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平成25年度春季解答
問題61
“システム監査基準"によれば、情報システム化委員会の説明はどれか。
ア | 経営トップや各部門の責任者などから構成された、情報システムに関わる活動全般をモニタリングする組織 |
イ | 情報システムの開発プロセスやシステムの品質を検査し、品質上の問題があれば是正勧告を行う組織 |
ウ | 情報システムの利用担当者で構成された、現場での自主的な改善活動を行う組織 |
エ | 情報システム部門内に配置された、システムの改善要求を調整する組織 |
解答:ア
<解説>
システム管理基準は、システム監査における監査人の判断基準と,組織が情報戦略を立案してリスクコントロールを適切に整備・運用するための指針を示したものである。経済産業省によって策定された。
システム管理基準の中で、情報システム委員会(情報システムの最適化を実現するために設置される機関)は次のように規定されている。
(1) | 全体最適化計画に基づき、委員会の使命を明確にし、適切な権限及び責任を与えること。 |
(2) | 委員会は、組織体における情報システムに関する活動全般について、モニタリングを実施し、必要に応じて是正措置を講じること。 |
(3) | 委員会は、情報技術の動向に対応するため、技術採用指針を明確にすること。 |
(4) | 委員会は、活動内容を組織体の長に報告すること。 |
(5) | 委員会は、意思決定を支援するための情報を組織体の長に提供すること。 |
したがって、(2)の記述があるようにアが正解である。
問題62
物流業務において、10%の物流コストの削減の目標を立てて、図のような業務プロセスの改善活動を実施している。図中のcに相当する活動はどれか。
ア | CSF(Critical Success Factor)の抽出 |
イ | KGI(Key Goal Indicator)の設定 |
ウ | KPI(Key Performance Indicator)の設定 |
エ | MBO(Management by Objectives)の導入 |
解答:ウ
<解説>
選択肢にある用語の意味は次のものである。
- CSF(Critical Success Factor:主要成功要因)
- 目標達成のために決定的に重要となる要因のこと。また、目標達成のために最も力を入れて取り組むべき活動や課題のこと。
- KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)
- 業務活動の結果として組織が最終的に達成するべき目標(成果)の指標
- KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)
- KGIがどの程度まで達成されたかを確認するために設定される定量的な指標
- MBO(Management by Objectives:目標管理)
- あらかじめ評価者(上司)と、被評価者との間で目標に関する合意を結び、それに対する達成度合いで評価をする方式
業務プロセスの改善活動を実行するときは以下の順序で行なう。
- 物流コストの削減
- a:KGIの設定
- b:CSFの設定
- c:KPIの設定
- 開園活動の実施
- 成果の計測と目標値とのギャップ分析
問題63
スマートグリッドの説明はどれか。
ア | 健康診断結果や投薬情報など、類似した症状に基づく分析を行い、個人ごとに最適な健康アドバイスを提供できるシステム |
イ | 在宅社員やシニアワーカなど、様々な勤務形態で働く労働者の相互のコミュニケーションを可能にし、多様なワークスタイルを支援するシステム |
ウ | 自動車に設置された情報機器を用いて、飲食店・娯楽情報などの検索、交通情報の受発信、緊急時の現在位置の通報などを行えるシステム |
エ | 通信と情報処理技術によって、発電と電力消費を総合的に制御し、再生可能エネルギーの活用、安定的な電力供給、最適な需要調整を図るシステム |
解答:エ
<解説>
スマートグリッドとは、スマートメーター等の通信・制御機能を活用して停電防止や送電調整のほか多様な電力契約の実現や人件費削減等を可能にした電力網である。
ア | × | 健康診断システムの説明である。 |
イ | × | テレワークの説明である。 |
ウ | × | カーナビの説明である。 |
エ | ○ | スマートグリッドの説明である。 |
問題64
業務要件定義において、業務フローを記述する際に、処理の分岐や並行処理、処理の同期などを表現できる図はどれか。
ア | アクティビティ図 |
イ | クラス図 |
ウ | 状態遷移図 |
エ | ユースケース図 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | アクティビティ図とはフローチャートに似た図で、上流行程のビジネスプロセスの流れや下流行程のプログラムの制御フローを表すことができるUMLの図である。 |
イ | × | クラス図とは、クラス、属性、クラス間の関係からシステムの構造を記述する静的な構造図である。 |
ウ | × | 状態遷移図は、状態が遷移していく様子を表現する図である。 |
エ | × | ユースケース図とは、システムに対する要件を特定するために使用する図である。 |
問題65
要件定義段階において、要求品質の向上のために発注者が留意するべきことはどれか。
ア | 現行システムと同じ機能の要求であっても、現行システムの機能や使われ方を調査して、要件定義を実施する。 |
イ | ビジネス要求の視点よりも、現行業務で使用されている機能が盛り込まれているか否かの視点で、要件定義の妥当性を検証する。 |
ウ | 要件定義書はあくまで利用者ニーズの大枠を定めたものとして、実際には設計段階以降に、受注者と議論して具体的な要件を確定していく。 |
エ | 要件定義段階では、業務要件を整理し、システムの移行方法・運用方法など非機能要件は、システム稼働前に洗い出す。 |
解答:ア
<解説>
ア | ○ | 現行システムと同じ機能の要求であっても、現行システムの機能や使われ方を調査して、要件定義を実施する。 |
イ | × | システム開発では、第一にビジネス要求を実現するものにしなければならない。したがってビジネス要求の視点で検証する。 |
ウ | × | 要件定義の段階で利用者ニーズを正確に把握しておかないとスケジュールの遅れや開発コストの増大などのリスクが増加する。 |
エ | × | 要件定義段階では、機能要件だけでなく非機能要件も洗い出す。 |
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