発生頻度を分析し、テストデータを作成する。 |
エ | プログラムの流れ図から、分岐条件に基づいたテストデータを作成する。 |
解答:イ
<解説>
ブラックボックステストとは、システムの内部構造とは無関係に、外部から見た機能を検証するプログラムのテスト方法。入力と出力だけに着目し、様々な入力に対して仕様書通りの出力が得られるかどうかを確認する。
ア | × | テストデータは計画的に作成しなけらばならない。無作為に抽出しテストデータを作成してはいけない。 |
イ | ○ | ブラックボックステストの説明である。 |
ウ | × | 業務で発生するデータの発生頻度を分析し、発生頻度の高いテストデータだけでテストをすると発生頻度の低いテストデータのテストができない。 |
エ | × | ホワイトボックステストの分岐網羅である。 |
問題49
ソフトウェアのリファクタリングの説明はどれか。
ア | 外部から見た振る舞いを変更せずに保守性の高いプログラムに書き直す。 |
イ | ソースコードから設計書を作成する。 |
ウ | ソフトウェア部品を組み合わせてシステムを開発する。 |
エ | プログラムの修正が他の部分に影響していないかどうかをテストする。 |
解答:ア
<解説>
リファクタリングとはコンピュータプログラミングにおいて、プログラムの外部から見た動作を変えずにソースコードの内部構造を整理することである。
効率性を高めたり、保守性の向上を目的に実施される。
ア | ○ | リファクタリングの説明である。 |
イ | × | リバースエンジニアリングの説明である。 |
ウ | × | コンポーネント指向開発の説明である。 |
エ | × | レグレッションテスト(退行テスト)の説明である。 |
問題50
特許のサブライセンスの説明として、適切なものはどれか。
ア | 特許の実施権の許諾を受けた者が、開発した改良特許についての実施権を、当該特許の実施権を与えた者に許諾すること |
イ | 特許の実施権の許諾を受けた者が、更に第三者に当該特許の実施権を許諾すること |
ウ | 特許の実施権の許諾を受けた者が、当該特許に関し第三者から与えられ当該特許が無効となった場合、特許の実施権を許諾した者が金銭的な補償をすること |
エ | 特許の実施権の許諾を受けた者が、当該特許の実施権を独占的に行使すること |
解答:イ
<解説>
サブライセンスとは、ライセンシー(ライセンスを受けたもの)が、ライセンサー(ライセンスを供与したもの)から付与されたライセンスを、さらに第三者に対してライセンスすることをいう。再許諾ともいう。
ア | × | クロスライセンスの説明である。 |
イ | ○ | サブライセンスの説明である。 |
ウ | × | 当該特許が無効となった場合、特許件は消滅するが金銭的な補償は必ずしも必要ではない。 |
エ | × | 特許の実施権の許諾を受けた者が、当該特許の実施権を独占的に行使するためには専用実施権が必要である。 |
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